USB充電器に求めるものは何だろうか。出力の大きさか、それともコストパフォーマンスか。もしくは本体の大きさや重量か。デザインも大事かもしれない。
用途によって何を重視するかはケースバイケースだが、筆者が思うに最も重要なのは2点。
1点目は持っているデバイスたちにジャストフィットするかどうか。もしあなたがiPhone 12とApple Watchを持っているなら、このふたつを最速で同時充電できる充電器が良い。Apple Watchでなく13インチMacBook Proなら20W+60W出力に対応した充電器がベストだ。
2点目は持ち運びをするかどうか。筆者はコロナ禍でなければ、外に持ち運ぶ機会が多いので、充電器はコンパクトかつ軽量であればあるほど嬉しい。
今回紹介する充電器は、まさにこの両方の条件を満たす充電器だ。RAVPowerが2月19日に発売したばかりのUSBマルチポート充電器 「RAVPower RP-PC144」 をレビューしたい。
提供:RAVPower (サンバレー・ジャパン)
RP-PC144のデザイン・サイズ
今回紹介する 「RP-PC144」 は、合計30W出力に対応したUSBマルチポート充電器だ。
同時に2台のデバイスを充電できるにもかかわらず、本体サイズは49×49×29mmで手で握ってもまだ余裕があるくらいのコンパクトさが魅力。重さもわずか80グラムと軽量で、普段の外出はもちろん出張や旅行などでも役に立ってくれるはずだ。
充電器本体の形状は真四角に近い。表面にはツルツルというよりサラサラとした手触りの素材が使われていて、カバンの中などで他のものとぶつかっても傷がつきにくい、あるいは傷が目立ちにくくなっている。プラグは収納式のため、カバンの中に雑多に入れたとしても意図せず傷つけてしまうことを防いでくれる。
本製品にはType-CポートとType-Aポートがそれぞれひとつずつ搭載されていて、これらを利用することで最大2台のデバイスを同時に充電することが可能だ。
各ポートの仕様についてはのちほど詳しく紹介するが、Type-Cは最大30W、Type-Aは18W、2つ同時に使うと合計30W出力が可能だ。ちなみにポートの上には通電確認用のLEDインジケーターが搭載されていて、きちんと通電しているかどうかを確認できる。暗い場所で充電ポートの場所を探すのにも、一役買ってくれるだろう。
Type-C/Type-Aポートの仕様
さて、ここからは本製品に搭載されているType-CポートとType-Aポートの仕様について。
Type-CはPower Delivery 3.0に対応していて、最大出力は30W。Type-AはQualcommのQuick Charge 3.0に対応していて、最大出力は18Wとなっている。
Type-Cは主に出力の大きなデバイスを充電するためのもの。MacBook AirやiPad Pro、iPad Airの充電に最適なほか、iPhone 12シリーズの20W高速充電にも対応している。
2つのポートを使って2つのデバイスを同時に充電する場合には、Type-Cは最大20W、Type-Aが最大10Wに制限される。この状態だとMacBookやiPad Pro、iPad Airを充電するにはすこし力不足にはなる。
ただし、普段はこれらのデバイスを単体で充電し、たまに2台のデバイスを充電する、という使い方であればおそらく本製品の仕様でも満足できるはずだ。
個人的にオススメしたいのは、スマートフォンと低出力で充電できる何かしらのガジェットを同時に充電したい方。特にiPhone 12シリーズを所有している方にオススメ。
「RP-PC144」 は2台同時充電時でもiPhone 12の20W急速充電が利用できるため、たとえばiPhone 12とApple Watch、iPhone 12とAirPodsを同時に充電する際には便利に使えるだろう。
USB Type-C | 5V/3A,9V/2A,9V/2.22A,9V/2.77A,15V/2A | 最大30W |
---|---|---|
USB Type-A | 5V/3A,9V/2A,12V/1.5A | 最大18W |
Type-C+Type-A | – | 20W+10W (合計30W) |
実際に充電してみた
実際に筆者の持っているデバイスを充電してみた。まずはType-Cポートを使ってMacBook Airを充電してみたところ、約25Wの出力ができていることが確認できた。
M1チップを搭載した新型MacBook Airは、先代モデルに比べて大幅にバッテリー持ちが良くなった。とはいえ、朝早くから夜遅くまで外出するときには、やはり充電器を持ち歩きたい。「RP-PC144」 ならコンパクトで持ち運びの負担にならないため、MacBook Airのお供にピッタリなはず。
ちなみに喫茶店でバッテリーを充電するとき、Apple純正の充電器ではサイズが大きすぎてコンセントに挿せないことがたまにあるが、本製品のコンパクトさなら狭いコンセントも問題なしだ。
Type-Cポートでは、iPad Air(第4世代)も約28Wで充電可能。ほぼバッテリーがない状態から充電して、約30分で40%まで充電できた。この充電スピードなら、寝る前に充電を忘れたとしても、朝起きてからすぐに充電すれば、ある程度までバッテリーを回復させてから出発できそうだ。
ちなみにiPad Air(第4世代)とiPhone 12を同時に充電することもできたが、その際のiPad Air(第4世代)への出力は10W前後になっていたことから、高速で充電したい場合は2台同時ではなく単体で充電した方が良さそうだ。
そして、ある意味大本命となるiPhone 12 ProをType-Cで充電してみたところ、おおよそ18W出力で充電でき、わずか30分で53%までバッテリーを充電できた。
先ほどもお伝えしたとおり、本充電器はiPhone 12シリーズの20W急速充電に対応している。しかも、この20W急速充電はもう片方のType-Aで他デバイスを同時に充電していても利用できるのが魅力。
実際に、iPhone 12 ProとApple Watchを一緒に充電しても、単体で充電したときとほぼ同じくらいの時間で充電を完了できた (このときは約18Wの出力だった) 。iPhone 12シリーズをお持ちの方にオススメしたい理由はこの点にある。
まとめ
「RP-PC144」 は、仕様の異なるポートが2種類搭載されているため、さまざまなデバイスを、しかも同時に充電できる便利なUSB急速充電器だ。
最近のガジェットはType-Cポートが搭載されることが多くなった。しかしながら、依然としてType-Aポートは現役だ。筆者もApple Watchやお気に入りのBluetoothスピーカー、ポケットWi-FiなどはType-Aポートを利用して充電する。
Type-Cだけの充電器は、完全移行を済ませてしまったユーザーには便利かもしれないが、一般的なユーザーにはむしろ 「RP-PC144」 のようなType-CとType-Aの組み合わせはまだまだ最適解と言えるのかもしれない。
そういう意味では、本製品は新旧デバイスの両方に対応できる汎用性をもち、かつコンパクトで持ち運びに優れたグッドなUSB急速充電器と言えるだろう。
充電器が同梱されなくなったiPhone 12のメイン充電器としても最適。ぜひとも普段の持ち運び用充電器として、もしくは旅行・出張用の充電器として使ってみてはどうだろうか。