Xiaomi、自社開発チップ 「Xring O1」 発表。Xiaomi 15S Proに搭載、最新フラグシップスマホを上回る性能に

Xiaomiは2025年5月22日、独自開発のフラッグシップ向けSoC 「Xring O1 (玄戒O1)」 を発表。これを搭載するスマートフォン 「Xiaomi 15S Pro」 も同時に公開した。

中国メーカー各社が自社製チップ開発による自立化を模索するなかで、XiaomiはQualcommやMediaTekの最上位チップに匹敵する性能を誇るSoCを完成させた。

  1. Xiaomiは2025年5月、自社開発のフラッグシップSoC「Xring O1」と搭載機「Xiaomi 15S Pro」を発表。
  2. Xring O1はXiaomiが独自設計し、TSMCの3nmプロセスで製造された高性能SoC。
  3. 10コアCPUや16コアGPUを備え、Snapdragon 8 EliteやApple A18 Proを上回る性能を記録。
  4. Xiaomi 15S Proは従来モデルを踏襲しつつ、QHD+有機ELや3眼カメラなどを搭載したフラッグシップ機。
  5. 自社製チップ開発は、脱Qualcomm依存や米中摩擦への対抗策として戦略的に重要な意味を持つ。
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Xring O1は、Xiaomiが設計を手がけ、TSMCの第2世代3nmプロセス「N3E」で製造された高性能チップだ。

CPU構成は異例の10コアで、2基のCortex-X925(3.9GHz)、6基のCortex-A725(1.9~3.4GHz)、2基のCortex-A520(1.8GHz)という構成になっている。

GPUにはARMの最新16コア構成「Immortalis-G925」を搭載し、AI処理用には6コア構成・44TOPSのNPUも内蔵する。

性能面では、AnTuTuベンチマークで300万点超えを達成し、Snapdragon 8 Eliteを上回るスコアを記録した。Geekbench 6でも、シングルコアで3,000点以上、マルチコアで9,000点超をマークし、マルチスコアにおいてはAppleのA18 Proをも上回る結果となっている。

対応機能も充実しており、最新のモバイルDRAMであるLPDDR5Tメモリ、UFS 4.1ストレージ、USB 3.2 Gen2、Wi-Fi 7に加えて、Xiaomi独自の3コアISP(画像信号プロセッサ)も搭載。画像処理性能や撮影機能においても高いクオリティを実現している。

そしてこのSoC「Xring O1」を搭載するXiaomi 15S Proは、前年の「15 Pro」をベースにSoCを置き換えたバリエーションモデルで、その他の仕様はほぼ共通だ。

6.73インチのLTPO AMOLEDディスプレイ(QHD+、120Hz対応)、3基の5000万画素カメラ(超広角、広角、5倍ペリスコープ望遠)、そして90W有線充電対応の6,100mAhシリコンカーボンバッテリーなど、フラッグシップ機にふさわしい構成となっている。OSはAndroid 15ベースの「Xiaomi HyperOS 2」を採用し、カラーはブラックとブルーの2色を展開。

価格は、中国市場向けに16GB RAM+512GBストレージモデルが5,499元(約763ドル)、最上位の1TBストレージモデルが5,999元(約832ドル)で販売中。現在のところ、グローバル展開についての詳細は発表されていない。

XiaomiはこれまでのQualcomm依存から脱却し、Appleのように自社製チップによる垂直統合エコシステムの構築を目指す方針を明確にしている。

背景には、米中間の技術摩擦やサプライチェーンの不確実性がある。米国による輸出規制や地政学的リスクは、ファブレスメーカーであるXiaomiにとって将来の製品計画に大きな制約をもたらしかねない。

自社製チップを開発することは、こうした外的要因によるリスクを軽減し、製品戦略の自由度を高める手段となる。Appleのように他プラットフォームとの差別化やOSとハードウェア間の最適化も可能になるため、世界規模で大量のデバイスを開発・販売するXiaomiにとってはメリットも大きい。

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(画像:Xiaomi)

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