Ultrahuman Ring AIR レビュー|はじめてのスマートリングで自分の生体データを計測、1ヶ月使って分かったこと

健康管理や運動習慣をサポートするガジェットといえば、大半の人はきっとスマートウォッチや活動量計を思い浮かべるだろう。筆者も 「Apple Watch Ultra 2」 や 「Xiaomi SmartBand 8」 を身につけて生活しているので、その大勢のなかのひとりだ。

しかし、「腕に何かを巻くのが苦手」 「寝るときは外したい」 と感じる人も少なくない。そんな中、もっとシンプルで手軽に健康を管理できるアイテムとして注目されているのが 「スマートリング」 だ。

今回、インドの 「Ultrahuman (ウルトラヒューマン) 」 から、スマートリング 「Ultrahuman Ring AIR」 の実機を提供いただき、1ヶ月ほど使ってみることができた。スマートリングの中には、使い続ける上でサブスクリプションに加入する必要がある製品もあるが、本製品は購入後の課金は一切不要で使い続けることができるのが嬉しいポイント。

Ultrahuman Ring AIR」 は昨年10月に国内販売が開始しており、どんなものか気になっていた人も多いと思う。実際の使い勝手やトラッキング精度など、詳しいレビューをお届けする。

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ファーストステップは「計測」。まずはサイズキットで自分に合うリングを見つけよう

まずは 「Ultrahuman Ring AIR」 のデザインをチェックしていこう。ちょっと太めのおしゃれリングといった雰囲気で、リングの内側には小さなセンサー類が並んでいる。

カラーは複数用意されていて、今回筆者は 「スペースシルバー」 を選んだ。光沢のある素材だと長く使っているうちに傷が目立ってくる可能性も考えたが、指に装着して使うものということもあり、傷についてはある程度諦める方針にした。自分のファッションや持ち物などを考慮してしっくりくるカラーを選ぶのが一番重要だろう。

本製品を購入するにあたって、まずは指のサイズを測るためのサイズキットが送られてくるため、そのキットに含まれるダミーのリングを24時間つけて正確な指のサイズを計測し、そのサイズに合ったリング本体を送ってもらうことになる。

サイズキットには、5〜14までの10段階のダミーリングが含まれている。人間の指のサイズは人それぞれで、どの指につけるのかによっても変わってくる。筆者は、装着する指を右手の薬指にしたところ8サイズがピッタリだった。

リングは、基本的に人差し指・中指・薬指のいずれかにつけることになる。どの指につけるべきか迷っている人のためにアドバイスすると、人差し指は物を掴んだりする際にリングが邪魔になることが多いため、中指か薬指がオススメ。

また、すでに特定の指にリングをつけている場合は、そのリングと干渉しない指を選ぶのが良い。たとえば、左手の薬指に結婚指輪をつけているなら、右手の中指や薬指を選ぶといった工夫が必要だろう。

Ultrahumanによると、正確なトラッキングのためにはリングが指にピッタリと密着するくらいが良いとのこと。リングアクセサリを日常的に使う人には馴染みのある話かもしれないが、特定の指にリングを長期間つけ続けると、徐々にその指が細くなる傾向がある。そのため、長く使うことを考えるなら 「少しきついかも?」 と思うサイズを選ぶのが良さそうだ。

リングがきつすぎると外すのが大変そうに思えるかもしれないが、リングを指の上側に少し持ち上げて、ゆっくりとずらすようにすれば意外と簡単に外せる。コツは、リングをつけている指に余計な力を入れないことだ。

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最初の1週間は異物感があるけど次第に慣れてくる

実際に装着してみると、太めのリングをつけているような感覚だ。センサー類を搭載している関係で本体が少し厚いからか、1週間ほどは異物感を感じながらの生活になった。

しかし、少しずつ慣れてくると、物を持つ、ドアを開ける、PCのキーボードを打つといった日常的な動作では特に気にならなくなる。ただし、車を運転する際にはハンドルに若干干渉し、操作がしにくいと感じることがあった。特に狭い道や悪天候時の運転など、繊細な操作が求められる場面ではリングを外した方が良いかもしれない。

リング本体は最大100メートルの防水性能を備えている。そのため、食器洗いはもちろん、水泳やダイビング、お風呂、さらにはサウナでもつけたままで問題なく使用できる。

睡眠計測時の装着感は、腕に巻くスマートウォッチや活動量計と比べて、明らかに軽くて快適だ。筆者自身、これまで睡眠計測ができるデバイスを持っていながら、「寝るときに腕に何かをつけるのが苦手」 という理由でほとんど活用してこなかった。しかし、スマートリングなら違和感なく装着して眠ることができたのは、大きなポイントだ。

見た目については、筆者がもともと太めのリングをつけていた経験もあり、特に違和感なく受け入れられた。ただ、友人たちに見せたところ、「結構ゴツいね」 という反応が多かった。このあたりは個人の好みやスタイルによるだろうが、営業職などで頻繁に客先を訪れる仕事をしている人にとっては、仕事中に装着するのをためらう場合もあるかもしれない。

「Ultrahuman Ring AIR」 は、赤外線光電式 (PPG) センサー、非接触式医療用グレードの皮膚温センサー、6軸モーションセンサー、赤色LED (心拍数モニタリングと酸素飽和度) 、緑色LED (心拍数モニタリング) 、赤外線LED (心拍数モニタリング) の6つの高精度センサーを搭載している。

計測できるデータは、睡眠、運動、心拍数(HR)、心拍変動(HRV)、皮膚温度など。昨今のスマートウォッチや活動量計と計測できるデータはほとんど同じ。つまり、生体データを計測する用途だけでいえば、スマートウォッチや活動量計をこのスマートリングで置き換えられることになる。

「Ultrahuman Ring AIR」 で記録したデータは、スマートフォンの専用アプリ 「Ultrahuman」 から確認できる。

アプリでは、消費カロリーや歩数、ストレス値、睡眠時間、心拍数などのデータを一覧で確認でき、各項目をタップすれば、より詳しい情報が表示される。

ワークアウトについては 「ワークアウトを何分したか」 という記録はされるものの、Apple Watchのようにどんなワークアウトをしたかまではさすがに記録されないようだ。この日は1時間ほどウォーキングをしたので、その記録だと思われる。

ユニークだと思ったのが、ストレス値について詳細に記録されていること。たとえば、この日は朝起きてからほぼ1日中ストレスを感じまくりだったと記録されている。お昼過ぎから少しハードな仕事があり、夕方以降はお酒の席もあったので、それらが関係した数値なのではないだろうか。

特に夕方以降にストレスが集中しているのは、アルコールが入ったことに対するものだろう。大好きなお酒の席をストレスに感じるはずもないので、身体的に負担がかかっていたことを検知した結果と思われる。

昨今はスマートウォッチや活動量計でストレス計測ができる製品も多くなっているが、このように細かく分析してグラフ化されると少し面白いなと感じた。

「Ultrahuman Ring AIR」 の計測精度をスマートウォッチと比べてみた

一番左がUltrahumanアプリ、右2つがヘルスケアアプリ

肝心の計測精度はどの程度なのか。Apple Watchで計測したデータと比較してみた。

たとえばUltrahumanアプリでは、この日の総消費カロリーが2,119カロリー。同じ日の記録をヘルスケアアプリでチェックしてみたところ、2,279カロリー (安静時消費エネルギー+アクティブエネルギー) だった。ほぼ同じくらいの結果になったことから、正確に記録できていたのではないだろうか。

消費カロリーと一緒に心拍数の動きもチェックしてみたが、1日を通してほぼ同じようなグラフになっていたことが確認できた。

睡眠計測のデータもチェック。睡眠時間は、Ultrahumanアプリでは5時間35分、ヘルスケアアプリでは5時間40分。睡眠のステージのグラフはどちらもほぼ同じ動きをしていることから、睡眠も正確に記録できていると思われる。計測の精度については問題なさそうだ。

専用充電器で充電している様子。

スマートリングの優れる点は、バッテリー持ちが良いこと。一般的なスマートウォッチは1日持たないことが多いのに対し、「Ultrahuman Ring AIR」 は最大6日間使い続けることができる。

スマートウォッチは、夜に睡眠計測をしてしまうと日中にバッテリー切れを起こしてしまうという理由から、あえて睡眠計測をしていなかったり、もしくは昼用と夜用の2台体制で日々使っているという人もいるようだ。「Ultrahuman Ring AIR」 なら、睡眠計測をしても日中バッテリー切れになってしまう心配が少なく、1台だけでも安心して睡眠計測を利用できると言えるだろう。

バッテリーが少なくなってきたら、台座のような形の専用充電器にリング本体をはめるようにして充電する。充電器にはUSB Type-Cポートがあり、付属のType-C to Cケーブル経由で電力を供給して充電する仕組みだ。本体のバッテリー残量がほぼ0の状態からは約1時間半でフル充電できた。

まとめ:「装着する」 という感覚なく生体データが計測できるのがスマートリングのメリット

Ultrahuman Ring AIR」 を実際に使って生活してみて、まずは一番に良いなと感じたのが軽くて取り回しがしやすいこと。特に睡眠時の快適性はスマートウォッチや活動量計に比べて抜群に良い。

これまでスマートウォッチや活動量計をつけて生活してきた筆者からすれば、常に腕に重しをつけているような状態がある意味普通だったのだが、「Ultrahuman Ring AIR」 に置き換えることで、腕が解放されたような感覚だった。

ただし、スマートリングは時刻を確認したり、スマートフォンの通知を画面や振動でチェックすることはできない。この点がスマートウォッチや活動量計に比べて劣る部分と言えるだろう。

通知や時刻の確認をスマートフォン側で完結することができ、あとは心拍数や睡眠計測などの生体データを計測することが目的なら、スマートフォン+スマートリングで日々を快適に過ごしつつ、生体データを計測できる。

また、スマートリングの中には購入時の費用に加えて、アプリなどの利用料が毎月かかるサブスクリプション制を導入している製品もあるが、「Ultrahuman Ring AIR」 は購入さえしてしまえばその後の費用は一切かからないのも嬉しい点。長く使うことを想定しているなら、ランニングコストがかからないのは大きなメリットだ。

「Ultrahuman Ring AIR」 は、公式サイトに加えて、家電量販店やECストアなどで59,800円(税込)で販売中だ。

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