明日の2月14日は「バレンタインデー」だ。日本では「女性が意中の男性にチョコレートを贈る」行事として、1年の中でもそこそこ大きなイベントとなっている。
最近では、クッキーやケーキなどの違うお菓子を贈る人もいれば、マフラーや時計などを贈る人もいたり、女性からだけでなく男性からも贈り物をするという習慣も定着しつつあるようだが、やはり「チョコレートを贈る」というのが一般的なようだ。
贈るチョコにも色々な種類があり、本当に好きな相手に贈るチョコを「本命チョコ」、恋愛感情までは抱いていない相手に贈るチョコを「義理チョコ」と言ったり、同性の友人に渡す「友チョコ」や、男性から女性に贈る「逆チョコ」、自分で買って食べる「自己チョコ」というものまであるようだ。
義理チョコなどは、デパートなどでそこそこの値段で売られているチョコレートを買って渡すことが多いようだが、本命チョコは手作りで愛情を込めて、という意識が強いようで、世の女性たちの中には明日のために一生懸命手作りチョコを作っている最中の方もいることだろう。
惚れ薬「イモリの黒焼き」
よく漫画などでは、手作りの本命チョコを作る時に「惚れ薬」を仕込んで、食べた男性を自分に惚れさせる、というシチュエーションがあったりする。漫画の中の「惚れ薬」は小瓶に入った液体だったりするが、現実での「惚れ薬」はかなり、というか結構すごいものが多いのだが、その一つに「イモリの黒焼き」というものがあるのはご存知だろうか。
「イモリの黒焼き」の誕生には諸説あるが、中国で惚れ薬として有名な「ヤモリの黒焼き」を間違って解釈したものが日本に伝わったという話が有力なようだ。情報社会である現代でもイモリとヤモリの違いが分からない人が結構多いので、昔はもっと知らない人が多かったとしても不思議ではない。
さらに、イモリの交尾ではオスが必死に求愛ダンスをしてメスを引きつけることで有名だ。うちのイモリは「花より団子」なので僕も実際に見たことはないが、この求愛ダンスが結構激しいようで、昔の人はこの様子を見てイモリの交尾に情熱的な印象を受けたのかもしれない。
その影響も相まって、「イモリの黒焼き」は相手を引きつける「惚れ薬」として有名になったようだ。
「イモリの黒焼き」を相手にふりかけて効果発動!
「イモリの黒焼き」が惚れ薬として人気になったのは江戸時代。製造方法も諸説あるようだが、イモリのオスとメスを交尾の時期に捕まえ、竹筒の仕切りの両側に一匹ずつ入れたものを焼いて作るというようなものらしい。
ちょっとイモリがかわいそうではあるが、こうしてできた「イモリの黒焼き」を粉末状にして自分の意中の人にふりかけることで、相手を引きつけるという効果があるようだ。一応、イモリにはテトロドトキシンという毒があるが、その辺は大丈夫なのかどうかは不明。とりあえず焼いとけばOK?
実際に効果があるかどうかは怪しいところだが、「イモリの黒焼き」の歴史や惚れ薬と言われる理由、製造方法などは分かっていただけただろうか。現在も売られてはいるものの、結構高めのお値段のようで、惚れ薬というよりは滋養・強壮の効果があるものとして売られているようだ。
漫画ではチョコに入れるタイプの惚れ薬が多いようだが、何でも入れればいいというわけではない。「イモリの黒焼き」はどちらかというと渡す時に相手にふりかけることで効果が出る惚れ薬なので、購入しても勢い余ってチョコに入れたりはしないようにしよう。あとイモリがかわいそうなので、できれば焼かないように。