2年の継続利用を条件に月々の利用料金を割り引く、いわゆる ”2年縛り” をソフトバンクが廃止する意向であることがわかった。
日本経済新聞によると、ソフトバンクは9月中旬に2年縛りを廃止。長期契約自体を廃止し、途中解約時に課す違約金も設けない予定だという。さらに、同社が格安ブランドとして提供しているワイモバイルについても2年縛りを9月中旬に廃止する予定だ。
ソフトバンクとワイモバイルが2年縛りを廃止へ
2年契約などの長期契約は、一定の期間契約を継続することで利用料金を割り引く制度。一見聞こえはいいかもしれないが、長期契約には途中解約した際、高額な違約金を支払うことが求められる上に、解約金がかからずに解約できるのは2年のうち 「契約更新月」 と呼ばれる一定期間のみと、他社への乗り換えを阻害するような仕組みが導入されておりユーザーから評判が悪かった。
これを受けて、総務省は2年縛りなどの長期契約に対して是正をキャリアに要求してきた。その結果、auは2019年8月下旬に、2年契約の途中解約の違約金を1,000円にしたプランを発表している。
しかし、ソフトバンクは1,000円ではユーザーを囲い込む拘束力あるいは収益貢献にもならないと判断し、むしろ違約金を取らないことをアピールするシンプルな料金体系を提示することで、ユーザーを呼び込みたい考えだという。
現在の国内大手キャリアはNTTドコモとau、ソフトバンクの三社だが、2年縛りの途中解約の違約金を廃止したのは実質的にソフトバンクが初めてとなる。ちなみに、今年10月には楽天が通信キャリア事業に参入することを決めているが、同社も2年縛りは導入しない予定であるとのこと。そうなれば、NTTドコモやauも違約金の廃止を否が応にも検討しなくてはならなくなりそうだ。
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