Appleが様々な製品や機能に関する特許を取得することは決して珍しいことではないが、今回はちょっとした騒動に発展しそうな予感だ。
Patently Appleによると、Appleは香港で「Split View」「Slide Over」「3D Touch」の機能に関するデザインの特許を取得したことが明らかになり、Androidユーザーからは競合する「Android Nougat」の新機能の提供に影響が出るのではないかという声が上がっているようだ。
「Android 7.0 Nougat」での新機能「Split Screen」が実現できなくなる?
Appleが今回取得した特許は、iPhoneやiPad向けの機能である「Split View」「Slide Over」「3D Touch」に関してのデザイン特許だ。
デザイン特許とは、日本でいう「意匠権」に相当するもので、普通の特許のように完全に一致するものだけではなく、類似品にも効力が及ぶことから、似たような外見であれば名前が違ったりしていても特許の侵害となってしまう。
そこで問題になるのは「Android Nougat」に搭載される新機能「Split Screen」だ。同機能はAppleの「Split View」のように画面を分割することができる機能となっているが、「Split View」と違って横だけではなく、縦にも分割できるというのが特徴となっている。
しかし、同機能の横向きの分割のデザインは「Split View」とほぼ一致してしまうため、もし同機能が「Android Nougat」に搭載されてしまった場合はAppleのデザイン特許を侵害してしまうということに。また、「3D Touch」に似た機能も今後実装される予定となっていたのだが、こちらも特許の侵害となってしまう可能性があるということで、Androidへの実装は難しくなってしまった。
今回のAppleの特許の取得について、Androidユーザーからは今後のAndroidへの新機能の搭載を心配する声が上がっている。特に「Split Screen」に関しては「Android Nougat」での実装が予告されていたこともあり、ユーザーの心配も大きいようだ。
最近はスマートフォン関連企業同士の特許の侵害に関する裁判などが頻繁に行われており、どこの企業もとにかく新しい機能の特許を取得しようと必死だ。特にAppleは、先日北京で「iPhone 6 / 6 Plus」の販売停止命令を受けたこともあり、競合他社の多い中国周辺での特許に関してはかなり慎重になっているはず。
その結果が今回の特許の取得につながっているのだとは思うが、Androidユーザーの「Split Screen」や「3D Touch」のような便利機能がAndroidに搭載されてほしいという気持ちもよく分かる。
しかし、特許の取得は早い者勝ちの世界なので、今回はGoogle側が不利になる可能性が極めて高い。Googleは同機能の搭載を諦めるのか、それともデザインを大幅に変更してなんとか搭載するのか。今後の動向に注目だ。
[ via gori.me ]