現地時間27日、Appleはスペシャルイベント「Let’s take a field trip.」を米シカゴで開催し、iPadの新型モデル「iPad(第6世代)」を含む複数の新製品や新サービスに関する発表を行った。
「iPad(第6世代)」に関しては、「iPad Pro」以外の端末として初めて「Apple Pencil」をサポートしたことで話題になったが、そのほかにもLogitechから「iPad(第6世代)」で動作するスタイラス「Logitech Crayon」が発表されている。
イベント後、同製品の詳細が明らかになっているので、同記事で詳しく紹介していきたい。
Apple Pencilの下位モデル的な存在
「Logitech Crayon」は、Apple Pencilと同様に高精度な追従や、低遅延を実現したスタイラスペン。iPadの上をツーっとなぞることで、手書きで絵や文字を書くことができるアイテムだ。
価格は49ドルで「Apple Pencil」(99ドル)の半額、学生でも買いやすい価格帯で提供される。
「iPad(第6世代)」はもともと教育機関向けに販売することを想定した端末。図形や文字を書く機会の多い学生生活に、「Apple Pencil」はとても相性の良い製品だが、その代わり価格が高い。また、机の上をコロコロと転がっていくデザインであるということも、学校生活には少々不向きだ。
つまり、「Apple Pencil」に代わる、学生にピッタリなペンが必要になったということ。それが「Logitech Crayon」だ。
「Logitech Crayon」は子どもが持ちやすい形状とサイズを採用。「Apple Pencil」のように筒状ではないため、机をコロコロと転がって落とす心配もない。
バッテリーは内蔵されたLightningを使って充電するのは「Apple Pencil」と一緒。ただし、Apple Pencilの場合はオスのLightningコネクタが搭載されているため、「iPad Pro」に挿して充電することができるが、「Logitech Crayon」の場合はメスのLightningポートが搭載されているため、充電するためにはLightningケーブルが必要だ。
ちなみに、キャップ部分は紛失しないように本体とくっついているため、気づいたらキャップがなくなっていたということはなくなる。これは地味に重要なポイントだ。
また、ペンを持っている手が画面にタッチしてしまった時に、画面が反応しない仕組み「パームリジェクション」も搭載されているようだ。そのほか、傾きの検出もできるなど、使い勝手は「Logitech Crayon」もApple Pencil並みだ。
ただし、価格差があることから「Apple Pencil」にいくらか劣る点もある。それはバッテリー持ちが8時間と、Apple Pencil(10時間)よりも短いことと、「iPad Pro」では使用することができないという点。同製品の互換性情報には、「iPad(第6世代)専用に設計されている」と書かれていることから、「iPad Pro」で利用することはできないようだ。
また、「Logitech Crayon」は筆圧検出機能も不足している。つまり、勉強用として使う分には全く十分ではあるものの、プロや美術部レベルの絵を描くためには少々向かない可能性もあるということだ。
「Logitech Crayon」のペアリングは、本体に用意されているボタンを2秒間押すことで完了する。Apple Pencilは一度、iPad Proに接続することでペアリングが完了するため、スマートさでは「Apple Pencil」に軍配があがる。ただし、バッテリー残量を知らせるLEDランプが内蔵されており、残量が少なくなってきたら赤点滅する仕組みになっているという。
同製品は教育機関向けに販売する予定となっており、残念ながら一般ユーザーは買うことができない可能性がある。その後の需要次第では一般ユーザー向けにローンチされる可能性もあるのかもしれないが、すぐにスタイラスペンが欲しい場合は、現状は「Apple Pencil」を購入するしか手はなさそうだ。