
ゲーミングモニターブランドのAMZFASTは、今年9月に日本市場向けの新製品発表会を開催し、曲面モニターシリーズとホワイトシリーズの2ラインの新製品を発表した。
このうち、曲面モニターの最新モデル「AMZG34C5Q Pro」の実機を提供いただき、実際に自宅で使ってみることができた。
AMZFASTの「AMZG34C5Q Pro」は、34インチのウルトラワイド曲面ゲーミングモニターだ。緩やかな1500Rのカーブを採用し、240Hzの高リフレッシュレートに対応するなど、ゲーム用途に最適化されている。筆者はゲームの関連の取材で曲面モニターを使って体験プレイをすることはあるが、普段自宅では平面モニターを使っており、曲面モニターをじっくり使ってみる機会はほとんどなかった。
本稿では、本製品の特徴はもちろん、普段曲面モニターを使わない筆者の目線で感じた魅力などをレビューとしてお伝えしたい。
デザイン・仕様について

AMZFASTは、中国の大手メーカーであるExpress Luck傘下のブランドで、25年以上にわたりテレビやモニター製品を開発している。国際的なデザインアワードを複数受賞するなど、グローバルでも高く評価されているブランドのひとつだ。
今回紹介するAMZG34C5Q Proは、先日国内で販売が始まったばかりの新製品で、34インチの大画面と240Hzのリフレッシュレートを備えたゲーミング用途に特化したモニターとなっている。
本体サイズは80.7 x 44 x 19cmで、重量は5.3kg。大きなモニターなので一見重そうに見えるが、本体は意外と軽く、非力な筆者でも軽々と持って運ぶことができた。開封から設置までの作業は1人でも問題なく進められるはずだ。

本体は34インチの曲面VAパネルを採用しており、解像度は3440×1440、DCI-P3 98%、sRGB 130%の広色域を実現している。湾曲率は1500Rと緩めになっていて映像が歪みすぎず、曲面モニター初心者には使いやすい印象だ。

こちらは背面の様子。スタンドはつまみを引いた状態で背面部分の穴に下から嵌め込むように取り付ける。スタンドの角度は-5°から15°まで調節可能だ。

モニターアームや壁に取り付けて使いたい場合は、スタンドを外した部分に75x75mmのVESAマウント用の穴も用意されている。ただし、構造上スペーサーが必要になるため、スタンド以外での設置を考えている場合は別途購入しておいていただきたい。

入力ポートは画面中央下にあり、HDMI 2.1とDP 1.4がそれぞれ2つずつ搭載されている。
本製品はスピーカー内蔵タイプになっていて、別途スピーカーを用意せずともモニター本体から直接音を鳴らすことができる。ただし音質はあまり良くない (こもったような音がする) ため、音声出力用の3.5mmオーディオジャックから別のスピーカーに音声を出力して使うのをオススメする。


画面を操作するためのボタンは画面右下に搭載されているが、アイコンがプリントされているところよりも若干奥まった場所にあって、どのボタンを操作しているのかが瞬時に把握しづらい。画面の設定をほとんど変えずに使い続ける場合はあまり問題にならないかもしれないが、個人的にはもう少し手前に置いて欲しかったと思う。
同梱物は電源アダプターとDPケーブルで、HDMIケーブルは付属しないため、HDMI経由で接続したい場合は自前で用意する必要がある。
色々なデバイスから映像出力してみた

セッティングを完了して、いよいよ電源をオン。
まずはWindows PCをHDMI経由で接続してゲームを起動してみた (解像度は3440×1440で設定) 。ウルトラワイドに対応している『DOOM: The Dark Ages』を表示するとこんな感じ。
視野が広くなって左右から襲いかかってくる敵が見やすくなり、圧倒的にゲームがプレイしやすくなった。そのほかのゲームもいくつか起動してみたが、画面の湾曲率が控えめなこともあり、普段曲面モニターを使わない筆者も違和感なくゲームをプレイすることができた。
本機はMPRT 1msに対応しており (動いている映像の残像の少なさを示す指標)、動きの速いシーンでも残像が少ない。カメラを素早く振っても映像は比較的クッキリと表示されていたため、FPSやレーシングゲームのプレイ時に恩恵がありそうだ。

コンソール機での挙動のチェックのため、PS5を接続してみた。映像自体は画面いっぱいに表示されるものの、PS5がウルトラワイドに対応していないため、映像が横に歪んで表示されてしまっているのがわかる。
Xbox Series X|Sもウルトラワイドには非対応のため、基本的にPCゲームで使うことが前提になるだろう。


ゲーム用途以外ではどうだろうか。Windows PCもMacもウルトラワイドの解像度に対応しており、映像が横に伸びてしまったり、見づらかったりすることはなかった。作業スペースが横に広いため、たくさんのウィンドウを並べて作業するにはうってつけ。
MacBook Proを接続したときにも、基本的にはWindows PCと同じで3440×1440で出力することが可能。ただしMacの場合、4Kディスプレイなどの高解像度ディスプレイをデフォルト解像度のままで使うとアイコンや文字が小さくなって見えづらいことが多いため、筆者は解像度を少し下げて使うことが多い。今回のAMZG34C5Q Proは、1720×720程度で出力すると使いやすいように感じた。
ただし、サードパーティアプリの「BetterDisplay」などを使うことで、より柔軟なスケーリング設定や追加機能を利用することもできる。純正の機能ではないものの、解像度で使いづらいと感じた場合は、こういったサードパーティアプリに頼るのもアリだろう。
本機は PIP (Picture in Picture)/PBP (Picture by Picture) 機能も搭載しており、2台のデバイスからの映像を同時に表示できる。PIPモードでは、メイン画面に別の入力ソースを小画面として重ねることができ、たとえばPCで作業をしながら右下の小窓でゲーム機や動画プレイヤーの映像を確認できる。
一方のPBPモードでは、画面を左右に分割し、それぞれに異なる入力を並べて表示できる。PCとコンソールを同時に接続して切り替えずに使いたい場合や、ウルトラワイド画面を2台分の作業スペースとして使いたい場合に便利だ。
まとめ

曲面モニターと聞くと、コアなゲーマーたちが使っているクセの強いモニターだと思っている人もいるかもしれないが、AMZG34C5Q Proは画面のカーブが緩やかで平面モニターに近い感覚で使うことができる。
FPSやレーシング、オープンワールド系タイトルを中心に楽しむゲーマーには特におすすめできる。平面モニターからの乗り換えで、ゲーム体験は確実に一段上のレベルに引き上げられるはずだ。
スピーカーの音質やボタン操作、Macとの接続安定性など、気になる点はいくつかある。ただし、スピーカーは外部出力を使えば解決でき、操作ボタンも一度設定すれば頻繁に触ることはない。用途をゲーム中心に絞れば、価格・性能ともにバランスの取れた1台だと言えるだろう。
AMZG34C5Q Proは、発売記念で2025年11月2日までクーポンコード「10OFFAMZ」を使うことで、少しだけ安く購入することが可能だ。曲面モニターが気になっていた人は、この機会に購入を検討してみてはどうだろうか。