
現地時間4日、ZDNET Koreaが報じた内容によると、Intelは2025年後半にもデスクトップ向けCPU「Arrow Lake-S(Core Ultra 200S)」のリフレッシュモデルを投入する見通しだ。
最大の注目点は、Microsoftの「Copilot+ PC」要件を満たすべく新たなNPUを搭載する点。デスクトップPCでもCopilot+のAI機能が本格的に活用できるようになる可能性が高い。
NPU性能は48TOPSに強化、最大の焦点は「Copilot+ PC」対応

現行のArrow Lake世代は、NPUの処理性能が最大13TOPSにとどまっており、Copilot+ PCに準拠するために必要な「40TOPS以上」の基準には達していなかった。
しかし、今回のリフレッシュでは、Lunar Lake世代から引き継がれる「NPU 4」が採用され、NPU性能が48TOPSへと大幅に引き上げられるものとみられる。
この進化によって、これまでLunar Lake搭載ノートPCや一部のモバイル向けSoCを搭載したPCに限られていたCopilot+ PCが、ついにデスクトップにも本格的に展開されることになる。
一方で、CPUやGPUの基本的な構成に大きな変化はなく、Pコアには「Lion Cove」、Eコアには「Skymont」が引き続き採用される見込みだ。
対応ソケットはLGA1851、チップセットは800シリーズと、現行世代と互換性を維持しており、既存のマザーボードでもそのまま利用できる可能性が高い。クロック周波数についても、200〜300MHz程度の微増にとどまるとみられており、プロセスの成熟や選別(binning)による効率的な性能向上が狙われている。これは前世代の「Raptor Lake Refresh」と同様のアプローチといえる。
こうした点から見ても、今回のリフレッシュは「刷新」というより、Copilot+への対応を目的とした「補強」に近い位置付けといえる。

パフォーマンス面ではAMDのZen 5世代、たとえばRyzen 9800X3Dや9950X3Dといった製品には届かず、ゲーミング用途における期待には応えきれないだろう。しかし、Copilot+対応という一点においては確かな前進であり、AI時代のデスクトップPC導入を検討する層にとっては重要な選択肢となり得る。
現時点では、このリフレッシュ版がどのようにブランド化されるかは明らかになっていない。既存の「Core Ultra 200」ブランドがそのまま継続されるのか、それとも新たなサブシリーズが立ち上がるのか、Intelからの正式な発表を待ちたい。
いずれにせよ、今回のArrow Lake Refreshは2026年に登場予定の本命「Nova Lake」(Intel 18Aノード採用)までの「つなぎ」的な存在でありながら、AIを活用する次世代デスクトップPCへの橋渡しとなる重要な一歩。ゲーマーにとってはやや物足りない内容かもしれないが、Copilotを活用した業務利用や法人導入を視野に入れるユーザーにとっては、有力な選択肢となるはずだ。
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