先日、Appleは同社音楽配信サービス 「Apple Music」 のロスレスオーディオ対応を発表したが、現時点でAirPods・AirPods Pro・AirPods Maxではロスレスオーディオを利用できないことが判明している。
しかし、この問題は新しいコーデックの開発によって改善されるかもしれない。Jon Prosser氏が詳細について語っている。(via AppleTrack)
新コーデックによりAirPodsシリーズがロスレスオーディオに対応か
AirPodsシリーズでApple Musicのロスレスオーディオが利用できない理由は、Apple製品とAirPodsシリーズをBluetoothで接続するとAACコーデックでの接続となり、Apple Musicのロスレス品質を維持しながら音声を送信できないためだ。
Jon Prosser氏によると、この問題を解決するためにAppleが新しいコーデックを開発しており、将来的にAirPodsシリーズでもロスレスオーディオが楽しめるようになる可能性があるという。この新しいコーデックはWi-Fiを利用するAirPlay 2を利用したものになると同氏は予想しているようだ。
また、Jon Prosser氏はこのアップデートがソフトウェアアップデートによって実現するとも伝えている。しかし、AirPodsシリーズはWi-Fi接続に対応しておらず、AirPlay 2を使用するためにはプロトコル自体を変更する必要があることから、AppleInsiderはソフトウェアアップデートでは実現できないと指摘している。
また、Wi-FiはBluetoothに比べてバッテリー持ちが悪いなどの問題もあるため、具体的にどのような方法で実現するのかは気になるところ。
もし、これまでどおりBluetooth経由でAirPodsシリーズをロスレスあるいはハイレゾ相当に対応させるには、ソニーのLDACのような新コーデックを自ら開発する必要があるだろう。
なぜAppleはApple Musicのロスレスオーディオについて発表したにもかかわらず、この新コーデックについて発表していないのか。Jon Prosser氏曰く、それは独占禁止法に抵触しないようにするためであるという。
AppleはAirTagの発表の際に、まずは 「探す」 アプリをサードパーティ向けに開放し、その後でAirTagを発表している。今回もまずはロスレスオーディオがサードパーティ製イヤホン・ヘッドホンで動作することを発表し、その後で新コーデックを発表する可能性があるとのことだ。もしかすると、来月開催されるWWDCで発表される予定なのかもしれない。
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