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SONY ULT WEAR レビュー | ボタンひとつでパワフルな重低音に圧倒される超低音重視ヘッドホン、ライブ音源の視聴にオススメ

ソニーは今年4月、パワフルな重低音が特長のBluetoothスピーカーとヘッドホンの新シリーズ 「ULT POWER SOUND」 を発表。同シリーズから新型ワイヤレスヘッドホン 「ULT WEAR (アルトウェア)」 を発売した。

「ULT WEAR」 は、重低音を増幅する 「ULTボタン」 により3種類のサウンドを切り替えながら音楽を楽しめるほか、アクティブノイズキャンセリングにも対応するため、周囲の環境に左右されずに音楽に没入できるのが特長だ。

今回、ソニーから本製品の実機を2週間ほどお借りして、製品デザインや実際の音をチェックしてみることができたので、実機レビューをお届けしたい。

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デザイン・装着感

まずは 「ULT WEAR」 のデザインをチェックしていこう。イヤーカップの外側が平たくなっているなど、ソニーの人気ヘッドホン 「WH-1000XM」 シリーズを彷彿とさせるシンプルなデザインを採用している。カラーはブラック、オフホワイト、フォレストグレーの3色。

筆者はソニーのヘッドホンの中ではホワイト/シルバー系のカラーをよく好んで使っているが、今回の 「ULT WEAR」 の3色の中では特にオフホワイトがお気に入り。また、ソニーの他のヘッドホンではなかなか見ないフォレストグレーも面白いカラーで、好きな人も多そうだと個人的には感じた。

側面にある 「SONY」 のロゴマークは、見る角度によって見え方が微妙に変わる

電源ボタンやNC/AMBボタンなど各種操作ボタンはすべて左側のイヤーカップ側に配置。右側のイヤーカップにはタッチ操作で音楽の再生・一時停止などが操作できるタッチセンサーが搭載されている。

左側のイヤーカップの後ろ側にあるのが、重低音を増幅させる 「ULTボタン」 。このボタンもロゴマークと同様、見る角度によって見え方が変わるオシャレ仕様だ。ULTボタンを押すことで、3種類のサウンドモードを手軽に切り替えられる。

充電端子はUSB Type-Cで、イヤーカップの左側に配置されている。クイック充電に対応しており、わずか3分の充電で約1.5時間の使用が可能だ (ANCオン時) 。フル充電時には最大30時間の音楽再生に対応する。

実際に装着してみた。イヤーパッドは厚みがあってもっちりとしていて、耳まわりは痛くなりにくい。イヤーカップの穴も比較的深めで、耳たぶが干渉することはなかった。小さめのピアスならつけたままでも快適に装着できるはずだ。

ヘッドバンドを調節している様子

ヘッドバンドもイヤーパッドと同様、しっかりと厚みがあって頭頂部が痛くなりにくい。これなら飛行機での移動中など、長時間装着し続けても安心だ。

「ULT WEAR」 は折りたたみに対応しており、専用ケースに収納してコンパクトに持ち運べる。ケースは薄型タイプで、リュックなどにも収納しやすい。

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迫力の重低音が特長の個性派サウンド

「ULT WEAR」 は、「ソニー史上最高の重低音体験ができる」 と紹介されているヘッドホンということで、大迫力の重低音が楽しみたい人に特にオススメのサウンドに仕上がっている。

本体には、ULT専用設計の直径40mmドライバーユニットを搭載。広い音場で厚みのある低音とクリアなボーカルをバランスよく実現できるとしている。

まずはULTボタンは押さず、通常モードからチェック。筆者はソニーのヘッドホンでは 「WH-1000XM5」 を日頃から使っているのだが、音の傾向としては 「WH-1000XM5」 に近く、全体的にフラットなバランスの良いサウンドに感じられた。

では、ここで 「快感ブーストボタン」 こと 「ULTボタン」 をワンプッシュして 「ULT1」 モードに切り替えてみよう。通常モードよりも低音が数段増して、音の傾向としてはフラットから一気にドンシャリに。同じヘッドホンとは思えないくらい迫力のあるサウンドになった。

低音が増すと中〜高音域のクリアさが失われてボワっと曖昧な印象を感じるヘッドホンもあるが、「ULT WEAR」 の低音はキレが良く、中〜高音域もしっかりとクリアなので、高品質なドンシャリを楽しめる。低音重視のヘッドホンが好きだけど、低音以外の音もしっかり楽しみたいという人にはものすごく刺さりそうなサウンドだ。

次は、さらにULTボタンをワンプッシュして 「ULT2」 モードへ。すると、ドンッドンッと頭を揺さぶるような重低音に包み込まれ、初めて試したときには思わず 「うわっ!」 と驚いて声を上げてしまった。

自分の部屋でお気に入りの曲を聴いていたはずなのに、突然ライブ会場にワープさせられて、会場の最前列に近い場所で重低音を浴びるように聴く感覚。まさに 「ソニー史上最高の重低音体験」 だったと思う。

ただし、「ULT2」 モードは合う楽曲と合わない楽曲があり、楽曲によっては中〜高音域が一部明瞭さを失ってしまうこともあった。同モードでずっと音楽を聴いているとさすがに聞き疲れしてしまうため、通常時は 「ULT1」 モードを使用し、ライブ音源など臨場感を感じたい場面でのみ 「ULT2」 モードで楽しむのがベストだと感じた。

ノイズキャンセリングも優秀で鮮明なサウンドを楽しめる

「ULT WEAR」 はアクティブノイズキャンセリングに対応しており、外からのノイズを徹底的に排除し、自分だけの世界で音楽を楽しめる。

内部には低遅延処理を可能にする 「統合プロセッサーV1」 を搭載しており、ヘッドホンの外側と内側に配置した左右合計4つのマイクでノイズを収音し、高いノイズキャンセリング性能を実現しているという。

ノイズキャンセリングの性能は他のソニー製ヘッドホンと同じくらい優秀で、電車などの乗り物の走行音やエアコンの稼働音などはかなり綺麗に消せていたと思う。製品によってはノイズキャンセリング時に耳が詰まるような不快感を感じることがあるが、本製品ではそういった感覚もなく、かなり自然にノイズを消すことができていた。

そもそも低音が強めの 「ULT WEAR」 は、曲を流してしまえばほとんど外からのノイズは気にならないのだが、それでもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するあたりは、ソニーの音に対するこだわりが感じられる。

もちろん、周囲の音をあえて取り込む 「外音取り込み」 機能にも対応。ヘッドホンをつけていないときのように完全に自然に聞こえるわけではないが、他社製の一般的なノイズキャンセリングヘッドホンと同じくらいには外の音が聞こえていたと思う。

また、風切り音を低減する構造を採用しているおかげで、ノイズキャンセリング時も外音取り込み時も、風によるノイズはほとんど発生しない。試しに風が強いときに屋外で使ってみたのだが、風切り音が気になることはなく、終始快適に使い続けることができた。

まとめ:気分を盛り上げたいときもリラックスしたいときも 「ULT WEAR」 にお任せ

「ULT WEAR」 を2週間ほど使ってみて、自然なノイズキャンセリングや便利に操作できるタッチコントロールなど、ソニーのヘッドホンの性質をしっかりと引き継ぎつつも、低音の強さを手軽に変えられるユニークな 「ULTボタン」 や大迫力の重低音サウンドなどにより、個性的でとても面白いヘッドホンに仕上がっていると感じた。

ULTボタンによって 「ULT1」 「ULT2」 の低音強めのサウンドを楽しめるのは本製品の大きな特長ではあるのだが、筆者としてはULTボタンを押すことで通常モードに戻すことができる点も気に入っている。

「ULT1」 「ULT2」 は、気分を盛り上げたいときに使いたいモードではあるが、忙しい1日を終えてリラックスしたいときに重低音バリバリの音はちょっと重たすぎると感じることも。そんなときにはULTボタンを押して通常モードに戻せば、落ち着いた音で音楽を楽しめる。

気分を盛り上げたいときも、リラックスしたいときも、どんな状況でも同じヘッドホンを使い回せるのは 「ULT WEAR」 の良い点のひとつと言えるのではないだろうか。

「ULT WEAR」 はソニーストアなどで33,000円(税込)で販売中だ。