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Shokz OpenFit 2+ レビュー|Dolby Audio対応で“耳を塞がない”体験はどこまで進化したか

耳を塞がないイヤホンといえばShokzを思い浮かべる人も多いだろう。そんな同社から、新たなオープンイヤー型イヤホン「OpenFit 2+」が登場する。国内発売日は2025年8月28日、価格は27,880円(税込)。

「OpenFit 2+」は、最新のDualBoost™技術による迫力ある音響とDolby Audio対応による立体的なサウンドを実現するだけでなく、快適な装着感や長時間バッテリー、Qiワイヤレス充電といった日常で便利に使える機能も備えている。

筆者は今年4月にドイツを訪れた際、オープンカフ型のイヤホンを試す機会があったが、その際に「耳を塞がない」というスタイルが想像以上に快適で、移動中や街歩きで大いに役立つことを実感した。その体験があったからこそ、今回Shokzの新モデルが登場すると聞いたとき、どんな進化を遂げているのかと非常に興味が湧いていた。

そんな折、「OpenFit 2+」の発売に先駆けて実機をいち早く試す機会を得た。奇しくもまたもやドイツ滞在中に試すことになったので、音質や機能性、そして海外生活における使い勝手も含めて、レビューとして紹介していきたい。

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再設計されたイヤーフックや新素材の採用でより快適な付け心地に

OpenFit 2+は、Shokzが長年手がけてきたオープンイヤー型の最新モデルで、今年1月に登場した「OpenFit 2」のマイナーチェンジモデル。新たにDolby Audioとワイヤレス充電に対応したことに加えて、新素材の採用や形状の最適化によって付け心地が改善されている。

イヤーフック式のデザインは、従来モデルを踏襲しながらも形状を最適化したことで、より幅広い耳の形にフィットするよう再設計されている。重量は片側9.4gで、充電ケースを含めても74.8gと軽量。ケースもコンパクトで持ち運びやすい。

カラーはブラックとグレーの2色展開。どちらも落ち着いたカラーで、スポーツシーンだけでなくビジネスや日常にも馴染むデザインになっている。ちなみに、今回の試用機はグレーモデルだ。

Shokzのイヤホンは長時間装着し続けられるように装着感にこだわったものが多い。耳とイヤホンが接触する部分にはマシュマロのような柔らかさの独自素材「Ultra-Soft Silicone™ 2.0」が使われており、耳元への圧力を最小限に抑えている。

また、イヤーフックにはニッケルチタン記憶合金が採用されており、軽い弾力を持ちながら耳元にイヤホンをしっかりと固定してくれる。

実際に装着してみると、異物感がほとんどなく、かなり自然に耳にフィットする。筆者はイヤーフック型のイヤホンを長時間つけっぱなしにすると、耳の裏側が徐々に痛くなってくることが多いのだが、本製品は数時間つけっぱなしでも、ほとんど痛みを感じることなく快適に使い続けることができた。

また、イヤーフックも締め付けが強すぎない割には意外としっかりと耳元に固定されていて、歩いたり走ったりしても安定感がある。オープンイヤー型ならではの「軽さ」と「安心感」を両立させた仕上がりになっていると感じた。

イヤホンの左右には物理ボタンが搭載されており、ボタンを押したり、長押しすることで視聴中の音楽を操作できる。タッチ式にありがちな誤操作がなく、必要な操作だけを正確に行えるのは個人的に安心感があり、気に入っている部分だ。

デフォルト設定だと、1回押しで音楽の再生・停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻しができる。右イヤホンのボタンを長押しすることで音量アップ、左イヤホンのボタンを長押しすることで音量ダウンの操作も可能だ。

物理ボタンの操作に関しては、Shokzアプリからカスタマイズが可能。別のイヤホンなどで使い慣れている操作方法があれば、自分好みに切り替えて使うことができる。

アプリではEQのプリセットやカスタム調整も可能で、シーンに応じたサウンドチューニングが楽しめる。さらにマルチポイント接続やイヤホン探索機能も備え、普段使いでの利便性を高めている。

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Dolby Audio対応で高品質なリスニング体験を提供

音質に関しては、従来のオープンイヤー型のイメージを大きく覆す仕上がりだ。最新のDualBoost™技術によって、大口径ユニットと高音域用ユニットが組み合わされ、低音から高音までバランスの良いサウンドを実現している。

Dolby Audio対応も効いており、音場の広がりが感じられる。低音は以前より力強さを増し、高音域も鮮明。屋内の静かな環境から屋外の雑踏まで、ボリュームを上げすぎなくても十分な臨場感が得られた。

音漏れは普段はほとんど気にならないくらいだったが、図書館のような静かな環境で音量を上げると、どうしても「何か音楽を聴いている」程度に音は漏れてしまう。本製品は低い音量でも十分に音楽を楽しめることから、静かな場所では少し音量を下げ気味で利用するなど心がけることで、周囲に配慮しつつ使うことができるはずだ。

また、オープンイヤー型イヤホンは耳を塞がないことから、周囲への警戒を怠ることなく散歩やランニングができる点が強みであると紹介されることが多いが、筆者はさらに「音楽と外の音を自然にミックスできる」ことにもメリットを感じている。

実際に試したシーンで印象的だったのは、噴水の近くのベンチでクラシック音楽を聴きながらPC作業をしていたとき。

フランクフルト中心部の公園で使ったのだが、耳を塞がないスタイルのおかげで、周囲のにぎわいや水の音を自然に感じながら音楽を楽しむことができた。

カフェのテラス席や駅前広場のように人の往来が多い場所でも、環境音を完全に遮断しないので、不安感がなくむしろ安心感がある。旅行中は土地勘のない場所を歩くことも多いが、車や自転車の気配を自然に把握できるのは大きなメリットだと実感した。

さらに街歩きのシーンでも、その強みを実感した。旧市街のレーマー広場やマイン川沿いを歩きながら音楽を流してみたが、観光客の会話やトラムのベル、川辺の風の音などが自然に入り込み、まるでサウンドトラック付きの散策をしているような感覚になった。とくに初めて訪れる街では、周囲の状況を把握できることが安心につながり、旅行中の散策がより快適になったと感じた。

これはOpenFit 2+の耳を塞がない設計と、高品質なサウンドの組み合わせだからこそ得られたプレミアムな体験だったと感じている。

バッテリー・防水・通話品質など

保護カバーをつけた様子

OpenFit 2+は、バッテリー持ちの良さも魅力だ。イヤホン単体で最大11時間、ケース込みで48時間と、数日にわたり充電を気にせず使える。わずか10分の急速充電で2時間再生できるのも心強い。Qiワイヤレス充電に対応しているため、「置くだけ充電」ができて快適だ。

充電端子はケース裏側

防水性能はIP55で、ランニングやジムなど汗をかくシーンや、突然の雨でも安心して使える。完全防水ではないが、日常利用には十分対応できるレベルと言えるだろう。

通話性能も優秀で、4つのマイクとAIノイズキャンセリングが環境音を効果的に抑制する。実際に賑やかな駅前で友人に通話してみたところ、声はハッキリと聞き取ることができたとのこと。これならオンライン会議や通話用途でも安心感があるだろう。

まとめ:装着感と音質の向上で「耳を塞がないイヤホン」がさらに一段階進化

OpenFit 2+は、前モデルから引き継いだデザインがさらに使いやすく改善され、より快適に使えるようになったことに加えて、Dolby Audioに対応したことで、オープンイヤー型イヤホンにありがちな「音質面での妥協」を大きく改善したモデルだ。

周囲の音を取り込みながらも高品質なサウンドを楽しめる本製品は、周囲の安全性の確保はもちろんながら、クラシック音楽と噴水の音のように、「そのとき聴きたい音楽」と「日常の音」を自然に融合でき、ただイヤホンやヘッドホンで音楽を聴いているのとは一味違った体験を楽しめる。OpenFit 2+なら音質も優れているため、日々のウォーキングやランニングのお供にオススメだ。

OpenFit 2+の価格は27,880円(税込)。「周囲」に寄り添うオーディオ体験を求めている人にとって、OpenFit 2+は最有力の選択肢になるだろう。

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