以前から噂されていた、Appleの純正オーバーイヤー型ワイヤレスヘッドホン 「AirPods Max」 がようやく正式発表された。
AirPods Maxはアクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)に対応し、飛行機などでの使用にも向いたヘッドホンだが、おなじくANCに対応したワイヤレスヘッドホンとしては 「Bose Noise Cancelling Headphones 700」 や 「Sony WH-1000XM4」 など高品質で有名な製品がすでにあり、新規にヘッドホンを購入するユーザーにとってどのモデルを購入するのがベストか、非常に難しくなってきている。
そこで本記事では、今回発表された 「AirPods Max」 と、アクティブノイズキャンセリングを搭載したほかの人気ヘッドホン 「Bose Noise Cancelling Headphones 700」 「Sony WH-1000XM4」 とで性能を比較してみた。また、Apple傘下のBeatsからもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホン 「Beats Studio3 Wireless」 が継続販売されているため、そちらも比較。ヘッドホン選びに迷っている方はぜひ参考にしていただきたい。
※AirPods Maxはまだ発売していないため、現時点で発表されている情報をもとに比較を行なっている。実機を入手次第、内容を追記する予定だ。
比較表
まずは各モデルのスペックを表で比較・確認してみよう。これを見ればおおよそすべての違いがわかるはずだが、各項目については表のあとで細かく比較していく。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless | |
---|---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) | |
製品画像 | |||||
搭載チップ | H1(2個) | 不明 | QN1 | W1 | |
製品サイズ(cm) | W:16.86 H:18.73 D:8.34 ※公式発表 |
W:16.5 H:20.3 D:5.1 ※実機計測 |
W:18.5 H:20.0 D:5.0 ※実機計測 |
W:不明 H:18.4 D:不明 ※公式発表 |
|
ケースサイズ(cm) | 非公開 | W:17.7 H:21.5 D:5.5 ※実機計測 |
W:16.8 H:21.4 D:5.7 ※実機計測 |
W:18.0 H:13.5 D:9.0 ※実機計測 |
|
重量 | 本体:384.8g 本体+ケース:519.3g ※公式発表 |
本体:262g 本体+ケース:472g ※実機計測 |
本体:251g 本体+ケース:439g ※実機計測 |
本体:260g 本体+ケース:375g ※実機計測 |
|
イヤーカップ形状 | オーバーイヤー型(耳を完全に覆う形状) | ||||
イヤーカップの深さ | 不明 | 深め | 浅め | 浅め | |
折りたたみ | × | ◯ | ◯ | ◯ | |
ケース収納時画像 | |||||
持ち運び性 | △ | ◯ | ◯ | ◯ | |
筐体素材 | ヘッドバンド | 外側:ステンレススチール 内側:ニットメッシュ |
外側:ステンレススチール 内側:ウルトラソフトジェルタイプクッション、シリコンカバー |
非公開 | 非公開 |
イヤークッション | ニット (形状記憶フォーム) |
ソフトクッション プロテインレザーカバー |
低反撥ウレタン素材 | 非公開 (柔らかく通気性の良い素材) |
|
その他 | – | イヤーカップカバー:タッチジェスチャーに最適化された特別な粘着防止コーティング | – | – | |
コントロール | Digital Crown ノイズコントロールボタン |
タッチセンサー | タッチセンサー | 「b」ボタン(物理式) | |
ノイズキャンセル機能 | ANC(アクティブノイズキャンセリング)+パッシブノイズキャンセル | ||||
ノイズキャンセルレベルの手動調整 | 不明 | ◯ | ◯ | × | |
フィット感に対するノイズキャンセリング最適化 | 自動 | 非公開 | 手動 (NCオプティマイザー) |
自動 | |
動きに対するノイズキャンセリング最適化 | 自動 | 非公開 | 自動 (アダプティブサウンドコントロール) |
自動 | |
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ | × | |
イコライザ機能 | × | ◯ | ◯ | × | |
ハイレゾ | 不明 | × | ◯ | × | |
空間オーディオ | ◯ | × | × | × | |
音楽自動再生・停止 | ◯ | × | ◯ | × | |
自動電源オフ | 不明 | ◯ | ◯ | × | |
マルチペアリング | × ※Apple製品なら複数デバイスを瞬時に切り替え可能 |
2台まで | 2台まで | × | |
通話 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
音声アシスタント | ビルトイン:なし ※Apple製品ではSiri利用可 |
ビルトイン ・Googleアシスタント ・Amazon Alexa ※Apple製品ではSiri利用可 |
ビルトイン ・Googleアシスタント ・Amazon Alexa ※Apple製品ではSiri利用可 |
ビルトイン:なし ※Apple製品ではSiri利用可 |
|
充電端子 | Lightning | USB Type-C | USB Type-C | MicroUSB | |
外部プラグ | Lightning (充電端子と兼用) |
ミニプラグ | ミニプラグ | ミニプラグ | |
有線接続 | ◯ (別売) Lightning-3.5mmオーディオケーブル(税込4,180円)で可能 |
◯ (同梱) 2.5mm-3.5mmオーディオケーブルで可能 |
◯ (同梱) 2.5mm-3.5mmオーディオケーブルで可能 |
◯ (同梱) 3.5mm RemoteTalkケーブルで可能 |
|
駆動時間(NC ON時) | 最大20時間 | 最大20時間 | 最大30時間 | 最大22時間 | |
充電時間 | 非公開 | 約2.5時間 | 約3時間 | 約1.5時間 | |
クイック充電 | 5分で約1.5時間動作 | 15分で最大3.5時間動作 | 10分で5時間動作 | 10分で3時間動作 | |
対応コーデック | 非公開 | SBC AAC |
SBC AAC LDAC |
SBC AAC |
|
カラー | ・シルバー ・スペースグレイ ・スカイブルー ・ピンク ・グリーン |
・ブラック ・ラックスシルバー ・ソープストーン ・トリプルミッドナイト |
・ブラック ・プラチナシルバー |
・マットブラック ・レジスタンス・ブラックレッド ・レッド ・ホワイト ・ブルー ・ミッドナイトブラック ・シャドーグレー |
|
価格(税込) | 公式サイト:67,980円 | 公式サイト:46,750円 Amazon:43,998円 |
公式サイト:オープン価格 Amazon:33,291円 |
公式サイト:38,280円 |
本体デザイン&操作方法
各ヘッドホンのデザインを比較してみよう。
それぞれ特徴的なデザインを採用しているが、今回比較する4モデルはいずれもオーバーイヤー型と呼ばれる耳をすっぽりと覆うタイプのヘッドホンになる。イヤークッションが耳に直接的に当たらないため長時間つけていても耳が痛くならず集中して作業するのに適している。
この4モデルの中で、最もシンプルである意味無難なデザインをしているのはSONYのWH-1000XM4。それ以外の3製品はそれぞれ特徴的なポイントを持っている。
たとえばAirPods Maxはニットメッシュを使用した通気性のあるヘッドバンドが特徴。BoseのNoise Cancelling Headphones 700は、頭頂部から耳に向かって細くなるステンレススチールのヘッドバンドおよび立体感のあるイヤーパッドが特徴的だ。
デザインに関する好みは人それぞれだとは思うが、筆者は個人的にBose Noise Cancelling Headphones 700、BeatsのStudio3 Wirelessが好み。デザインを重視する場合はぜひお好みのデバイスを手に取っていただきたい。
ちなみにNoise Cancelling Headphones 700とWH-1000XM4はタッチセンサーが内蔵されており、イヤーカップの表面を触ることでコントロールすることが可能。
AirPods MaxにはApple Watchに搭載されているようなDigital Crownが搭載されており、BeatsのStudio3 Wirelessには物理式ボタンが搭載されている。
本体サイズ・重量・持ち運びのしやすさ
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
製品サイズ(cm) | W:16.86 H:18.73 D:8.34 ※公式発表 |
W:16.5 H:20.3 D:5.1 ※実機計測 |
W:18.5 H:20.0 D:5.0 ※実機計測 |
W:不明 H:18.4 D:不明 ※公式発表 |
ケースサイズ(cm) | 非公開 | W:17.7 H:21.5 D:5.5 ※実機計測 |
W:16.8 H:21.4 D:5.7 ※実機計測 |
W:18.0 H:13.5 D:9.0 ※実機計測 |
本体サイズはどのヘッドフォンもほとんど同じサイズ感になっているが、細かい違いを言うのであればAirPods Maxはイヤーパッドの分だけ厚みがある印象。また、Noise Cancelling Headphones 700よりもWH-1000XM4の方がわずかに大きいことがお分かりいただけると思う。
キャリングケースに入れた時のサイズ感も多少大小違いはあるものの、どのモデルもほとんど同じだ。ヘッドホン自体の大きさはヘッドホン選びにはあまり関係なさそうだ。
ただし持ち運びのしやすさについてはAirPods Maxが一歩劣る可能性がある。
他3モデルはいずれもキャリングケースにすっぽり収納して持ち運びができるのに対して、AirPods Maxはかなり立体的なケースになっていて、ヘッドバンドが外に出る形状。これではバックパックやカバンに入れて持ち運ぶにはやや不向き。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
重量 | 本体:384.8g 本体+ケース:519.3g ※公式発表 |
本体:262g 本体+ケース:472g ※実機計測 |
本体:251g 本体+ケース:439g ※実機計測 |
本体:260g 本体+ケース:375g ※実機計測 |
持ち運び性 | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
また、AirPods Maxは重量も重い。本体とケースをセットにすると約520グラムで500mlペットボトルと同じくらいの重量感になる。最も軽いのはBeatsのStudio3 Wirelessで375グラム、次に軽いのはWH-1000XM4で439グラム。
もし、持ち運びを前提にヘッドホンを選ぶのであればAirPods Maxは避けた方がいいのかもしれない。
▶︎ 各種ワイヤレスヘッドホンを購入する
・AirPods Max
・Bose Noise Cancelling Headphones 700
・Sony WH-1000XM4
・Beats Studio3 Wireless
音質
音質についてはまだAirPods Maxが発売していないこともあり、まだすべてのモデルを比較することはできないが、現時点で販売されている3製品だけで比較すると、実力的にはBoseのNoise Cancelling Headphones 700、SonyのWH-1000XM4が同等レベルという感じだ。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
音質 | 不明 | ・低音に優れる ・ダイナミックな感覚 |
・バランスに優れる ・クリアで丁寧、あまりクセがない |
・低音と高音に優れる ・ダンス系音楽が得意 |
Noise Cancelling Headphones 700は低音に優れていてまさに劇場でオーケストラを聴いているようなダイナミックな感覚を味わえる。WH-1000XM4バランスに優れた優等生タイプ、クセがない分だけ物足りなさを感じることもあるが音はクリアで丁寧。ほぼすべてのユーザーが満足できるのではないだろうか。
Studio3 Wirelessは前述2機種に比べると劣るものの、低音と高音に優れていてダンス系音楽が得意な印象を受ける。一般ユーザーには十分な音質だが、音に対して高いこだわりがあるユーザーはぜひ他3機種の購入をオススメしたい。
ノイズキャンセリング機能
ノイズキャンセル機能とは簡単に説明すると周囲の音を消して、音楽だけに集中できるようにする機能だが、今回比較する4つのヘッドホンはすべてこのノイズキャンセリング機能を搭載している。
ノイズキャンセリング機能は、パッシブノイズキャンセリングとアクティブノイズキャンセリングで実現されている。パッシブノイズキャンセリング機能はイヤーパッドやヘッドホンの形状など物理的に音を遮断する機能、アクティブノイズキャンセリングは内蔵マイクで周囲の音を拾い、その音を打ち消す逆位相を発生させることでノイズを低減させるしくみになっている。この機能が搭載されたヘッドホンは飛行機や新幹線など乗り物に乗っているとき、エアコンの駆動音や人の雑踏の中などで使用するときに効果を発揮する。目の前の作業に集中することが可能だ。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
ノイズキャンセル機能 | ANC(アクティブノイズキャンセリング)+パッシブノイズキャンセル | |||
ノイズキャンセルレベルの手動調整 | 不明 | ◯ | ◯ | × |
フィット感に対するノイズキャンセリング最適化 | 自動 | 非公開 | 手動 (NCオプティマイザー) |
自動 |
動きに対するノイズキャンセリング最適化 | 自動 | 非公開 | 自動 (アダプティブサウンドコントロール) |
自動 |
AirPods Maxをはじめ今回比較する4つのヘッドフォンには同機能が搭載されているが、そのノイズキャンセリング機能の精度はモデルによって異なる。AirPods Maxのノイズキャンセリング機能の実力についてはまだ発売していないため不明だが、その他のモデルについてはNoise Cancelling Headphones 700とWH-1000XM4がほぼ同性能、Studio3 Wirelessがちょっと劣るという感じだろうか。
ちなみにアクティブノイズキャンセリング機能は周囲の環境などに合わせて適宜自動で調節される仕組みになっているが、装着者の動きや装着の仕方に対してノイズキャンセリング機能の効き具合を適宜調節する機能も搭載されているモデルがある。
AirPods MaxやBeatsのStudio3 Wirelessはこれらはすべて自動で行う仕組みに、WH-1000XM4は髪型やメガネの有無などフィット感については毎回手動で行う必要があるほか、Noise Cancelling Headphones 700については同機能が搭載されているかどうか明記していない。実際に使っている感じではおそらく動作しているのではないかと感じているが、その真偽は不明だ。
ちなみにノイズキャンセリングの効き具合についてはNoise Cancelling Headphones 700とWH-1000XM4はどちらも手動で変更できるが、AirPods MaxとStudio3 Wirelessは手動で変更することはできない。
細かい微調整をしたいならBoseあるいはSONYのヘッドホンを選ぶといいのではないだろうか。
▶︎ 各種ワイヤレスヘッドホンを購入する
・AirPods Max
・Bose Noise Cancelling Headphones 700
・Sony WH-1000XM4
・Beats Studio3 Wireless
外音取り込み機能
外音取り込み機能は、Beats Studio3 Wireless以外のヘッドホンにはすべて搭載されている。
ヘッドホンの外側にあるマイクを使用し、あえて周囲の音をヘッドホン内に取り込んで装着中のユーザーに聞かせる機能。同機能をオンにすれば、ヘッドホンをつけたままでも近くを通っている車の音を聞き取ったり、電車のアナウンスを聞いたり、レジで店員とやりとりをすることができる。わざわざヘッドホンを外す必要がないためとても便利だ。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ | × |
4製品のうち、Bose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4はノイズキャンセリングと外音取り込みのレベルを自分好みに調整することができる。外の音がほんのり聞こえる程度にするなど、細かい調整ができるという点では優れていると言えるだろう。
ちなみに、現時点でAirPods Maxは上記2製品のようにノイズキャンセリングと外音取り込みのレベルを調整できるかは不明となっている。これについては実機を入手次第追記する予定だ。
空間オーディオ
空間オーディオ機能はAirPods Maxだけが対応していて、そのほかの製品は非対応だ。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
空間オーディオ | ◯ | × | × | × |
同機能は、対応コンテンツの視聴時に没入感のあるサラウンドサウンドを実現するというもの。ダイナミックヘッドトラッキングに対応しているため、首を動かしたり寝転がったりしても特定の音が固定の位置から発せられているように感じることができる。
360度周囲から音が聞こえてくるリアルで没入感の高い体験はまさに極上。現時点で空間オーディオはApple TVアプリの一部のコンテンツなどでしか利用できないものの、この不思議な体験をしたい方はAirPods Maxがオススメだ。ちなみに、空間オーディオ機能はAirPods Proも対応している。
ハイレゾ
ハイレゾ音源をBluetooth経由でも高音質で楽しめることができる音声圧縮技術 「LDAC」 に対応しているのはSony WH-1000XM4のみ。そのほかの製品はSBCとAACのみの対応となっている。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
ハイレゾ | 不明 | × | ◯ | × |
「LDAC」 は、一般的なSBCなどのBluetooth向け圧縮技術に比べて最大約3倍の情報量を伝送し、ワイヤレスでもハイレゾ音源をほぼ劣化なしで楽しむことができる技術。ハイレゾ音源をたくさん持っていたり、ハイレゾ音源が楽しめるサービスを契約しているならWH-1000XM4が真価を発揮してくれるはずだ。
ちなみに、AirPods Maxは現時点でハイレゾ音源への対応有無は不明。実機が手に入り次第、追記する予定だが、これまでのApple製品の対応を考えると対応していないと考えるのがおそらく自然だろう。
▶︎ 各種ワイヤレスヘッドホンを購入する
・AirPods Max
・Bose Noise Cancelling Headphones 700
・Sony WH-1000XM4
・Beats Studio3 Wireless
マルチペアリング
複数の端末とペアリング状態を維持できるマルチペアリングに対応しているのはBose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4の2製品。
両製品は最大2台までのマルチペアリングに対応しており、スマートフォンとタブレットなど2台のデバイスに接続し、端末の切り替えをスムーズにできる。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
マルチペアリング | × ※Apple製品なら複数デバイスを瞬時に切り替え可能 |
2台まで | 2台まで | × |
ただしこのマルチペアリングに近い機能として、AirPods Maxには複数のApple製品を横断的に接続できる機能が搭載されている。
iCloudにサインインすることで、他のApple製品に自動で接続される仕組み。たとえばiPhoneで音楽を聞いていて、気分を変えるためにiPadでYouTubeを視聴するとき、AirPodsが自動で接続先をiPhoneからiPadに切り替えてくれる。普通であれば接続するデバイスを手動で選ぶ必要があるが、この機能さえあればユーザーは接続しているデバイスを気にせず利用できる。
たまに上手くいかないことがある機能だが、スムーズに切り替えられたときはかなりスマートだ。
ちなみにAirPods MaxとStudio3 Wirelessは、搭載されているH1チップとW1チップのおかげでApple製品との連携がとてもスムーズ。ヘッドホンとデバイスを近づけるだけでペアリングが完了するため、難しい操作をする必要は一切ない。Apple製品と連携させて使う上で普段の利便性が高いのは、AirPods MaxあるいはStudio3 Wirelessであると言えるだろう。
音声アシスタント
Bose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4には、音声アシスタントとしてGoogle アシスタントとAmazon Alexaの2種類がビルトインされている。
ボタンやタッチコントロールに音声アシスタントの起動を設定することで、スマートスピーカーのように天気を聞いたり、好きな音楽をかけるようお願いすることができる。
AirPods MaxやBeats Studio3 Wirelessには音声アシスタントはビルトインされていないものの、ペアリングしたApple製品のSiriを呼び出すことができ、天気を聞いたり、音楽コントロールをお願いできる。ちなみに、Siriの呼び出しはBose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4でも可能となっている。
自分がよく使っている音声アシスタントがどれかにもよるが、基本的にSiriを使う場合はどの製品でも問題ないだろう。Google アシスタントやAmazon Alexaを使うことが多いなら、Bose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4がオススメ。そもそもアシスタントをヘッドホンで使わないのであれば、ここはあまり気にする項目ではないだろうが、Siriなら受信したメッセージを即座に読んでくれるため個人的には重宝している。
充電時間と駆動時間
各ヘッドホンの駆動時間と充電時間は以下の表のとおり。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
駆動時間(NC ON時) | 最大20時間 | 最大20時間 | 最大30時間 | 最大22時間 |
充電時間 | 非公開 | 約2.5時間 | 約3時間 | 約1.5時間 |
もっとも駆動時間が長いのがSony WH-1000XM4で、ノイズキャンセリングをオンにした状態で最大30時間も使い続けることができる。次点がBeats Studio3 Wirelessの最大22時間、もっとも短いのがAirPods MaxとBose Noise Cancelling Headphones 700の最大20時間だ。
充電時間は、もっとも短いのがBeats Studio3 Wirelessの約1.5時間、次点がBose Noise Cancelling Headphones 700の約2.5時間、もっとも時間がかかるのがSony WH-1000XM4で約3時間となっている。現時点でAirPods Maxの充電時間は明らかになっていない。
いずれのヘッドホンもほぼ丸一日使い続けることができる上に、充電時間もほとんど変わらないため、使用する上で大きな問題になることはほとんどないだろう。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
クイック充電 | 5分で約1.5時間動作 | 15分で最大3.5時間動作 | 10分で5時間動作 | 10分で3時間動作 |
ちなみに、4製品すべてにクイック充電機能が備わっていて、5~15分の充電をするだけで1.5~5時間駆動させることができる。充電を忘れてしまったときなど緊急時に役に立つため、ぜひ覚えておこう。
▶︎ 各種ワイヤレスヘッドホンを購入する
・AirPods Max
・Bose Noise Cancelling Headphones 700
・Sony WH-1000XM4
・Beats Studio3 Wireless
充電コネクタと有線接続
充電コネクタは、Bose Noise Cancelling Headphones 700とSony WH-1000XM4がUSB Type-C、AirPods MaxがLightning、Beats Studio3 WirelessがmicroUSBとなっている。
最近は多くのデバイスがUSB Type-Cになってきていることもあり、AirPods MaxもUSB Type-Cになることを期待していたユーザーも多かったようだが、残念ながらその願いは叶わなかった。
また、飛行機などで有線接続をするために必要なオーディオジャックは、AirPods Max以外にはすべて搭載されている。3.5mmのオーディオケーブルも付属品として同梱されてくるため、そのまま飛行機で使うことができるだろう。
AirPods Maxは残念ながらオーディオジャックが搭載されていないが、充電用のLightningポートに別売りのLightning – 3.5mmオーディオケーブルを使うことで有線接続が可能。ただし、Lightning – 3.5mmオーディオケーブルは4,180円(税込)とケーブル一本の価格としてはやや高価であることに注意していただきたい。
カラーラインナップ
カラーラインナップはAppleとBeatsのヘッドホンが豊富だ。AirPods Maxは全部で5色のラインナップ、Studio3 Wirelessは7色のラインナップになっている。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
カラー | ・シルバー ・スペースグレイ ・スカイブルー ・ピンク ・グリーン |
・ブラック ・ラックスシルバー ・ソープストーン ・トリプルミッドナイト |
・ブラック ・プラチナシルバー |
・マットブラック ・レジスタンス・ブラックレッド ・レッド ・ホワイト ・ブルー ・ミッドナイトブラック ・シャドーグレー |
Noise Cancelling Headphones 700は全部で4色、WH-1000XM4は2色のラインナップになっている。やや挑戦的なカラーがお好きなユーザーはStudio3 Wireless
あたりがお好みかもしれない。特定の好きなカラーがある場合はそのカラーがあるモデルを購入しよう。
価格
最後は価格について。高音質そして高いノイズキャンセリング機能が搭載されていることもあって、どのモデルも3万円以上の価格で販売されているが、BoseのNoise Cancelling Headphones 700は46,750円、AirPods Maxはなんと67,980円という価格設定になっている。
製品名 | AirPods Max | Noise Cancelling Headphones 700 | WH-1000XM4 | Studio3 Wireless |
---|---|---|---|---|
メーカー | Apple | Bose | Sony | Beats(Apple) |
価格(税込) | 公式サイト:67,980円 | 公式サイト:46,750円 Amazon:43,998円 |
公式サイト:オープン価格 Amazon:33,291円 |
公式サイト:38,280円 |
AirPods Maxに関してはそれなりに強気な価格設定で、購入を躊躇するユーザーも多いのではないだろうか。発表当時、ネットでは「高すぎる」という批判的な意見が多かったような気もする。オーディオ業界では決して高すぎるとはいえない価格帯だが、果たしてどれほどの実力を持っているのだろうか。
コストパフォーマンスに優れているのはSonyのWH-1000XM4。優等生のような音質とノイズキャンセリング機能を搭載しているためおそらくほとんどのユーザーが満足できると思う。ただしもう少し特徴のあるダイナミックな音を楽しみたいなら、個人的にはBoseのNoise Cancelling Headphones 700がオススメ。Amazonで購入すればちょっぴり安い43,998円で購入できる。
また、Apple製品との連携で手軽な音楽を楽しみたいなら、BeatsのStudio3 Wirelessがオススメ。Apple製品との連携や高い音質、空間オーディオ機能などプレミアムな音の体験を楽しみたいなら背伸びしてAirPods Maxを購入してみてはどうだろうか。
▶︎ 各種ワイヤレスヘッドホンを購入する
・AirPods Max
・Bose Noise Cancelling Headphones 700
・Sony WH-1000XM4
・Beats Studio3 Wireless