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現地時間2月28日、米Microsoftは同社が提供するコミュニケーションツール 「Skype」 を2025年5月5日にサービス提供終了すると発表した。今後は、「Microsoft Teams」 に注力する。
Skypeは、インターネット回線を利用した音声通話やビデオ通話を可能にするコミュニケーションツールとして2003年に誕生。当時は、インターネットの普及に伴い、従来の電話回線に代わる安価な通信手段に対するニーズが高まっており、その背景のなかSkypeの創業者であるニクラス・ゼンストローム氏とヤヌス・フリス氏がファイル共有ソフト「KaZaA」 の開発で培ったP2P技術を応用し、低コストで高品質な音声通話を実現したSkypeを生み出した。
2005年にはeBayに買収され、2011年にはマイクロソフトの傘下に入り、同社のコミュニケーション戦略の中核を担うように。
個人間のコミュニケーションツールとしてだけでなく、ビジネスシーンでも広く利用され、オンライン会議やテレワーク、海外の取引先との商談など、様々な用途で活用されたが、近年ではオンライン会議システム 「Zoom」 などの競合サービスが生まれていることから、MicrosoftとしてはMicrosoft TeamsとSkypeを一本化することで、ユーザーのニーズにより迅速に対応できる体制にすることを選択した。
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サービス終了に伴い、Skypeは新規ユーザー向けの有料機能の販売を終了する。サブスクリプションについては、次回の更新日が訪れるまで利用することが可能だという。また、すでに所有しているクレジットの残高は5月5日までSkypeで引きつづき利用可能で、それ以降はSkypeのWebポータルおよびTeams内で利用することが可能だ。
なお、Microsoftは、Skypeのアカウント情報を使ってMicrosoft Teamsにサインインできる機能を提供する。現在、Skypeを利用しているユーザーは、チャットや連絡先を無料でTeamsに移行できる。移行は本日から、TeamsとSkype Insiderプログラムの両方に参加するユーザーから開始していく。
もしSkypeのデータをTeamsに移行したくない場合は、チャットや連絡先、通話履歴といった情報をエクスポートすることができる。Skypeは2025年5月5日までは利用することができるため、Teamsに移行するのか、それともしないのかをじっくり決めていただきたい。移行しない場合はデータのエクスポートをお忘れなく。
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(画像:Microsoft)