アドビ、「Adobe Content Authenticity」発表。クリエイターのコンテンツ保護を支援するWEBアプリ

アドビは10月8日、クリエイターのコンテンツ保護・認証を支援する無料のWEBアプリケーション「Adobe Content Authenticity」を発表した。

「Adobe Content Authenticity」は、クリエイターが自身の作品に対してコンテンツクレデンシャルを付与できる無料のWEBアプリ。コンテンツクレデンシャルとは、各デジタルコンテンツの信頼性とオリジナリティを担保するためのデジタルサインのようなもの。作成した人の情報や、それがどのように作成され、編集されたのかなど背景情報を提供することで、作品が偽造されたり、盗作されていないか証明することに役立つ。

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クリエイターのコンテンツ保護を支援するWEBアプリ「Adobe Content Authenticity」リリース

Adobeは2019年にCAI (Content Authenticity Initiative/コンテンツ認証イニシアチブ) を立ち上げ、デジタルコンテンツの透明性を確保するための業界標準としてコンテンツクレデンシャルの普及を推進している。そして、今回発表された「Adobe Content Authenticity」は、その一環としてもたらされるアプリケーションだ。開発には、クリエイターから1on1のヒアリング、グループディスカッション、ユーザー体験テストなどからさまざまなフィードバックを取り入れた。

同WEBアプリでコンテンツクレデンシャルを付与できるのは、画像・オーディオ・ビデオファイルなど。コンテンツクレデンシャルに含まれる、氏名やWEBサイト、SNSアカウントなどはユーザーがカスタマイズすることができるほか、さらに多くのカスタマイズオプションが用意される予定だ。

コンテンツクレデンシャルを付与することで、無断使用やディープフェイクといった悪用から防ぐことができるだけでなく、意図せず生成AIのトレーニングに使用されることも防ぐことが可能だ。アドビが手がける生成AI「Adobe Firefly」は、使用許可を得たコンテンツ以外でAIのトレーニングをしていないとしているが、他の生成AIは各サービス上にあるコンテンツをも利用し、トレーニングを行っているケースがある。この「Adobe Content Authenticity」を利用することで、これらのトレーニングに使用されたくない旨を表示することが可能になるという。

また、コンテンツクレデンシャル等の来歴情報を付与したところで、一部のSNSプラットフォームやWEBサイト上ではこれらが表示されないことが多いが、アドビはこの “ギャップ” を埋めるため「Adobe Content Authenticity」内に検証ツールを用意する。また、Google Chrome向けにContent Authenticity拡張機能を提供することで、そのデジタルコンテンツにおけるコンテンツクレデンシャルの内容、編集履歴などの来歴情報をすべて復元して表示することが可能だ。

「Adobe Content Authenticity」は、無料のパブリックベータ版が2024年11月〜2025年2月末の四半期中に提供開始予定。Adobe Creative Cloudのアプリケーションやその他のAdobeのアプリケーションと統合され、今テンツクレデンシャルの設定を管理する一元化されたハブとして機能するようになる。また、前述のGoogle Chrome向けにContent Authenticity拡張機能については今月9日より提供が開始されている。

(画像:Adobe)

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