米トランプ政権は、国際宇宙ステーションの運営予算を2024年に打ち切ることを検討している。米ワシントンポストが報じた。
これは、米航空宇宙局(NASA)の内部資料から明らかになったことで、米政府は国際宇宙ステーション(以下、ISS)の運営を2024年から民間に託す方針。内部資料によると、米政権はISSを地球のどこかに落とすことを検討しているのではなく、あくまで商業目的での運用を模索するとのこと。
今後7年間で商業的パートナーシップを国際的に拡大し、運営母体を国から民間運営者に委譲していくという方針。
米政権は、2019年のNASAの予算に、ISS民営化への予算1億5000万ドルを盛り込む予定。この資金を使って、今後の運営母体がISSを利用しやすくするために改良を施すというのだ。
ワシントンポストによると、米政権はISSの開発・運営に1000億ドル(約11兆円)を超える予算を投入してきた。しかし、NASAの使命はISSの維持ではなく、より広範囲な宇宙の開拓にある。すでに低軌道での環境構築はすでにミッションを終えたと考えてもいいだろう。その後は、民間の手に委ねてもいいのではないだろうか、という考えのようだ。
しかし、この方針には批判も大きい。1995年からISSの運営に携わってきた米ボーイングのプログラムマネージャーであるMark Mulqueen氏は、「(もしISSを民間に委譲すれば)アメリカの宇宙分野におけるリーダーシップにとって、悲惨な結果を招くだろう。ISS運営からの離脱は間違いだ」と警告している。