7月9日、Belkinは傘下のネットワーク機器ブランド 「Linksys」 から、次世代ゲーミングルーター 「MAX-STREAM AC3000 MR9000X トライバンド Wi-Fi 5 メッシュゲーミングルーター」 を発表、7月22日から販売を開始している。
本製品はLinksysのメッシュWi-Fiシステムに対応し、低遅延で安定したネットワークを提供することができるため、オンラインゲームなどに適したネットワーク環境を構築できるWi-Fiルーターとなっている。
本製品の発売に伴い、Belkinから本製品のサンプルをお借りし、実際の使用感やネットワーク速度などをチェックすることができた。筆者はゲームをプレイすることも多く、ゲーマー目線で本製品がゲームプレイに優れているのかどうかも検証してみたため、ゲーミングルーターを探している方はぜひ当記事を読んでみていただきたい。
ゲーミングルーターとしては小型でシンプルなデザイン
こちらが今回紹介する 「MAX-STREAM AC3000 MR9000X トライバンド Wi-Fi 5 メッシュゲーミングルーター」 。
本製品はハイエンドモデルながらサイズは小さめ。具体的なサイズは奥行186mm × 幅258mm × 高さ190mmで、横置きタイプの製品ではあるものの、置き場所に困ることはほとんどないだろう。
ゲーミングルーターと聞くとメカメカしい見た目を想像しがちだが、デザインは比較的シンプルで、四角い筐体にアンテナが4本立っているだけ。このアンテナは電波の指向性に影響するもので、特に電波を届けたい場所に向けることでその場所で電波をつかみやすくなる。
製品の背面側にはイーサネットポートやUSBポートなど各種ポートが並んでいる。注目すべきはイーサネットポートが4つも用意されていることで、複数の据え置きゲームハードを持っていたとしても、わざわざケーブルを付け替えることなく有線接続を維持することができる。しかも4つすべてがギガビットイーサネットとなっているため、オンライン対戦を快適な環境で楽しむことが可能だ。
USBポートはUSB 3.0に対応しており、HDDやUSBメモリを接続することで、ネットワーク内に共有ストレージを作ることができる。家族間でデータ共有をしたいときに大いに活躍してくれるはずだ。
高速Wi-Fi通信で快適なオンラインゲームプレイを実現
さて、ここからは肝心のWi-Fiネットワークについて。本製品は最高速度3,000Mbpsのトライバンド仕様 (1,733+867+400Mbps) に対応していて、接続デバイスとの専用信号による通信を可能とする4×4のMU-MIMOやビームフォーミングによって、いつでもどこでも高速な通信が利用できる。
残念ながら最新のWi-Fi 6には対応していないが、クアッドコアによるデータの高速同時処理、ゲームデバイスへの優先接続なども利用可能なため、ゲーミングルーターの中では比較的高速な部類に入る。
また、LinksysのメッシュWi-Fiルーター 「Velop」 シリーズとメッシュネットワークを構築することができるため、すでに構築されているネットワークに 「MR9000X」 を組み込むことも可能。以前購入したルーターも活かしつつ、安定したネットワークを構築することができる。ネットワークは 「Linksys」 アプリで管理することが可能だ。
実際に 「MR9000X」 を筆者の自宅に設置し、速度を計測してみた。計測場所によって多少の速度の違いはあったもののダウンロードは300〜400Mbps前後、アップロードも300〜400Mbps前後という結果になった。この通信速度は各家庭の環境によって異なるはずだが、一般的には20〜30Mbps、ヘビーユーザーでも100Mbps以上の通信速度があれば快適なインターネットが楽しめるだろう。そういう意味ではMR9000Xは十分に高速な通信ができるポテンシャルを持っていると言えるはずだ。
ちなみに上記結果はLinksysのメッシュWi-Fiシステム 「Velop MX5300 (レビュー)」 を組み合わせたメッシュWi-Fiシステム下で検証を行なったものになるが、2台のルーターのおかげで自宅のどこにいても快適な通信を利用することができた。
また、ゲーミングルーターということで実際に 「MR9000X」 のWi-Fiネットワークを使ってPS4で 「グランド・セフト・オートV」 のオンラインをプレイしてみたが、ユーザーが多数参加しているセッションでプレイした際にも回線の遅さを感じることはなく終始快適にプレイすることができることが筆者の検証から判明している。
オンラインゲームをWi-Fi通信でプレイするのに抵抗がある方もいるかもしれないが、「MR9000X」 のネットワークほどの速度があればほぼストレスなくプレイできる。家の間取りの関係でゲーム部屋にWi-Fiルーターを置けず、有線ネットワークでゲームをプレイできない環境にある方などは安心してWi-Fi通信でオンラインゲームをプレイしていただきたい。
ちなみに、Linksysが販売する前述のVelopシリーズ最新モデル 「Velop MX5300」 は最新のWi-Fi 6に対応していることで、今回発売した 「MR9000X」 よりも高速な通信が可能となっているが、サイズが大きく価格も2万円ほど高くなっている。もしどちらを購入するか悩むようであれば、単純な性能は 「Velop MX5300」 の方が上になるため、あとは置き場所や予算、Wi-Fi 6対応機器をどれほど使っているかなどの事情に応じて、どちらを選んだ方が良いか判断できるはずだ。
製品名 | MAX-STREAM AC3000 MR9000X トライバンド Wi-Fi 5 メッシュゲーミングルーター |
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発売予定日 | 2020年7月22日(水) |
想定価格(税別) | 21,980円 |
Wi-Fiテクノロジー | AC3000 MU-MIMOトライバンドギガビット、1,733 + 867 + 400 Mbps |
ネットワーク標準規格 | 802.11a/802.11b/802.11g/WiFi 4(802.11n)/WiFi 5 (802.11ac) |
Wi-Fi帯域幅 | 2.4GHz および 5GHz (×2) |
Wi-Fi速度 | 最大3Gbps (2.4GHz:400Mbps / 5GHz:867Mbps / 5GHz:1,733Mbps) |
Wi-Fi範囲 | 185平方メートル |
イーサネットポート数 | Gigabit WAN ×1 Gigabit LAN ×4 |
その他ポート | USB 3.0 |
アンテナ | 外部調整可能アンテナ×4 |
プロセッサ | 716 MHzクアッドコア |
メモリ | フラッシュ: 256MB、RAM: 512MB |
ワイヤレス暗号化 | 最大128ビットAESリンク暗号化 |
セキュリティ機能 | WPA2 WPA2/WPA3 混在モード |
電源 | 入力:100-240V と 50-60Hz、出力:12V/4A |
本体サイズ | 奥行186mm × 幅258mm × 高さ190mm |
質量 | 740g |
製品保証 | 3年 |
まとめ
「MR9000X」 は、Wi-Fi 5対応ルーターとしては比較的小型の部類で置き場所に困らず、有線接続と遜色ないくらいの高速Wi-Fi通信で快適なゲームプレイができるゲーミングルーター。ギガビットイーサネットも4ポート設けられているため、有線接続でのゲームプレイを希望するユーザーにもぴったりの製品だ。
また、VelopシリーズとのメッシュWi-Fiシステムを構築できるため、すでに持っているVelopシリーズを活かしてネットワークが構築できるのも魅力。ネットワークの構築もアプリ経由で簡単に完了することができる。
唯一気になるのがWi-Fi 6に非対応であるという点だが、そもそもとしてWi-Fi 6機器を導入する予定がまだないのであれば、「MX5300」 にくらべて価格もサイズも抑えられる 「MR9000X」 を購入するのは十分にアリだろう。
「MR9000X」 は、Amazonで21,243円で販売中 (税込価格、2020年7月30日時点) 。