Appleは、複数のスマートホームデバイスを中枢で管理できるスマートディスプレイを開発している可能性があることがわかった。米紙Bloombergの著名記者Mark Gurman氏が、現地時間18日に報告した。
Mark Gurman氏のレポートによると、AppleはAmazonやGoogleなどスマートホーム市場で先行する会社に対抗するべく、独自のスマートディスプレイを開発しているという。
Appleのスマートディスプレイは、まずはiPadをベースにしたものを検討している。サーモスタットやスマート照明の遠隔操作や、FaceTime (ビデオ通話)やビデオの再生ができるなど、実質的にローエンド型iPadに近い製品になるようだ。
また、自宅壁面にマグネットでくっつけられる機能も搭載する模様。もし実現すれば、リビングなどの家族が集合する部屋に設置することで、自宅全体のスマートデバイスを操作・監視する中央制御パネルの役割を果たすことができるかもしれない。
磁気での設置となると落下による故障が怖いところ。iPadには純正カバーなどのアクセサリ製品をくっつけるためのマグネットがすでに内蔵されているが、冷蔵庫など磁気をもった壁面にくっつけるにはやや磁力が足りない。噂のスマートディスプレイではその磁力をもっと強力にすることで、落下を防止する計画なのかもしれない。
そして、Appleはさらに大型のスマートディスプレイの開発も議論しているとのこと。また、既存のiPadをスマートディスプレイとして活用できるスタンドも開発しているほか、以前より報じられているApple TVとHomePod、FaceTimeカメラを融合させた新デバイスの開発も継続されているとのことだ。
Mark Gurman氏によれば、この新デバイスは開発に遅れが生じており、当初は年内の発売を目指していたがそれは難しくなっているという。また、スマートディスプレイについても開発に遅れが生じており、発売は早くても2024年になるとしている。
Appleはスマートホーム分野に関して他のライバル企業にやや遅れをとっている印象があるが、直近ではOSアップデートで各デバイスがスマートホームデバイスの国際規格 「Matter」 に対応したほか、同規格に対応した新型スマートスピーカー 「HomePod (第2世代)」 を投入するなどスマートホーム分野へのテコ入れを図っているようにも見える。
Siriがスマートホームの操作を助けるアシスタントを担えるだけの力が十分にないのは今後の課題となるところだが、最近の動きを見る限りAppleはスマートホーム分野に再びチャレンジ意識を燃やしている可能性はありそうだ。
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