
ソフトバンクは、2025年8月20日から携帯・ブロードバンドサービスの事務手数料を大幅に改定する。対象となるのは、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの3ブランド。これまでWeb経由の申し込みでは無料だった各種手続きが有料化されるのが大きなポイントだ。
たとえば、Web上での新規契約や機種変更、SIM再発行などはこれまで無料だったが、今後は一律3,850円の手数料がかかるようになる。店頭手続きについても、現在の3,850円から4,950円に引き上げられる。ソフトバンクは、今回の改定について「物価高騰などに伴う費用上昇への対応」としている (価格はいずれも税込)。
Web手続きも有料化へ。改定内容の一覧
今回の値上げでは、以下のような手続きが対象となる。
▼ 店頭での手続き
手続き内容 | 改定前 | 改定後 |
---|---|---|
新規契約 | 3,850円 | 4,950円 |
機種変更 | 3,850円 | 4,950円 |
SIM再発行 (USIM/eSIM) | 3,850円 | 4,950円 |
譲渡 | 3,850円 | 4,950円 |
電話番号変更 | 3,850円 | 4,950円 |
ブランド間の乗り換え | 3,850円 | 4,950円 |
▼ Webでの手続き
手続き内容 | 改定前 | 改定後 |
---|---|---|
新規契約 | 無料 | 3,850円 |
機種変更 | 無料 | 3,850円 |
SIM再発行 (USIM/eSIM) | 無料 | 3,850円 ※当面無料 |
譲渡 | 無料 | 3,850円 |
電話番号変更 | 無料 | 3,850円 |
ブランド間の乗り換え | 無料 | 3,850円 |
なお、SIMの再発行について、Web手続きの場合は「当面無料」とされており、有料化されるタイミングはあらためて告知される予定となっている。
さらにプリペイド型の「シンプルスタイル」についても手数料改定が予定されているが、詳細は後日発表される。
PayPayカード利用者にはポイント還元あり
今回の値上げとあわせて、PayPayカードユーザー向けの還元施策もスタートする。各種手続きを行った上で、一定の条件を満たせば1,100円相当のPayPayポイントがもらえる。
ソフトバンクやワイモバイルユーザーは、「PayPayカード割」が適用されている必要があり、LINEMOユーザーは、対象月の翌月15日までに支払い方法をPayPayカードに設定・維持することで対象となる。
さらに、ワイモバイルやLINEMOからソフトバンクへ乗り換える場合は、追加のポイント還元も用意されている。たとえば「ペイトク無制限」「ペイトク50」など対象プランに加入していれば、店頭での手続きでは3,850円相当、Web手続きなら2,750円相当のPayPayポイントが進呈され、実質的に手数料がカバーされるかたちだ。
固定回線サービスも同時に値上げ
モバイルだけでなく、「SoftBank 光」や「SoftBank Air」などの固定通信サービスも同日から値上げされる。これまで3,300円だった手数料は4,950円に変更され、店頭・Web・電話すべてで同額が適用される。
手続き内容 | 改定前 | 改定後 |
---|---|---|
新規契約 | 3,300円 | 4,950円 |
サービス変更 | 3,300円 | 4,950円 |
機種変更 | 3,300円 | 4,950円 |
プラン変更 | 3,300円 | 4,950円 |
移転 | 3,300円 | 4,950円 |
なお、ブロードバンドサービスと「あんしん交換保証」を同時に店頭で申し込む場合、もしくはすでに同保証に加入している人が店頭で手続きする場合に限り、事務手数料から1,100円(税込)が割引される。特典の終了時期は未定。
その他の手数料も改定
このほか、ソフトバンクでは払込用紙による支払いにかかる「払込処理手数料」も、10月1日から220円→330円に値上げされる。対象はソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOだけでなく、SoftBank 光/Air、ソフトバンクでんき・ガスなどの関連サービス全般。
また、電話番号案内サービス「104」も、同日から1件あたり220円→440円に引き上げられる。
手数料有料化は業界全体に波及する?
ソフトバンクがWeb経由の手続きを無料化したのは2021年3月。それ以降、「オンライン手続きは無料」という流れが通信業界で定着しつつあった。
他社の状況を見ると、ドコモやahamoはオンライン手数料無料を維持している。
auやUQ mobileでは、新規契約については店頭・Webともに有料、eSIMの再発行はオンラインのみ無料。povo2.0は新規契約は無料 (1年以内に6回線以上の申し込みは3,850円) 、eSIMの再発行は当面無料となっている。
楽天モバイルは基本無料だが、物理SIMの再発行には3,300円がかかる。
今回のソフトバンクの方針転換が、今後他キャリアにも影響を与える可能性はありそうだ。
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