これまでのリーク情報などから、Appleは複数の新製品を2020年前半に発売する予定であることがわかっている。例えば新型iPad ProやMacBook Proなどがあるが、果たしてAppleはどれほどの新製品を用意しているのだろうか。
これに関して、TF International Securitiesの著名アナリストMing-Chi Kuo氏が2020年前半に発売されるであろうAppleの新製品について情報を提供している。彼はAppleの未発表製品に関して高い的中率を誇る人物であり、これまでの実績を考えると現時点ではかなり有力な情報といえるだろう。
この記事ではMing-Chi Kuo氏が予測する 「2020年前半にAppleが発売する新製品たち」 をまとめた。今年のAppleの新製品に期待している方は是非ご覧いただきたい。
Ming-Chi Kuo氏の予測 (via MacRumors) によると、Appleは2020年前半に7つの新製品を発売する計画のようだ。具体的に挙げられているのは、4.7インチの画面を搭載した新型iPhone、新型iPad Pro、新型MacBook Pro/Air、Ultra Widebandタグ(AirTag)、ハイエンドなワイヤレスヘッドホン、小型ワイヤレス充電マット。
4.7インチiPhone
2020年前半に発売する新製品のうち、最も注目を集めているのはやはり廉価版iPhoneだろう。このiPhoneはiPhone SEもしくはiPhone 8の後継機種と目されており、低価格に抑えることで誰でも購入できるiPhoneになることが予想されている。
この廉価版iPhoneがどのような製品になるのかはまだ情報が錯綜しているため分からないものの、最も濃厚とされているのはiPhone 8をベースに開発され、4.7インチの液晶ディスプレイを搭載し、ホームボタン内蔵型のTouch ID (指紋認証) 機能が採用されるということ。
内蔵プロセッサは最新の 「A13プロセッサ」 で、メモリ容量は3GBになる予定。発売時期は2020年3月で、価格は399ドル (約44,000円) になるとの予想だ。
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新型iPad Pro
2018年の新型モデル投入を最後にアップデートが行われていないiPad Proだが、2020年前半に新型モデルが投入されると予想されている。新型iPad Proは2018年モデルをベースにマイナーアップデートを施し、背面カメラに3Dセンシング (3D認識) ができるトリプルレンズカメラが搭載されるとのこと。発売時期は2020年3月か。
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新型MacBook Pro
MacBook Proは大小2つのモデルが用意されている。そのうち大型モデルについては昨年11月に新製品(16インチMacBook Pro)が投入されているが、小型モデルについては2020年前半の発売が予想されている。
画面サイズは13〜14インチになる予定。画面サイズが14インチになる場合は16インチMacBook Proのように画面周囲のベゼルの幅が狭くなる可能性が大だ。
搭載されるキーボードは新型シザー構造キーボード (Magic Keyboard) で、数々の問題が発生していたバタフライ構造キーボードは廃止される見込み。また、EscキーがTouch Barから独立することが予想される。発売は2020年3月から6月の間か。
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新型MacBook Air
MacBook Proと同時にMacBook Airにも新型モデル登場の噂がある。MacBook Airの新型モデルについては現時点でほとんど情報がないが、MacBook Proと同じくバタフライ構造のキーボードから新型シザー構造キーボード (Magic Keyboard) が採用されること、そして内蔵するプロセッサなどのアップグレードなどが予想される。
発売時期は新型MacBook Proと同時かそれ以降になると予測される。具体的には2020年3月から6月の間か。
ちなみにMing-Chi Kuo氏は、2020年前半に新型 “MacBook” を発売するとこれまで伝えてきた。このMacBookという言葉が新型MacBook Proを指すのか、それとも新型MacBook Airを指すのか、あるいはその両方を指しているのかは不明。おそらく新型MacBook Proであることが濃厚だが、同時にMacBook Airの新型モデルが投入される可能性も十分に考えられる。
紛失防止タグ
以前からAppleはUltra Widebandを利用した紛失防止タグを開発中と噂されている。すでにサードパーティから同じような製品(Tileなど)が発売しているが、Appleも同様の製品を自ら開発しているとみられている。
紛失防止タグとは財布や車の鍵などに括り付けておくことで、紛失してしまったときにiPhoneなどを使って場所を特定できるアイテム。iOSの内部コードで存在が確認されているため、開発中であることはほぼ確実。Kuo氏によると発売は2020年前半。
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ハイエンドワイヤレスヘッドホン
Kuo氏によると、Appleはハイエンドタイプの新型ワイヤレスヘッドホンを開発しているようだ。
この新型ヘッドホンがAppleの純正ヘッドホンになるのか、それともBeatsの新製品であるかはKuo氏は言及していないが、現時点で最も濃厚なのは 「Beats Studio Wireless」 シリーズの最新モデルの投入だろう。
Appleは昨年、Beatsからノイズキャンセリング機能を搭載したオンイヤー型ヘッドホン 「Beats Solo Pro」 を発売している。このBeats Solo Proと同等あるいはそれ以上の性能を持ったオーバーイヤー型ヘッドホンを計画しているのではないだろうか。発売時期は2020年前半と予測されている。
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小型ワイヤレス充電マット
Appleは過去に3台のApple製品同時にワイヤレス充電できる 「AirPower」 というワイヤレス充電マットを開発していた。しかし、その計画が頓挫したいま、新たに新型ワイヤレス充電器を開発している可能性があるようだ。
Kuo氏は今回のレポートで新しいワイヤレス充電マットの存在を挙げている。詳細はほとんど語られておらず、AirPowerより “小型” である点しか触れられていない。ただし2020年前半に発売する計画と伝えていることから、今後もっと情報が出てくることが考えられる。
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まとめ
これらの製品は2020年前半に発売する可能性があるようだ。2020年後半にも新型iPhoneや新型Apple Watchなど多数の製品が予測されていることも踏まえると、今年はかなり多くのApple製品が発売することになりそうだ。
ちなみにMing-Chi Kuo氏はAppleの製品製造スケジュールについて、中国武漢を中心に猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響を受けると、いくつかの製品が2020年後半の量産・発売にシフトする可能性に言及している。また、もし新型コロナウイルスがこれ以上の拡大をみせた場合、Appleは新しいコンポーネントの採用を次世代製品に遅らせたり、テスト要件を低くして認定プロセスを短縮する可能性もあり、当初想定よりもスペックが低い製品を販売することも考えられることも指摘している。