Galaxy Z Flip5 レビュー|外側画面が “窓” になった折りたたみ新スマホ、完成度高くてついに買っちゃった

サムスン電子ジャパンは、新型折りたたみスマートフォン 「Galaxy Z Flip5」 の国内版の販売を9月1日からスタート。国内ではNTTドコモ・auの2社が取り扱う。

今回の発売に先立ち、サムスン電子ジャパンから 「Galaxy Z Flip5」 の実機 (グローバル版) をお借りし、1週間ほど使ってみることができた。「Galaxy Z Flip5」 ではどんなことができるのか、実際に使ってみた使用感を踏まえて、レビューをお届けしたいと思う。

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「Galaxy Z Flip5」 のデザインをチェック

「Galaxy Z Flip5」 は、本体を縦に折りたたむことができる、いわゆる 「縦パカ」 スタイルの折りたたみスマートフォン。

折りたたむと手鏡ほどの大きさになるコンパクトさが特徴で、さらにデザインやファッション性に優れるケースなどのアクセサリが豊富なことから、10〜20代の若い世代や女性からの人気も高い製品だ。

カラーはグラファイト/クリーム/ラベンダー/ミントの4色展開で、今回筆者はラベンダーモデルをお借りした。上品な紫カラーでとても可愛らしい。ちなみに、ラベンダーカラーは国内ではドコモ限定カラーとして展開される。

Galaxy Z Flip5は、本体を折りたたむと正方形に近い形になり、ストラップなどを使って首から下げて持ち歩いても邪魔になりにくい。シャツやジーンズのポケットなどに入れても本体がはみ出しづらくてグッドだ。

今回の新型モデルは改良された “フレックスヒンジ” が採用されており、折りたたんだときのヒンジの厚みが17.1mm→15.1mmと薄くなったことで、隙間なく画面を折りたためるようになった。従来モデルまでのわずかに画面が浮くのが気になっていた人はこれでスッキリするはずだ。

本体重量は187g。昨今のスマートフォンは200gを超えるデバイスも多いなか、フォルダブルであるにも関わらずGalaxy Z Flip5は軽めの部類に入る。

メインディスプレイには、6.7インチのDynamic AMOLED 2X (有機ELディスプレイ) が搭載。一般的なスマートフォンと同じくらいのサイズ感だが、縦に長めなのでWEBサイトなど縦に長いコンテンツを見る際に便利。解像度は2640×1080 (FHD+) で、画面比率は22:9、リフレッシュレートは1〜120Hzに対応する。

画面は明るくて発色が良く、ドラマなどのコンテンツを見たり、ゲームをプレイするのにも適している。画面中央の折り目は、従来よりもかなり目立たなくなっていて、見たり触ったりしたときの違和感はかなり軽減されている。

ヒンジ (折りたたみ稼働部) の重みはあまりないので、片手でも十分に開けられるものの、画面そのものを折りたためる構造なのでヒンジは頑丈に作られているためガラケー時代のように瞬時にパカっと開くのはちょっぴり難しい。コンパクトミラーのように片方の手で本体を支えつつ、もう片方の手で画面を開いて使うのが一般的な開け方になるのではないだろうか。

Galaxy Z Flip5には、メインのディスプレイに加えて、リアカメラの横に 「フレックスウィンドウ」 が搭載されている。以前までは 「カバーディスプレイ」 と呼ばれていたものだが、アウトカメラとフラッシュLEDを避けるように大型化し ”窓” のようになったため、呼び方が変更されたものと予想される。

フレックスウィンドウの画面サイズは3.4インチ。先代モデルが1.9インチだったことから、かなり大きくなったことがわかると思う。解像度は720×748ピクセル。

画面サイズが大きくなったことで、より多くの情報が表示できるようになったほか、アウトカメラを使ったセルフィーの撮影時にプレビューが見やすいなどのメリットも。

アウトカメラは、広角+超広角のデュアルカメラ構成。カメラ数は先代モデルから変わらないものの、カメラの配置が縦並びから横並びに変更されている。カメラ性能については、のちほど実際に撮影した写真を踏まえながら詳しく紹介する。

本体側面には、SIMカードスロットやサイドキー (電源ボタン) 、音量キーが搭載されている。SIMはnanoSIM +eSIMのデュアルSIMが利用できる。

生体認証は、顔認証と指紋認証に対応。指紋認証センサーはサイドキーに搭載されており、指を置くだけで認証することが可能だ。

顔と指紋どちらも本体を閉じた状態でも認証可能できるため、フレックスウィンドウだけを使用する際も生体認証を利用できる。

指紋センサーの位置は端末右側にあるので、左手でスマホを持つ方の場合はアクセスしづらいかもしれないが、基本は顔認証でパスできるので大きな問題にはならないだろう。

本体はIPX8相当の防水に対応しており、お風呂やプールなどの水回りで使うことができる。公園の噴水で遊ぶお子さんを撮影するなんてこともできる。防塵は非対応。

モバイル通信は、最新の5G通信をサポートしており、サブ6GHz帯とミリ波帯の両方に対応する。Wi-Fiは、現行最新規格であるWi-Fi 6Eに対応。Bluetoothもv5.3をサポートする。インターフェースは、本体下部に搭載された充電/通信用のUSB 3.2 Gen1 Type-Cが搭載されている。

Galaxy Z Flip5は、別売りの25W電源アダプタと3A出力が可能なケーブルを使用することで高速充電が可能。30分で最大50%まで充電することができる。また、高速ワイヤレス充電に対応するほか、イヤホンなどの他デバイスに対してワイヤレスで電力を供給できるワイヤレスパワーシェアにも対応している。

なお、国内版はおサイフケータイに対応し、モバイルSuicaやモバイルPASMOなどで駅の改札にタッチするだけで通り抜けることができる。

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大きくなったフレックスウィンドウでより便利に

Galaxy Z Flip5の最も注目すべきアップデート箇所は、やはり 「フレックスウィンドウ (旧:カバーディスプレイ) 」 の大型化だろう。

画面サイズが3.4インチに大きくなったことで視認性&操作性が大幅アップ。特に操作性が向上したのが嬉しいところで、先代モデルは画面サイズが小さくてスワイプ操作がうまくできないことがたまにあったが、Galaxy Z Flip5ではその点がしっかりと改善されている。

また、ウィジェットもかなり見やすくなっており、天気やメディアコントローラーといった基本的なウィジェットを表示しておけば、本体を開くことなく天気を確認したり、再生中の音楽のコントロールができるなど便利だ。ナビの表示もできるので、本体を折りたたんだままでフレックスウィンドウに表示されているマップを見ながら歩くこともできてしまう。方向音痴の筆者には、強い味方になってくれる気しかしない。

たくさんのウィジェットを登録している場合には、二本指でピンチイン&アウトすればマルチウィジェットビューが起動して、その中から操作したいアプリをタップすればすぐにそのウィジェットの表示に切り替えることができる。

また、「ラボ機能」 といってGoogleマップやYouTube、LINEなどのサードパーティアプリも表示できる。ラボ機能に対応したアプリは、通常使用と同様の使用感でアプリを操作できるため、LINEやYouTubeなどを本体を開くことなく見ることができる。

ラボ機能に対応していないアプリでも、通知から内容を確認したり、QWERTYキーボードを使って返信可能だ。画面を開かずともフレックスウィンドウだけで操作できることが増えて、より使いやすく。めんどくさがりな筆者にはとても嬉しいアップデートだった。

ちなみに、フレックスウィンドウはAlways on Displayに対応していて、日付や時刻、天気などをずっと表示させることもできる。完全オフよりもバッテリー持ちが多少短くなるだろうが、常に手元でこれらの情報を確認したい人には便利な機能だ。

カメラ性能:通常写真もセルフィーもアウトカメラで撮影可能、夜間の撮影もバッチリ

Galaxy Z Flip5の本体には、アウトカメラとインカメラの2つのカメラが搭載されている。

一般的なスマートフォンであればアウトカメラは風景やポートレートなど撮影用、インカメラはセルフィー写真の撮影用などと用途が分かれるところだが、Galaxy Z Flip5の場合は本体を折りたたむことでフレックスウィンドウにプレビューを表示でき、より高性能なアウトカメラでもセルフィーが撮影できるため、写真の撮影は実質的にアウトカメラがすべての撮影を担うことになる。

一方で、ビデオ通話時はインカメラを利用することが多かった。デバイスの形状的に調べごとをしながら通話するにはやはりメインディスプレイを使用することが多いためだ。

あとは、半開き状態にすればカメラを固定設置できる。折りたたみができないスマートフォンの場合は、別途スタンドを用意する必要がある。これはGalaxy Z Flip5の大きなアドバンテージと言えるだろう。

アウトカメラは広角+超広角のデュアルカメラ構成で、画素数はどちらも12MP。視野角は広角が83°、超広角が123°、広角カメラは光学式手ブレ補正 (OIS) に対応する。

以下は、筆者が実際に広角カメラや超広角カメラで撮影した写真。Galaxy Z Flip5のカメラは、色味がハッキリしていて鮮やかな写真を撮影するのに長けている印象。風景や食事など日常を色鮮やかに記録したり、旅先での楽しい思い出を記録するのにピッタリ。

超広角カメラはどうしても外周部に歪みが発生してしまうが、許容範囲内。風景をバックに記念写真を撮る際には、あまり端の方に人物を寄せすぎないよう注意して撮影したい。

広角カメラ

超広角カメラ

以下はズーム倍率の比較。1倍、2倍、10倍の順で並べている。Galaxy Z Flip5にはGalaxy Z Fold5のように望遠カメラが搭載されていないため、綺麗に撮影できるのは2倍が限界。10倍ズームは実用性はあまりないが、遠くの状況を確認するくらいには使うことができる。

x1

x2

x10

先代モデルからアップデートされたのが夜間の撮影機能。周囲の明るさに応じて写真やビデオを最適化する 「ナイトグラフィー」 機能が強化されているほか、低照度での撮影時にノイズを低減してくれる。

上記は夜に撮影した写真だが、どれもかなり明るく撮影できている。ライトの白飛びも抑えられていて、ほぼ無編集でSNSにアップできるクオリティだ。

本体が防水対応ということで、勢いよく水を噴射する噴水の撮影にも挑戦。かなり近くまで寄ったので全身ビショビショになってしまったが、水の勢いが伝わる写真になったのではないだろうか。

セルフィーの撮影は、やはりアウトカメラを使えるのが強い。大きくなったフレックスウィンドウのおかげで写りも確認しやすく、カメラに手のひらを向けるだけで自動でシャッターを切る便利機能もあり、気軽に高品質なセルフィーが撮影できる。

最新SoC搭載で快適動作

Galaxy Z Flip5は、SoCに最新の「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy」 を搭載。先代モデルに比べてGPU性能は25%、CPU性能は17%向上したほか、NPU性能 (AI処理などの性能) は20%向上している。

AnTuTu Benchmarkの結果とGeekbench 6のスコアは以下。

やはり最新かつ評判の良いSoCということもあり、スコアはかなり高め。画像編集アプリや3Dゲームなど重めのアプリも安心して使えるはずだ。実際に『原神』などを動作させてみたところ、最新のコンテンツでも快適に動作していたように感じた。

実はGalaxy Z Flip5に搭載されているSoCは、同じタイミングで発表された 「Galaxy Z Fold5」 と同じものになっている。

ただし、Galaxy Z Fold5はベイパーチャンバーが38%大型化したことでデバイスの冷却性能がアップしていることから、重めのアプリを動作させたときにより高パフォーマンスを維持しやすいのはGalaxy Z Fold5ということになる。もし性能を重視するなら、Galaxy Z Fold5も購入の選択肢に入れておくと良いだろう。

Galaxy Z Flip5のRAM容量は8GB、ストレージ容量は256GBと512GB (オンライン限定、グラファイトのみ) から選択可能だ。

どんなときに便利に感じた?実際に2週間くらい使ってみて感じた 「Galaxy Z Flip5」 の魅力

本体を折りたたんでコンパクトに持ち運べたり、高性能なアウトカメラをセルフィーに使用できるなど、従来のスマートフォンにはない特長を持つGalaxy Z Flipシリーズ。

最新SoCやFeliCa搭載、防水対応など、すでに先代のGalaxy Z Flip4の段階でかなり成熟した出来栄えになっていたものの、さらに今回のGalaxy Z Flip5で改良されたヒンジや大きなフレックスウィンドウを手に入れたことで、縦パカスタイルタイプの折りたたみスマートフォンとしては完成形に近いところまで来たと筆者は感じている。

特に筆者が気に入っているのは、取り回ししやすいコンパクトな本体。ジーンズやカバンの小さなポケット、車の中のちょっとした収納スペースなどにもシュッと収納できるGalaxy Z Flip5なら、連日の取材でバタバタ忙しいときにも、パッと収納できてかなり便利。本体が軽いので、ストラップを使って首から下げて持ち歩くのも便利そうだ。

これまで気にはなっていたものの、購入までには至らなかった折りたたみスマートフォンだが、今回Galaxy Z Flip5を1週間ほど触ってみて、「もっと使いたい!」 と感じた筆者。実は予約購入をしており、ついさっき手元に国内版のGalaxy Z Flip5が届いたところだ。選んだカラーは、メインカラーの 「ミント」 。

唯一心配なのは画面のフィルム剥がれだが、フィルムの耐久性は年々向上してきている上に、先代のGalaxy Z Flip4では無償交換が実施されていたため、今回も対応してもらえるのではないだろうか。

もし筆者のレビューを見て、折りたたみスマートフォンやGalaxy Z Flip5が気になった人は、ぜひGalaxy Harajukuや各キャリアの店舗などで実機を触ってみていただきたい。

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