
Metaは、Ray-Banと共同開発したスマートグラス 「Ray-Ban Meta」 に対し、ハードウェアとソフトウェアの両面で大幅なアップデートを実施した。
Ray-Ban Meta、ハードウェア・ソフトウェアの両面で大幅アップデートを実施

まずハードウェアについては、ユーザーの好みに応える新しいレンズとフレームの組み合わせが登場する。
Ray-Ban Meta Skylerフレームに新たなカラーバリエーションが追加されることに。シャイニーチョーキーグレーのフレームには、屋内外対応のサファイアトランジションレンズが組み合わされ、シャイニーブラックにはクリアレンズまたはG15グリーンレンズの選択肢が用意されるように。
そして、ソフトウェア面では、リアルタイム翻訳やInstagramとの連携、音楽アプリのサポート拡大に加え、視覚情報を利用した高度なAIアシスタント機能 「Live AI」 の導入が進められている。
中でも注目すべきは、リアルタイム翻訳機能のグローバル展開。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語に対応し、あらかじめ言語パックをダウンロードしておくことで、Wi-Fiやモバイル通信がない環境でも使用可能となる。
たとえば、海外旅行中に現地の人と会話する際、メガネを通じてリアルタイムで翻訳音声を聞くことができるほか、スマートフォンのMeta Viewアプリに翻訳されたテキストが同時に表示される。旅行者や多言語環境での生活者にとって極めて有用なツールとなるだろう。
さらに、音声アシスタント 「Meta AI」 の欧州展開が本格化している。これまでは、米国やカナダで提供地域が限定されていたが、現在はドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど、欧州7カ国でも利用可能になっている。

また、「Live AI」 と呼ばれる新機能の一般提供も米国とカナダで間もなく開始される予定。これは、ユーザーの視界を常時解析しながら、より文脈に沿った自然な会話を実現するというもの。
たとえば、料理中に 「バターの代用になるものは?」 と尋ねれば、冷蔵庫の中身をもとに提案してくれる。ユーザーの 「見ているもの」 と 「話す内容」 をうまくAIが理解できるようになれば、AIとのやり取りは一段と直感的になると期待される。
また、Instagramとの連携強化も図られており、今後はRay-Ban Metaグラスを通じて、Instagramでのダイレクトメッセージ送受信、写真の送信、音声・ビデオ通話が可能になる予定だ。従来から対応していたWhatsAppやMessenger、iOS/Androidのネイティブメッセージ機能に加え、さらに広範なコミュニケーションがサポートされることになる。
音楽関連では、Spotify、Amazon Music、Apple Music、Shazamといった主要音楽アプリへのアクセスが、米国・カナダ以外の地域にも拡大する。ただし、Meta AIに対して 「この曲の名前は?」 「このアルバムはいつリリースされたの?」 といった質問が可能となるのは、デフォルト言語が英語に設定されたユーザーに限定されている。
上記アップデートにあわせて、Metaは、Ray-Ban Metaスマートグラスの展開地域を拡大する方針を明らかにしている。具体的な日程は発表されていないものの、今後メキシコ、インド、アラブ首長国連邦 (UAE) での発売を予定しているとのことだ。
言語の壁を越え、視覚情報と連携し、日常の音楽や会話をより自由に楽しめるようになったこのプロダクトは、次世代ウェアラブルのひとつの完成形とも言えるだろう。日本での展開にも期待したい。

Ray-Ban Metaは、アイウェアブランドの老舗Ray-Banと、Meta (旧Facebook) が共同開発したスマートグラス。この製品は、日常のスタイルを崩すことなく、先進的なテクノロジーを自然に生活へ取り入れることを目指して設計されている。
Ray-Banの象徴的なスタイルであるWayfarer、Headliner、Skylerといったフレームを採用しており、スマートグラスでありながらファッションアイテムとしての魅力も兼ね備えている。
特に注目すべきは、内蔵された高性能なカメラとオーディオシステムだ。超広角12メガピクセルのカメラを搭載し、ハンズフリーで高画質な写真や動画を撮影できるため、特別な瞬間を逃さず、自分の視点に近い臨場感のある記録が可能になる。また、目立ちにくいオープンイヤー型スピーカーを採用しており、周囲の音を聞き取りながら音楽や通話を楽しむことができる。さらに、5つのマイクを内蔵することで、騒がしい環境でもクリアな音声通話が可能となっている。
ソーシャルメディアとの連携機能もRay-Ban Metaの大きな特徴のひとつである。FacebookやInstagramを通じてライブ配信が可能。音声アシスタント「Meta AI」を活用することで、情報検索や各種タスクの実行もハンズフリーで行えるようになっており、日常生活の “スマート化” を強力にサポートする。
専用アプリ 「Meta View」 は、撮影した写真や動画の管理、編集、共有を直感的に操作できるだけでなく、グラス本体の設定も簡単に行えるよう設計されている。
価格は、モデルやレンズの種類によって異なるが、299ドル (USD) から購入可能だ。
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(画像:Meta)