4月13日、アドビは同社のビデオ編集ソフト 「Adobe Premiere Pro」 の最新アップデートについて発表した。
最新バージョンでは、新たに 「文字起こしベースの編集」 機能や、異なるカメラの映像をミックスしても色味やコントラストを自動で調整する 「自動トーンマッピング」 機能などが利用できるようになる。
文字起こしベースの編集、自動トーンマッピングなど便利機能が追加
「文字起こしベースの編集」 機能は、Adobe Senseiを活用して、文字起こしベースで映像編集ができてしまう画期的な機能だ。
昨年のアップデートにより、Premiere Proには動画を分析して自動で文字起こしをする機能が追加されていたが、今回のアップデートでは同機能で起こした文字から編集したい部分を検索し、コピー&ペーストで該当部分の映像を抜き出すことができるように。
実際のデモでは、起こした文字の中から編集したい部分を検索し、抜き取りたい部分を選択してショートカットキー 「, (カンマ)」 を押すだけで、該当部分の映像を正確にタイムライン上に抜き取ることができていた。
同機能を利用すれば、撮影した映像素材の中から特定の部分だけを繋ぎ合わせたダイジェスト動画を作るなど、時間がかかりがちな作業をより素早く仕上げることが可能だ。
「自動トーンマッピング」 機能は、異なるカメラの映像をミックスする際に、タイムラインにドロップするだけで色味やコントラストを自動で調整する機能。
これまでは、複数のカメラを使って撮影した映像をミックスする場合、色味やコントラストを手作業でひとつひとつ調整したり、ルックアップテーブルを使用しなければならないのがとても面倒だった。
「自動トーンマッピング」 機能を利用すれば、ミックスしたい映像をタイムラインにドロップするだけで、Premiere Pro側で映像の色味をいい感じに調整してくれるため、ユーザーはすぐに編集作業に取り掛かることができるようになる。
今回の最新バージョンはPremiere Pro史上最速かつ最も信頼性の高いバージョンとなっており、バックグラウンドでの自動保存や起動時のリセットオプション、プラグインエフェクトのマネージャー、GPUによる高速化などの新機能も追加される。
共有プロジェクトにおいては、編集中のシーケンスをロックして他のユーザーが編集できないようにする 「シーケンスロック」 や、誰が作業しているかを示す 「プレゼンスインジケーター」 が追加されたほか、オフラインで作業後にオンラインに戻ったときに他のエディターの作業を上書きすることなく変更箇所を公開できるようになった。
また、Frame.ioのサポートにより、Premiere Proで作業中のプロジェクトのFrame.ioへの直接書き出しやアップロード、レビュー用の共有が利用できるように。
そのほかにも、対応映像フォーマットの拡張やデベイヤリングとトランジション効果のGPU高速化、よりシンプルになったトラックターゲット、Adobe Media Encoderへの直接書き出しとレンダリングなどの機能も利用できるようになっている。
今回発表されたPremiere Proの最新アップデートは、4月15日〜19日にラスベガスで開催される 「2023 NAB Show」 のブース#N2438で展示される。一般ユーザーへの正式リリースは2023年5月を予定している。
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(画像提供:アドビ)