当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Adobe Photoshopに新機能多数。画像合成に便利な「調和」機能、削除ツールの精度向上など

Adobeは7月29日、画像編集ソフト「Photoshop」に複数の新機能を追加したと発表した。

中心となるのは、Adobe独自の生成AI「Firefly」を活用した機能群。ユーザーからのフィードバックをもとに、精度や使いやすさを重視したアップデートが行われている。

従来までクリエイターの作業時間を圧迫していた「合成の手作業」「画像修正」「不要物の除去」などをAIが支援することで、制作ワークフロー全体の効率化を図る。

スポンサーリンク

製品版に追加された新機能

Photoshopの製品版では、削除ツールの強化と生成AIモデルピッカーの追加が行われている。それぞれ、強化された削除ツールはデスクトップ版とweb版で利用可能、生成AIモデルピッカーはデスクトップ版のみで利用可能だ。

削除機能の強化

「削除ツール」は、Firefly Image Modelの最新版を搭載。不要なものを除去する精度が向上し、処理後のエッジや背景とのなじみも改善されている。

今回のアップデートでは、オブジェクトを選択したときに表示されるコンテキストタスクバーの中に「削除」ボタンが用意されたことで、不要なものを選択→削除の作業がよりスムーズに実行できるように。また、選択したものを削除したいだけなのに、削除した領域に余計なものを付け足してしまうという問題も解消されているとのことだ。

生成AIモデルピッカー

「生成AIモデルピッカー」は、生成塗りつぶし/拡張機能で使用するAIモデルをユーザー側で選択できるようにする新機能。

コンテキストタスクバーからプロンプト入力をする際に、入力欄の右のアイコンをクリックすることで、現時点ではImage Model 3もしくは2023年10月にリリースしたImage Model 1のどちらかを選択できる。画像の用途や作風に応じてモデルを切り替えることで、より柔軟な画像生成が可能だ。

スポンサーリンク

ベータ版に追加された新機能

Photoshopのベータ版 (デスクトップ/Web) では、2024年10月のAdobe MAXで「Project Perfect Blend」として披露された機能が「調和 (ベータ版)」として利用できるようになったほか、画像の精細度を損なわずに高画質化する「生成アップスケール (ベータ版)」が利用可能に。また、「調和」機能はiOS版で早期アクセスとしても利用可能だ。

調和 (ベータ版)

「調和」(英語版では「Harmonize」) は、追加したオブジェクトと背景をAIが自動で調整し、色味や影のトーンを一致させることで、リアルで自然な合成画像を生成する機能。生成のバリエーションは3種類表示され、その中から好みの仕上がりを選ぶことができる。

生成アップスケール (ベータ版)

「生成アップスケール」は、画像のディテールを保持したまま最大8メガピクセルまで高解像度化する機能。上メニューの「イメージ」から利用可能だ。

拡大・縮小の倍率を「x2」「x3」「x4」から選択してアップスケールを実施するだけで、ワンクリックで簡単に解像度を上げることができる。古い素材の再活用や、印刷用データの調整、SNS用画像の高画質化など、幅広い用途に対応する。

ワークフロー支援機能も強化

さらにPhotoshopのデスクトップ版には、関連ファイルをまとめて管理・共有できる新しいファイル整理/コラボレーション機能「プロジェクト」がベータ版として導入されている。

共有スペースに必要なアセットをまとめることで、ローカルに散在するファイルを探す時間や、非効率なファイル受け渡しが不要になるなど、バージョン管理やチーム間のファイル受け渡しを簡略化し、大規模な制作案件の効率化を狙う。

今回のアップデートにより、Photoshopは画像編集ソフトとしての基本機能に加え、AIによる作業支援を大幅に拡充した形だ。Adobeは「面倒な作業からクリエイターを解放し、創造的な作業に集中できる環境を提供する」としており、今後もさらなる機能拡張が期待される。

上記の新機能は、本日配信されたPhotoshopの最新アップデートを適用することで利用可能だ。

(画像提供:Adobe)