現地時間10月29日、Appleは2020年第4四半期 (2020年7~9月期) の決算発表を行った。
Appleの同四半期の売上高は646億9800万ドル(約6兆7600億円)。前年同期比で1%増となった。純利益は126億7300万ドルで前年同期比7%減。希薄化後の1株あたり利益は希薄化後の1株あたり利益は0.73ドルとなった。
参考情報として昨年同期 (2019年第3四半期) の売上高は640億4000万ドル、純利益は136億8600万ドルだった。
売上高は同四半期としては過去最高という結果だが、iPhone 12の発売が遅れるかたちとなり、一部機種の発売が同決算期に間に合わなかったことから、iPhoneの売上は前年同期に比べて21%減少している(売上高264億4400万ドル)。
iPhoneの発売遅れが影響もアナリスト事前予測を上回る決算内容に
各製品の売上高や会社全体の売上高・純利益 (および増減) は以下の表のとおり。
総売上高 | 646億9800万ドル ( +1% ) |
---|---|
純利益 | 126億7300万ドル ( -7% ) |
売上高 | |
---|---|
iPhone | 264億4400万ドル ( -21% ) |
Mac | 90億3200万ドル ( +29% ) |
iPad | 67億9700ドル ( +46% ) |
Wearable & Home | 78億7600万ドル ( +21% ) |
Service | 145億4900万ドル ( +16% ) |
今回の決算発表は、iPhoneの発売遅れの影響が如実に出たものになっている。前述したようにiPhoneの売上は前年同期比で21%減少、純利益を減らした原因のひとつとなっている。しかしながら、Macは29%増加およびiPadは46%増加とテレワークおよび巣ごもり需要によって好調を維持。さらに新型モデルが登場したApple Watchなどが含まれるウェアラブルについても21%増加と、こちらの販売が好調だった。
サービス部門も好調だ。Apple MusicやApple Arcade、iCloudなどが含まれるが、前年同期比16%増の145億4900万ドルを売り上げた。過去最高を更新している。
地域別の売上高は、米国で5%の増加。日本やヨーロッパ、アジア太平洋地域については1~13%の増加となったが、中国の売上高については29%減と落ち込んでいる。
地域 | 売上高 |
---|---|
アメリカ | 306億9800万ドル ( +5% ) |
ヨーロッパ | 169億0000万ドル ( +13% ) |
中国 | 79億4600万ドル ( -29% ) |
日本 | 50億2300万ドル ( +1% ) |
アジア太平洋地域 | 41億3100万ドル ( +13% ) |
今回の決算は、売上高および純利益ともに事前のアナリスト予測を上回る結果となった。ちなみにAppleは次回決算の業績見通しは示さなかったものの、iPhone 12シリーズの販売が好調であることを引き合いに、次回決算(2021年第1四半期)については楽観的のようだ。
AppleのCFO最高財務責任者Luca Maestri氏によれば、iPhone 12の5G対応はユーザーを大きく惹きつけており、販売はかなり好調であるとのこと。これから小型モデルのiPhone 12 mini、そして最上位モデルのiPhone 12 Pro Maxが登場予定だが、それらがさらに販売を牽引するものとみられていることから、2021年第1四半期は期待がもてるかもしれない。
ちなみにAppleはまだ正式には発表していないが、新しいMacを来月発表する計画と報じられている。この新しいMacの登場によって、コロナ禍であるにも関わらずAppleの業績はさらに力強いものになるのではないだろうか。
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