XREAL、エントリーARグラス「XREAL 1S」発表。AIチップ搭載で2D→3D変換、Switch 2向けハブ「Neo」も登場

ARグラスなどXRデバイスを展開するXREALは、エントリークラスの新型ARグラス「XREAL 1S」と、携帯ゲーム機との連携性を高めたモバイルバッテリー兼ハブ「XREAL Neo」を発表した。

XREALは、都内で開催中の「XR Kaigi 2025」にてキーノートを実施。両製品の詳細を明らかにするとともに、これらの予約販売を開始した。

AIチップ「X1」で2D画面を3D画面に変換

XREALは2025年を「収穫祭の年」と位置づけ、日本市場での存在感が大きく伸びたことを強調する。売上は前年比40％超と持続的成長を維持しており、話題シェアやAmazon検索シェアは80％を超えた。

このことを踏まえ、2026年はコアなガジェット層からメインストリームへとターゲットを拡大する方針を掲げる。その第1弾となるのがエントリークラスの新型ARグラス「XREAL 1S」だ。

最大の特徴は、自社開発のAIチップ「XREAL X1」を搭載したことで、あらゆる2D映像をAIがリアルタイムで3D化し、スマホ動画、ゲーム映像、サブスクの映画、さらには漫画まで、追加アプリやアクセサリなしでワンタップで立体化を実現できることだ。

AI空間コンピューティング計算を利用して2Dコンテンツを3D化できる機能をARグラスに持たせたのは本製品が世界初となる。

さらにX1は、ARグラスで指摘されがちな画面酔いの課題にも踏み込んでいる。0DoFグラスは頭の動きと映像が連動して揺れるため、長時間視聴では不快感が生じやすかった。

XREAL 1Sでは、この弱点を「ネイティブ3DoF」によって解消する。スクリーンを空間の一点に固定する仕組みで、映画館で座席が揺れてもスクリーンは動かないのと同じ状態を再現し、画面酔いを防ぐ。遅延も最大3msに抑えられており、没入感の高さも維持する。

スペックも現行のAirシリーズから順当に強化された。重量は82g、片目1200P解像度、FOVは52°へ拡大。最大120Hzのリフレッシュレート、700ニトの明るさ、Boseチューニングによる高品質オーディオ、OSDメニューや3段階自動調光など、日常使いの快適性も押し上げている。

Switch 2が「どこでもTVモード」に。モバイルバッテリー兼ハブ「Neo」も予約開始

ゲーマー向けに用意されたのが「XREAL Neo」だ。10,000mAhバッテリーとUSBハブ機能を備えるNeoは、Nintendo Switch 2を接続すると端末をテレビ（ディスプレイ）として認識させ、ドックなしでTVモードを起動できる。外出先での大画面プレイに対するボトルネックを、ハブと電源の両面からまとめて解消する設計だ。

試遊機で『スーパーマリオギャラクシー2』をプレイしてみたところ、通常であれば2Dで表示されるマリオの世界が、奥行きの感じられる空間で表示されていた。

Neo自体は最大60W出力・40W入力に対応し、スマホ背面にマグネットで装着して給電できる。ARグラスの長時間使用でスマホバッテリーが枯れる問題を避けつつ、機材を増やさないという合理性も持つ。

XREALは、新製品によって「新幹線の移動をファーストクラスに」「カフェや公園をオフィス化」すると述べ、日常的なAR体験の変革をアピールする。加えて、開発者向けには6DoF空間固定やハンドトラッキングに対応した「XREAL Eye」をSDK 3.1.0で開放し、ARの進化は大画面から空間そのものへと広がり始めている。

「XREAL 1S」「XREAL Neo」の価格と発売日

「XREAL 1S」「XREAL Neo」ともに本日から予約受付が開始されており、価格は「XREAL 1S」が67,980円、「XREAL Neo」が14,580円（いずれも税込）。発売は2026年1月下旬より順次行われる予定だ。

予約特典として、「XREAL 1S」購入者は「XREAL Hub」が無料でもらえるほか、「XREAL 1S」と「XREAL Neo」をセットで購入すると、通常82,560円のところ、76,560円で購入できる。もちろん「XREAL Hub」も付属する。

• XREAL 1S：67,980円
• XREAL Neo：14,580円
• セット価格：通常82,560円 → 予約特典で76,560円
• 予約特典：XREAL Hubを同梱
• 発売：2026年1月下旬より順次