
アンカー・ジャパンは10月21日、モバイルバッテリー「Anker PowerCore 10000」やBluetoothスピーカー「Soundcore 3」など、計4製品の自主回収を発表した。
電池セルの製造過程において異物混入の可能性が判明し、一部製品で発火が確認されたことを受け、安全確保を最優先に販売停止と回収を決定した。
同社は「対象製品をご購入されたお客様ならびに、日頃よりAnkerグループを応援してくださっている皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
発火事例を契機に調査、製造サプライヤーの異物混入が原因
アンカー・ジャパンによると、特定の製品で国内における発火事例が発生。社内調査の結果、セル製造を委託しているサプライヤーの製造工程において異物混入が起こった可能性があることが判明した。
問題が起きたのは、電池セルの電極体を切断する工程で発生した細かな異物が、十分に除去されないまま組み立てられたケース。結果として、一部製品では電池セル内に異物が残り、使用中に内部短絡(ショート)を引き起こすリスクが確認された。
Ankerはすでに該当サプライヤーとの契約を終了しており、他のセル製造サプライヤーに対しても管理体制・品質基準を再点検中だという。また、サプライヤー監査体制の強化、出荷前検品の厳格化、品質テスト基準の見直しを含む再発防止策を進めている。
対象4製品と販売期間
対象となる製品と販売期間は以下の通り。いずれも2022年12月以降に販売されたロットが含まれる。
- Anker PowerCore 10000(型番:A1263)
販売期間:2022年12月25日~2025年10月21日 カラー:ブラック/ホワイト/ブルー/レッド - Soundcore 3(型番:A3117)
販売期間:2022年12月16日~2025年10月21日 カラー:ブラック/ネイビー/レッド/グレー - Soundcore Motion X600(型番:A3130)
販売期間:2023年4月24日~2025年10月21日 カラー:スペースグレー/ブルー/グリーン(ホワイトは対象外) - Anker PowerConf S500(型番:A3305)
販売期間:2022年12月29日~2025年10月21日 カラー:ブラック
対象製品かどうかは、オンライン受付フォーム(24時間対応)でシリアルナンバーを入力することで確認できる。番号は製品本体の「SN:」に続くAから始まる16桁で記載されている。対象と判定された場合は、案内に従って回収手続きを進める。




再発防止へ、品質体制を抜本強化
Ankerグループは今回の不備を受け、すべてのセル製造サプライヤーに対する監督体制の見直しを進めている。具体的には以下の4点で、製造・品質両面を行うという。
- サプライヤー選定基準の再評価
- 製造ラインの環境整備と異物除去工程の改善
- 製品出荷前の検品項目の厳格化
- Anker独自規定に基づく監査プロセスの導入
「Ankerは、管理体制と品質の抜本的な強化を通じて、安心して使える製品を提供するための取り組みを一層強化していく」とコメントしている。
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(画像:アンカー・ジャパン)