10月18日、アドビは毎年開催しているクリエイティブの祭典 「Adobe Max 2022」 で、Photoshopのメジャーアップデートを発表した。
今回のアップデートでは、オブジェクト選択ツールの認識精度が向上したほか、コンテンツに応じた塗りつぶしがショートカットキーで適用できるようになったり、Illustratorからテキストをレイヤーとして編集可能な状態でコピー&ペーストできるようになるなどの機能が追加されている。
Photoshop デスクトップ版の新機能
オブジェクト選択ツールとコンテンツに応じた塗りつぶし機能が強化
選択したいオブジェクトにカーソルを重ねるだけで自動でオブジェクトを選択する 「オブジェクト選択」 ツールの精度が向上。従来まで選択しづらかった空や植物、水辺、建物、道路といった複雑なオブジェクトや広い領域が選択しやすくなった。
不要なオブジェクトを削除する 「コンテンツに応じた塗りつぶし」 機能は、不要なオブジェクトをクリックで選択したら、Shift+Deleteのショートカットキーですばやく塗りつぶしを適用できるように。
これらのアップデートにより、オブジェクトの選択からコンテンツに応じた塗りつぶしの適用までが圧倒的にスムーズにできるようになった。
Illustratorからテキストをレイヤーとして編集可能な状態でコピー&ペースト
昨年のアップデートでIllustratorのエレメントをPhotoshopにコピー&ペーストできるようになったが、同機能がさらにアップデート。
Photoshopへのペースト時に、レイヤーとして編集可能な状態になることで、フォントや文字スタイル、サイズ、配置、方向などの属性が保持されるようになった。エリア内文字、パス上文字、タッチ文字などの高度なオプションもサポートする。
ニューラルフィルターに 「写真を復元(ベータ)」 が追加
機械学習を利用したニューラルフィルターには、新たに 「写真を復元 (ベータ)」 が追加。傷・折り目がついてしまったり、一部が欠損してしまった古い写真を機械学習を使ってよみがえらせることができる。
たとえば、折り目がついてしまった部分は 「スクラッチの軽減」 スライドの数値を上げることで綺麗に修復可能。調整プルダウンからは 「ノイズ軽減」 「カラーノイズの軽減」 などの調整もできる。
ちなみに、同ニューラルフィルターは白黒写真だけでなくカラー写真の修復も可能だ。
「レビュー用に共有 (ベータ版) 」 機能が追加
できあがった画像を誰かにレビューしてもらいたい場合には、新機能 「レビュー用に共有 (ベータ版) 」 が便利。InDesignで先行して実装されていた機能だが、今回のアップデートでPhotoshopでも使えるようになった。
作業中のデータをレビュワーに共有し、レビュワーからコメントをもらうことができる。コメントはリアルタイムでパネルに表示され、アプリ内でそのまま各コメントへの返信もできるため、アプリを離れることなくスムーズに仕上げ作業を進めることができる。
その他デスクトップ版の新機能
Photoshop デスクトップ版では、さらにAdobe Substanceマテリアルのサポートや、コンテンツクレデンシャル機能などが利用できるようになっている。
Photoshop iPad版の新機能
iPad版では、デスクトップ版に実装されていた 「背景を除去」 「コンテンツに応じた塗りつぶし」 機能が新たに利用できるように。
「背景を除去」 機能では、被写体を他の画像内に配置したり、背景を置き換えたりといった作業が簡単にできるように。「コンテンツに応じた塗りつぶし」 機能は、写真に写り込んでしまった人物や、不要なオブジェクトをすばやく削除できる。
さらにiPad版では、被写体選択時のアルゴリズムが進化したことで、毛髪などの細かい部分まで完璧に選択できるようになったほか、「自動トーン補正」 「自動コントラスト」 「自動カラー補正」 コマンドを使って、色調やカラーをワンタップで手軽に修正できるようになっている。
Photoshop web版の新機能
Photoshop web版では、人気機能であるオブジェクト選択ツール、背景の除去、Adobe Camera Rawの画像調整、コンテンツに応じた塗りつぶしなどの機能が今回のアップデートで新たに利用できるようになった。
不要なオブジェクトを削除したり、写真と写真を合成するなどの作業が格段にしやすくなる。
(画像提供:アドビ)