シャープは5月17日、テレビ製品ブランド 「AQUOS」 から新製品を発売すると発表した。
投入するのは合計4製品17機種。4K液晶テレビから5機種、4KミニLEDテレビから5機種。そして4K有機ELテレビから7機種を新たに展開する。発表に先立ち報道関係者向けの内覧会が実施され、新製品をチェックしてくることができた。
シャープは今回の内覧会でテレビの市場動向に関する説明を行った。テレビ全体のラインナップのなかでも有機ELテレビやミニLEDテレビの金額構成比 (売上の割合) が増えているという。22年度では合計35%だった (有機ELテレビ31%、ミニLEDテレビ4%) ところ、23年度は合計36% (有機ELテレビ29%、ミニLEDテレビ7%) と増加傾向にある。
一方で、テレビの利用時間は2019年と同等水準まで減少しており、代わりにネット動画サービスの利用時間が増加傾向にあるという。さらにZ世代を中心にタイパ意識が広がっていることから、ユーザーは 「効率重視派」 と 「じっくり視聴派」 に二極化しているという。
こうした市場動向を踏まえて、シャープの2024年モデルは全モデルで画質の向上と、ネット動画視聴のための機能向上に力を入れた。
具体的には、画質・音質をAIが自動調整する次世代AIプロセッサーの搭載。さらには 「Google TV」 を搭載したことに加えて、混雑が少なく快適な通信を実現する最新のWi-Fi規格 「Wi-Fi 6E」 に対応した。
さらに、38〜60V型のファミリーサイズ製品群に、新たに43型V型と50V型の製品を投入。これでシャープは、合計54機種をテレビ製品としてラインアップすることになる。
4K有機ELテレビ
フラッグシップモデルにあたる4K有機ELテレビ 「AQUOS QD-OLED (GS1ライン)」 「AQUOS OLED (GQ1/GQ2ライン)」 は、計7機種が発売する。
「GS1ライン」 には、最新世代の 「量子ドット有機ELパネル」 を採用。有機ELの青色光を量子ドット層によって純度の高い3原色に変換することで、明暗豊かで鮮やかな色を再現する。
また、発行の妨げとなる熱上昇を抑えるための放熱構造には、炭素性シートとアルミ製プレートによる2層構造の 「クールダウンシールドII」 を採用したほか、発光量を画素単位で緻密に制御するパネル駆動回路 「クライマックスドライブ2.0」 の搭載により、画面の明るさが従来モデルに比べて15%向上したとのことだ。
「GQ1ライン」 には、輝度性能に優れた有機EL素子と、発熱を効率的に抑える放熱構造を組み合わせた高輝度の 「S-Brightパネル」 を採用。太陽光が差し込む明るい部屋でも明暗豊かな映像が楽しめる。
画像処理エンジンには、次世代AIプロセッサーを採用した 「Medalist S5X (GS1ライン)」 「Medalist S5 (GQ1/GQ2ライン)」 を採用。コンテンツに応じて画質と音質を自動調整する 「AIオート」 や、AI画像解析によってクリアで見やすい精細感を実現する 「AI超解像」 、グラデーション乱れなどの階調を補正してすっきりした映像に調整する 「アニメ・ネットクリア」 機能などを搭載している。AIが最適な画質と音質に自動で調整してくれるため、ユーザー側で細かく設定をする必要がないのが魅力だ。
スピーカーに関しては、「GS1/GQ1/GQ2ライン」 の全モデルで画面上下のスピーカーの音を前方に放出する 「ARSS+ (AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS) 」 を採用。
さらに最上位の 「GS1ライン」 には、クリアでパワフルな音を再現する 「パワーボイススピーカー」 を搭載したことで音声出力100Wを実現したほか、ハイトスピーカーを保護する金属製パンチングネットの開口率を上げたことで、よりクリアで広がりのある音を体感できる。
そのほか、2つの番組を左右同時に表示する 「ズーム2画面 (放送+放送、放送+HDMI)」 機能を新搭載。左右の画面の大きさは、リモコンの方向キーの左右で直感的に変更できるため、重要なシーンで左右どちらかの画面を即座に拡大するということも可能だ。
また、「GS1/GQ1ライン」 には、4K/144Hz VRR入力に対応したHDMIポートが搭載。レースゲームなど、動きの速いゲーム映像をなめらかに表示する。「GQ2ライン」 は4K/120Hz VRR入力に対応する。
4KミニLEDテレビ
4KミニLEDテレビ 「AQUOS XLED (GP1/GP2ライン) 」 は、計5機種が発売する。
サイズは従来の75V/65V/55V型に加えて、中型の50V/43V型も新たにラインナップ。設置場所に応じたサイズを選択できる。
上位の 「GP1ライン」 には、量子ドット技術を採用した新開発の 「N-Black Wideパネル」 を搭載。視聴位置による色の変化が軽減され、斜めから見ても綺麗な発色を実現する。
内覧会では、従来モデルと新型モデルの見え方の違いを確認できるブースが用意されており、実際の見え方を確認することができた。正面から見たときの映像はどちらも同じくらい綺麗だったが、斜めから見たときに従来モデルは色が変わってしまっていたのに対し、今回の新型モデルはほとんど色の変化がなかったことから、どんな角度から見ても綺麗な発色で映像を楽しむことができるようになったと言えるだろう。
また、パネル表面の低反射コートに空気を封じ込めたナノカプセル配合素材を採用し、パネル表面と空気の屈折率の差を最小化することで映り込みを抑えるほか、ミニLEDバックライトの明暗を映像に合わせて細かく制御することで、輝度が従来に比べて約15%向上している。
画像処理エンジンには、次世代AIプロセッサーを採用した 「Medalist S5X」 を搭載。コンテンツに応じて画質と音質を自動調整する 「AIオート」 や、AI画像解析によってクリアで見やすい精細感を実現する 「AI超解像」 、グラデーション乱れなどの階調を補正してすっきりした映像に調整する 「アニメ・ネットクリア」 機能などにより、画質と音質を自動で最適な状態に調整してくれる。
スピーカーは、上位の 「GP1ライン」 においては、画面上下のスピーカーの音を前方に放出する 「ARSS+ (AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS) 」 を採用したほか、クリアでパワフルな音を再現する 「パワーボイススピーカー」 の搭載により音声出力100Wを実現。さらにハイトスピーカーを保護する金属製パンチングネットの開口率を上げたことで、よりクリアで広がりのある音を体感できる。
「GP2ライン」 のスピーカー構成は、2つのツイーターとミッドレンジ、1つのサブウーファーで、最大出力は50W。
そのほかの特長としては、全モデルで2つの番組を左右同時に表示する 「ズーム2画面 (放送+放送、放送+HDMI)」 機能に対応。上位の 「GP1ライン」 は、4K/144Hz VRR入力に対応したHDMIポートを搭載する。
4K液晶テレビ
4K液晶テレビ 「AQUOS (GN1/GN2ライン) 」 は、計5機種が発売する。
上位の 「GN1ライン」 には、高コントラストを実現する直下型LED分割駆動 「アクティブLED駆動」 が採用。直下型LEDバックライトの光量をエリアごとに細かく制御してコントラスト性能を高めることで、明暗豊かな映像が楽しめる。
パネルは 「GN1ライン」 の最上位モデルにあたる75V型のみ 「N-Black Wideパネル」 を採用し、斜めから見ても綺麗な発色を実現する。そのほかのモデルは、従来モデルと同様に 「N-Blackパネル」 を採用した。
画像処理エンジンには、次世代AIプロセッサーを採用した 「Medalist S5」 を搭載。コンテンツに応じて画質と音質を自動調整する 「AIオート」 や、AI画像解析によってクリアで見やすい精細感を実現する 「AI超解像」 、グラデーション乱れなどの階調を補正してすっきりした映像に調整する 「アニメ・ネットクリア」 機能などにより、画質と音質を自動で最適な状態に調整してくれる。
スピーカーは、独自設計のスピーカーネットのないリフレクター構造により、音を効率的に画面前方に導く 「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」 を採用。それぞれ 「GN1ライン」 は7スピーカー65W、「GN2ライン」 は4スピーカー35Wだ。
また、「GN1ライン」 においては、ツイーターを前向きに配置し、本体背面にサブウーファーを搭載することで、低域から高域まで臨場感豊かな高音質を実現する。
そのほかの特長としては、全モデルで2つの番組を左右同時に表示する 「ズーム2画面 (放送+放送、放送+HDMI)」 機能に対応。「GP1ライン」 の75V型においては、4K/144Hz VRR入力に対応したHDMIポートを搭載する。
今回発表された新製品は、2024年6月15日から順次発売となる。全ラインナップと市場想定価格は以下 (価格はいずれも税込) 。
品名 | ライン | 画面サイズ | 機種名 | 市場想定価格 | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|
QD-OLED | GS1ライン | 65V | 4T-C65GS1 | 605,000円 | 2024年6月15日 |
55V | 4T-C55GS1 | 440,000円 | |||
OLED | GQ1ライン | 77V | 4T-C77GQ1 | 803,000円 | 2024年6月22日 |
65V | 4T-C65GQ1 | 473,000円 | |||
55V | 4T-C55GQ1 | 363,000円 | |||
GQ2ライン | 48V | 4T-C48GQ2 | 286,000円 | ||
42V | 4T-C42GQ2 | 275,000円 |
品名 | ライン | 画面サイズ | 機種名 | 市場想定価格 | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|
XLED | GP1ライン | 75V | 4T-C75GP1 | 715,000円 | 2024年6月15日 |
65V | 4T-C65GP1 | 473,000円 | |||
55V | 4T-C55GP1 | 363,000円 | |||
GP2ライン | 50V | 4T-C50GP2 | 253,000円 | ||
43V | 4T-C43GP2 | 242,000円 | |||
液晶 | GN1ライン | 75V | 4T-C75GN1 | 396,000円 | 2024年7月6日 |
65V | 4T-C65GN1 | 286,000円 | |||
55V | 4T-C55GN1 | 242,000円 | |||
GN2ライン | 55V | 4T-C55GN2 | 209,000円 | 2024年7月20日 | |
50V | 4T-C50GN2 | 187,000円 |