現地時間6月5日、Appleは開発者向けイベント 「WWDC23」 の基調講演を実施。次期watchOSの 「watchOS 10」 を正式発表した。
当記事では、基調講演の発表をもとに 「watchOS 10」 の新機能をまとめた。今秋の正式リリースまでの予習にぜひ活用していただきたい。
アプリのインターフェイスが再設計
天気、株価、ホーム、マップ、メッセージ、世界時計などの各アプリでより多くの情報を確認できるよう、Apple Watchの画面を最大限に活用した新しいインターフェイスが採用。
アクティビティアプリとiPhoneのフィットネスアプリでは、より詳しい情報、共有機能の向上、再設計されたトロフィーケース、Apple Fitness+のトレーナーのヒントなど、日々の活動をより簡単に記録できるようになる。
watchOS 10では、新しいスマートスタックが利用可能に。ユーザーの状況に応じてタイムリーな情報を表示し、どの文字盤からでもDigital Crownを回すだけでウィジェットを表示させることができる。
コントロールセンターには、サイドボタンを押すことでアクセスできるようになり、どのアプリからでもすぐにアクセスできる。Digital Crownをダブルクリックすると、最近使用したアプリに戻る仕様だ。
新しい文字盤が追加
watchOS 10では、新たに 「パレット」 と 「スヌーピー」 の文字盤が登場する。
「パレット」 は、重なり合う3つのレイヤーによって様々な色で時刻を描写する文字盤。時間の変化に合わせてディスプレイの色も変化する。
「スヌーピー」 は、人気コミック 「ピーナッツ」 のキャラクターであるスヌーピーとウッドストックが登場する文字盤。キャラクターたちは時計の針で遊んだり、天気に反応するほか、ユーザーがワークアウト中だと活発に動き回る。
サイクリングワークアウトが強化
サイクリストに愛用されているサイクリングのワークアウトがさらに進化。
ワークアウトをApple Watchで開始すると、ライブアクティビティとしてiPhoneに自動表示され、タップすることで全画面で見ることができる。心拍数範囲、高度、レースコース、カスタムワークアウト、サイクリング速度表示などは、iPhoneのディスプレイに合わせて最適化されて表示されるため、iPhoneを自転車に取り付けて確認しながら走行できる。
Apple Watchでは、パワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーなどのBluetooth対応サイクリングアクセサリに自動的に接続できるようになる。これらと接続することで、、サイクリングパワー (ワット) やケイデンス (RPM) などの指標やパワーゾーンなどのワークアウト表示が追加される。Bluetooth接続は、屋内と屋外のサイクリングワークアウトとGymKitに対応する。
Apple Watchのセンサーデータと接続されたパワーメーターを組み合わせた新しいアルゴリズムにより、理論上1時間継続できるサイクリング強度の最大レベルを示す、機能的作業しきい値パワー (FTP) を推定できる。
このFTPを使用することでパワーゾーンを算出し、現在のゾーンを確認したり、それぞれのゾーンの時間を記録できるようになる。パフォーマンスの向上などに効果的に利用できるとのことだ。
コンパスアプリで新しいウェイポイントが自動生成
watchOS 10ではコンパスアプリがアップデートし、2つのウェイポイント 「モバイル通信に接続できる最後の地点のウェイポイント」 と 「緊急電話に発信できる最後の地点のウェイポイント」 を自動的に生成する。
「モバイル通信に接続できる最後の地点のウェイポイント」 は、モバイル通信ができる最後の場所を推定することで、メッセージの確認や電話発信などに役立てることができる。
「緊急電話に発信できる最後の地点のウェイポイント」 は、通信事業者のネットワークに最後に接続されていたルート上の場所を推定し、万が一の場合に緊急電話をかけられるようにすることができる。
ハイキングなどでルートを準備する際には、高度計データを使用した新しい高度表示により、保存されたウェイポイントの3次元表示が可能に。
まずは米国で、等高線、山の陰影、標高の詳細情報、関心のある地点などが含まれる新しい地形図がAppleマップで表示されるようになる。登山道の距離、種類、難易度などの詳細な情報を含む場所カードで近くの登山道や登山道の起点を検索することも可能だ。
マインドフルネスアプリで感情や気分が記録可能に
マインドフルネスアプリでは、現在の感情や日々の気分を記録できるようになり、心の健康に役立てられる。
ユーザーは、アプリを開いた状態でDigital Crownを回すことで、多次元の形をスクロールし、現在自分がどのように感じているのかを選び、最も大きな影響を及ぼしている項目を選択することで、自分の気持ちを記録しておくことができる。
日光の下で過ごした時間を記録
近年、世界的に視覚障がいの主な原因となっている 「近視」 のリスクを低減するため、Apple Watchの環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるように。記録したデータはiPhoneやiPadのヘルスケアアプリから確認可能だ。
ファミリー共有機能を使っている場合は、子どもがどのくらい日光の下で過ごしているのかを親のiPhoneから確認できる。
新しい連絡先交換機能 「NameDrop」
AirDropの仕組みを使って連絡先を交換する新しい共有機能 「NameDrop」 が、iOS 17と同様にwatchOS 10でも利用できるようになる。
iPhoneとApple Watchの場合は、両方のデバイスを近づけるだけで共有が完了する。お互いがApple Watchユーザーの場合は、連絡先アプリにあるマイカードの共有ボタンをタップする、もしくはマイカードの文字盤コンプリケーションをタップして、自分のApple Watchを相手のApple Watchに近づけることで共有完了となる。
iPhoneのオフラインマップがApple Watchでも利用可能に
iPhoneのマップアプリにダウンロードしたオフラインマップは、iPhoneにペアリングされていて、接続範囲内にあるApple Watchでも利用可能。ターンバイターンのナビゲーション、到着予定時刻、マップの場所などにアクセスできる。
FaceTimeビデオメッセージの再生が可能に
FaceTimeビデオメッセージは、Apple Watchから直接再生が可能。また、グループFaceTimeオーディオがApple Watchでも利用できるようになる。
服薬のフォローアップ通知
服薬アプリで指定した時間から30分以上経っても服薬が記録されない場合、フォローアップのリマインダーが受け取れるように。大事な薬をより飲み忘れにくくなる。
Apple Fitness+にカスタムプランが導入
Apple Fitness+にカスタムプランが導入され、曜日、時間、ワークアウトの種類などに基づいてカスタムワークアウトや瞑想のスケジュールを受け取ることができる。
また、ユーザーが選択した複数のワークアウトと瞑想をシームレスに連続で実行できる 「スタック」 、音楽やトレーナーの声の音量を優先させる 「オーディオフォーカス」 も導入される。
対応機種/リリース時期
「watchOS 10」 は2018年に発売したApple Watch Series 4以降のApple Watchをサポートする。昨年の 「watchOS 9」 が利用できたすべてのApple Watchがサポート対象だ。
- Apple Watch Ultra (2022年9月発売)
- Apple Watch Series 8 (2022年9月発売)
- Apple Watch Series 7 (2021年10月発売)
- Apple Watch Series 6 (2020年9月発売)
- Apple Watch Series 5 (2019年9月発売)
- Apple Watch Series 4 (2018年9月発売)
- Apple Watch SE (第2世代) (2022年9月発売)
- Apple Watch SE (2020年9月発売)
なお、Apple WatchはiPhoneとの連携が必須であるため、「watchOS 10」 を利用するには 「iOS 17」 をインストールしたiPhoneが必要になる。「iOS 17」 をインストールできるデバイスは以下。
iPhone |
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「watchOS 10」 の正式リリースは今秋を予定している。正式リリースに向けて本日より開発者向けデベロッパープレビュー版が、今年7月にはパブリックベータ版が公開される予定だ。
・Apple Watch Series 10
・Apple Watch Ultra 2
・Apple Watch SE
・Apple Watch Nike
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(画像:Apple)