Spotify、約200万ユーザーが料金を払わず不当に有料サービスを利用していることを明かす

現在、音楽ストリーミングサービスの大手Spotifyは、約1億5900万人ものアクティブユーザーを抱えており、このうちの7100万人が有料プランを利用していることが判明している。しかし、Spotifyを利用しているユーザーの一部には、改変されたクライアントアプリを利用して不当にサービスを利用しているユーザーもいるようだ。

Spotifyはニューヨーク証券取引所(NYSE)への新規上場を控えている(手法はIPOではなく直接上場)が、上場するために必要な書類の中から、同サービスの海賊行為を行なっている悪質ユーザーは200万人にも昇ることが記載されていることがわかった。Reutersが報じている。

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200万人もの悪質ユーザーがサービスを不当利用

本来、Spotifyの無料プランは広告の再生が行われたり、楽曲を指定することができないなどの制限があるが、有料プランではこれらの制限を取り払い、快適に音楽を楽しむことが可能だ。

しかし、この有料プランの恩恵を受けたいがために、改変されたSpotifyのクライアントアプリを使い、料金を支払わず、不当にサービスを利用しているユーザーがいるとのこと。その数、実に200万人。

Spotifyにはすでに7100万人の有料ユーザーがいるから、200万人が料金を支払わなくとも、大した問題にはならないのか。

もちろんだが、決してそんなことはない。有料ユーザーの2〜3%にあたるユーザーが不当利用することで、Spotifyは得るはずのお金が少なくなるだけでなく、多額の資金を失うことになるからだ。

Spotifyの有料サービスは月額9.99ドル(日本では980円)となっており、これが単純に200万人分となると、同社は月およそ2000万ドルをロストしている計算だ。年間にすると2億4000万ドルを失っている。これは日本円にすると252億円ほどだ。

フリーライドするユーザーは将来的に有料サービスに課金する可能性が少ないため、上記はあくまでも機会損失の話でしかないが、こういった音楽配信サービスは音楽を聴かれるごとに、アーティスト側に利用料を払うビジネス形態をとっていることから、悪質なフリーライダーが音楽を聴いた分の利用料を、Spotifyが負担する必要がある。その額はどの程度に昇るかは不明だが、おそらく相当なものだろう。

昨今では、日本国内でも対価を支払わず不当にコンテンツを利用する悪質なユーザーに対して問題点が指摘されるようになったが、Spotifyもまたフリーライド問題を解決する必要がありそうだ。

同社は、悪質なユーザーを締め出すために、ユーザーの特定と対策を進めているというが、大抵の場合はイタチごっこになることが多く、この問題の解決はきっとそう簡単にはいかないだろう。

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