2月11日、米連邦裁判所は同国携帯通信3位のT-Mobile USと同4位のSprint (ソフトバンクグループ) の合併買収を承認した。買収額は約265億ドル(約2兆9000億円)で、買収によってT-Mobile USの契約者数は8,000万人に到達。上位2社AT&TとVerizonに迫り、業界の勢力図が大きく塗り替えられることになる。
T-Mobile USのSprint買収を米連邦裁判所が承認
両社の合併は長く険しい道のりだった。両社の合併は2018年4月に合意に至ったが、米国司法省と米国連邦通信委員会(FCC)の認可を得るまで約1年半を要した。大手携帯電話会社が4社から3社に減ることで競争が阻害されることに両局が難色を示したからだが、最終的には一部の経営資産を他の会社に売却することを条件に統合の承認を受けることができた。
その後も米国内の通信事業業界の勢力図が大きく変わり、消費者に不利益がもたらされる可能性を懸念したニューヨーク州など複数州が、合併の差し止めを求める訴訟を起こしていた。しかし、11日にニューヨーク州南部地区の裁判官ビクター・マレロ氏は 「今回の合併はモバイルサービス市場での競争を軽減する可能性が合理的に低いと結論付けた」 「すべての消費者の利益のために関連市場での競争を促進する可能性がある」 とし、各州からの訴えを退けT-Mobile USとSprintの合併・買収を認めた。
これでようやく両社の合併は成立することに。ちなみに厳密にはカリフォルニア州の公益事業委員会(PUC)からも承認を得る必要があるが、これについてはそうハードルは高くなさそうだ。
新生T-Mobileは、全国に5Gネットワークを構築すること、そして米国の消費者がより安い値段でネットワークを利用できること、農村部のユーザーにも良いサービスを提供すること、何千人もの米国人の雇用を新規創出することなどを目標に掲げている。
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[ via The Verge ]