Appleは、AR機能を使ったより安全で分かりやすいカーナビゲーションシステムを開発しているようだ。Appleが出願した特許情報から、その全貌が明らかになっている。
AR機能を利用してiPhoneやiPadのカメラで撮影した映像に道路情報を合成
Appleが開発しているのは、AR機能を活用したカーナビゲーションシステム。今年1月に出願された特許で、今月25日に特許情報が公開されている。
このカーナビゲーションシステムはiPhoneやiPadなどのデバイス上で動作するものになるようだ。iPhone・iPadのカメラで撮影した映像をリアルタイムで画面に表示し、その映像に合成する形で道路情報などを表示する仕組みになっているという。
公開されている図を確認すると、画面右下には制限速度、画面下には現在走行中の道路の名前、そして道路には現在走行中の車線が色分けされて表示されていることが分かる。
Appleは純正マップを使ったカーナビ機能をすでに提供しているが、ARカーナビが優れているのは実際の道路を見ながらナビゲーションを確認できること。従来の地図情報と音声ガイドのみのナビゲーションでは大都市の入り組んだ道路を瞬時に伝えるのは難しいため、実際の映像にナビ情報を付与するARカーナビは便利なはず。
また、ARカーナビでは前方の道路状況を確認できるため、前の車の位置なども把握でき、従来のカーナビに比べて危険性が少ないのもメリットのひとつだ。
この機能は今後のiOS/iPadOSの目玉機能のひとつとして提供される可能性がある。また、機能的には自動車用の 「CarPlay」 に搭載されても良さそうで、またAppleが開発しているという噂のARグラス 「Apple Glass」 とも相性が良さそうだ。
今回公開されたのはあくまで特許情報。Appleはこれまでも無数の特許を取得してきたが、そのすべてを実用化しているわけではない。今後、同カーナビ機能が提供されるかどうかは不明なので期待しすぎは禁物。
ただ、AppleがGoogleに対抗意識を燃やしているのは確かだろう。Googleは 「Googleマップ」 機能を一部端末向けに提供しているが、これは現時点では歩行者専用機能になっているため、自動車など走行中の車両で使用することは不可。当然、Googleも車両向けARカーナビを開発しているとみられるが、もしAppleが先行で同機能を提供できたら、Googleよりも先を進むことができる可能性も秘める。
Appleは地図アプリの情報を更新するため、世界各地の地図情報を計測している。この作業の先には、「ARカーナビ機能の提供」 があるのかもしれない。
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[ via Patently Apple ]