自分の手で拾って片付けるロボット掃除機 「Roborock Saros Z70」 を見てきた。日本展開にも期待

ロボット掃除機に掃除をしてもらうために、まず床を片付ける──。そんな手間をかけていた時代は 「Saros Z70」 の登場によって終わりを迎えることになるかもしれない。

Roborockが今年1月に 「CES 2025」 で発表した「Saros Z70」は、ロボットアームを搭載した全く新しいアプローチのロボット掃除機だ。現在のところ日本国内での発売は未定だが、実機を間近で確認できたので、その掃除ぶりをご紹介したい。

まず、Saros Z70とはどんなロボット掃除機なのか改めて特徴をご紹介しよう。本製品はシルエットこそ一般的なロボット掃除機と同じだが、他の製品と異なるポイントが5軸の折りたたみ式ロボットアーム「OmniGrip」を本体に内蔵している点にある。

通常は本体内に格納されているが、障害物を検知するとまるでスパイダーマンの宿敵・ドクター・オクトパスのようなアームが自動で伸び、靴下やティッシュなど床に落ちた小物をつまんで片付ける。

同機能によって、ロボット掃除機に掃除をさせるまえに床を片付けるといった本末転倒な行為をなくすことができるほか、「お父さん、靴下は洗濯機に入れておいてよ」 という、日常生活における不満の発生を防ぐことが可能だ。

Roborock Japanは5月27日にメディア・インフルエンサー向けの新製品発表会を実施し、同製品をデモ展示していた。デモでは、床に置いた靴下をアームでピックアップし、1メートル先の収納ボックスの上まで運び、正確にリリースする様子が披露された。たまに回収ミスをすることもあったが、概ねうまくキャッチできていたようだった。

拾うものの検知には、ロボット本体に内蔵されたLDS(レーザー距離センサー)やカメラを使用する。これにRoborockのAI技術を組みあわせて、目の前にあるものが障害物なのか、それともアームで掴んで移動させるべきものかどうかを識別する。

アームは300gまでの対象物を持ち上げ可能。重量センサーを内蔵しているため、持てるかどうかロボット側が判断できる。そして、拾ったものに対してもどのように片付けるかある程度決められるとのことで、たとえば「スリッパは玄関へ、使用済みティッシュはゴミ箱へ」のように分けることが可能だ。

ちなみに、アームのON/OFFの切り替えも可能。不要なときには通常のロボット掃除機として稼働させられる。

アームに目が行きがちだが、Saros Z70は「掃除性能」自体も高いレベルでまとめられている。従来のRoborockのロボット掃除機と同様、吸引と水拭き機能を備えており、水拭き後のモップケアも充実している。ドックステーションで80℃の温水で洗浄し、その後55℃の温風で乾燥まで行うため、モップを常に清潔な状態を保つことが可能だ。

ナビゲーション性能も向上している。108種類の障害物を認識することができるため、家電の電源コードや壁際の複雑な形状にも対応しながら掃除することが可能。また、ソファなど家具の下に潜り込めるよう、本体の厚みをわずか7.98cmに抑えられているほか、6月6日に日本国内で発売される「Saros 10」と同様に、前輪が自動で持ち上がり、最大4cmの段差を越える走破性も備える。

「Saros Z70」は、米国や韓国など一部地域で販売が開始されているが、日本での展開は現状未定とのことだ。ただ、日本市場での要望が大きくなれば今後展開も予想されるため、そうした声が出てくることに期待したいところ。

Roborock取材家電
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