USB-C搭載のAirPods Pro (第2世代) はApple Vision Proでロスレスオーディオを利用できる。Apple独自の通信方式&コーデックで実現

Appleは今月13日、新型iPhoneの 「iPhone 15」 シリーズと一緒にUSB-Cポートを搭載した新しい 「AirPods Pro (第2世代)」 を発表した。

先代モデルからの最大の変更点は、バッテリーケースがUSB-Cポートになったこと。

iPhone 15シリーズにUSB-Cポートが搭載されるようになったことに合わせて、バッテリーケースにUSB-Cポートを搭載することで親和性を持たせることが狙いとみられるが、これによりiPhoneやiPad、Mac、AirPods ProなどのAppleデバイスをUSB-Cケーブル1本で充電できるようになったことは大きな変化だ。iPhone 15とAirPods ProをUSB-Cケーブルで接続することで、AirPods Proを直接充電できるようになるなど、利便性も向上している。

また、耐水・防塵耐性がIP54準拠となり、防塵性能が高まっている。さらに、新しい 「AirPods Pro (第2世代)」 は来年発売予定の 「Apple Vision Pro」 で利用した際に、ロスレスオーディオが利用できることも案内されている。

この件で大きな疑問となるのが、どうやってロスレスオーディオを実現しているのかということ。これまでAirPods ProはBluetoothを利用して既存デバイスと接続し、オーディオの伝送を行ってきた。しかし、元のAirPods Pro (第2世代)が採用するBluetoothコーデックでは技術的にロスレスオーディオの再生はできないはず。

もし実現する場合には、Appleがロスレスオーディオを再生できるコーデックを採用する、あるいは作り出す必要があった。もしくはWi-Fiを利用してロスレスオーディオを再生することも不可能ではなかったが、Appleはこれらとは別のアプローチを選択したことが明らかに。

Appleが現地時間12日に公開した新型AirPods Pro (第2世代)※ のプレスリリースには、「最新のAirPods ProとApple Vision Proに搭載されたH2チップと、画期的なワイヤレスオーディオプロトコルを組み合わせ、オーディオのレイテンシを大幅に削減したパワフルな20ビット、48kHzのロスレスオーディオを可能にします。」 と書かれている。

(※ ちなみに、新しいAirPods Proの正規表現は 「MagSafe充電ケース (USB-C) 付きAirPods Pro (第2世代) 」)

これはどういうことかと言うと、AppleはBluetoothでもWi-Fiでもない独自の通信方式を使用し、独自のロスレスコーデックを使用し、音声を伝送しているということだ。これはAV Watchに寄稿しているフリージャーナリスト西田宗千佳氏が確認をとっているようなので、間違いはないものとみられる。

ハイレゾではなくあくまでロスレスとなるものの、これまで謎とされてきたAppleのワイヤレス環境下におけるロスレス化が今後どのように行われるのか、その答えが今回の新型AirPods Proで明らかになったと捉えても良いのではないだろうか。

この伝送方式は、まずは新型AirPods ProとApple Vision Proのみで利用できるが、今後iPhoneやiPad、Mac、Apple TV、AirPods MaxなどAppleの各デバイスやオーディオ製品に順次組み込まれていく可能性が高い。

ちなみに、Appleは今後このワイヤレスオーディオプロトコルを標準とする可能性はあるものの、既存デバイスとの連携を考慮してBluetoothでの伝送方式は今後の製品でも利用できるはずだ。

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(画像:Apple)

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