RAVPowerのコンパクト充電器シリーズに、ついに最大90Wの高出力に対応したモデル 「RP-PC128」 が登場した。
最大出力90Wということは、(旧製品となった)15インチMacBook Proのフルスピード充電が可能。さらに、フルスピードとはいかなくとも16インチMacBook Proも十分な速度で充電できる。しかも、GaN(次世代半導体)を採用したことでよりコンパクトな設計に。Apple純正の87W電源アダプタを完全代替するのに最適な仕様となっている。
今回、国内でRAVPowerブランドを展開するSUNVALLEY JAPANから 「RP-PC128」 のサンプルをいただき、本製品のデザインや使用感を確かめることができたので、当レビュー記事で詳しく紹介したいと思う。
15インチMacBook Proなど、高出力な充電器を必要とするデバイスを使っていて、充電器をコンパクト化したいと考えている方は以下で本製品の詳細を確認していただきたい。
GaN採用で90W充電器としては最小クラス
こちらが今回紹介する 「RP-PC128」 。2019年8月に発売した61W充電器 「RP-PC112」 をひと回りくらい大きくしたような形状。プラグも折り畳み式のため、持ち運びしやすいデザインとなっている。
単ポートで90W出力が可能。2ポート使用時は各45W出力に
電源プラグと反対側の側面には2つのUSB Type-Cポートが並ぶ。どちらも急速充電規格 「USB PD (Power Delivery) 」 に対応していて、1ポートで最大90Wの出力を実現している。もちろん2台のデバイスの同時充電も可能。この充電ポートの挙動についてはのちほど詳しく述べたいと思う。
左:RP-PC128 / 右:Apple純正の電源アダプタ(61W)
本体サイズは約65 × 65 × 32mmで、重量は約185g。13インチMacBook Proの純正電源アダプタ(61W)より一回り小さいくらいの大きさだ。本製品を導入することで13インチMacBook Pro用の電源アダプタで15/16インチMacBook Proが高速充電できるものと考えていただきたい。参考までに15インチMacBook Proの電源アダプタ(87W)と比べると大きさは約半分ほど、重さも37%ほど軽くなっている。
RAVPowerのGaN採用充電器シリーズ
「RP-PC128」 がこれほどまでにコンパクトなのは、人工衛星などにも使用されているお馴染み次世代半導体素材 「GaN」 による恩恵だ。同素材は従来のシリコン半導体に比べて充電効率が良く、高出力でも発熱を抑えられるため、充電器を高出力かつコンパクトにすることができる。
また、同製品は出力やサイズだけでなく、使いやすさにも注目していただきたい。国内だけでなく海外でも使用できるよう、世界各国の電圧100-240Vに対応しているため、海外出張・旅行時にも使用可能(ただし電源プラグの形状は変換の必要ありの場合も)。さらに1.5mのUSB-Cケーブルが1本同梱されているため、充電ケーブルを別途購入しなくても利用できるなど、至れり尽くせりだ。
ちなみにこの充電ケーブルはApple純正ケーブルに比べて耐久性に優れている。ケーブルの付け根の形状は “なで肩” タイプでやや背が高くなっている。
ほぼすべてのデバイスを充電できるオールラウンダー。2台同時充電も可
ここからは本製品の充電ポートについて詳しく紹介していきたい。前述のとおり本製品に搭載されている充電ポートは全部でふたつ。どちらもUSB Type-Cで最大90Wの出力が可能だ。
この最大90Wの出力ができるのはひとつのポートのみを使用した時だけで、ふたつのポートを同時に使用して充電する時はそれぞれ45Wずつに最大出力が下げられる(合計出力は90W)仕様になっている。
この条件を考慮すると、本デバイスの最もスマートな使い方は45W以下でフルスピード充電できるデバイスを2台同時に充電するとき。たとえば、最大30Wで充電できるiPad ProとMacBook Airをお持ちの方などが当てはまるだろう。
もしくは最大61W出力に対応するMacBook Pro(13-inch)や最大87W/96W出力に対応するMacBook Pro(15.4/16inch)をお持ちの方が、純正の充電器から置き換える場合だろうか。
改めて言わなくともわかるとは思うが、前者の場合は 「RP-PC128」 を購入することで常に2台のデバイスをフルスピード充電できる。
そして後者の場合は、重くて巨大な純正充電器からの解放を意味する。普段はMacBook Proのフルスピード充電用器として使用し、他デバイスのバッテリーが足りなくなったら、「RP-PC128」 の供給を分けてあげるといった感じだ。16インチMacBook Proユーザーが2台のデバイスを同時に充電しようとするとややパワー不足を感じることもあるかもしれないが、45Wでも充電できることは確認できているため、少なくともバッテリー切れは防ぐことができるだろう。
実際に本製品を使って各デバイスを充電してみたときの数値は以下のとおり。
iPad Proを約30Wで充電できている
上記写真は、iPad ProとMacBook Airを同時に充電した時の数字。MacBookおよびiPad Proの両方とも最大出力の30Wで充電できていることが確認できた。
MacBook Proを約43Wで充電している時の様子
上記写真はMacBook AirとMacBook Proを同時に充電している時の写真。MacBook Airは30Wで充電できたが、MacBook Proは本製品の(2台同時充電時の)仕様どおり、最大出力の45Wでの充電となった。
フルスピードで充電するにはやはり単体で接続する必要があるが、45WもあればMacBook Proであっても使用しながら充電することができるので、すべてのデバイスを最速で充電することを期待する場合でなければ、本製品でも十分と言えるだろう。
ちなみにこれらの検証中に充電器本体が熱を帯びることはあったが、熱くて持てないというほどのものでもなかったため発熱に関してはほとんど気にする必要はないだろうと思われる。
まとめ
以上、RAVPowerの新型充電器 「RP-PC128」 を紹介した。
本体は13インチMacBook Pro用の純正充電器よりもコンパクトながらなんと90Wもの高出力を実現しており、15インチMacBook Proですらフルスピード充電が可能。
90W出力が可能な充電器の中では間違いなく世界最小レベルのサイズとなっているため、大きくて重い純正アダプタを置き換えるのに最適だろう。MacBook Proなどを持ち歩く上で荷物を少しでもコンパクトにしたい方にはぜひともオススメしたい。
さらに同充電器は2台のデバイスの同時充電もできるため、MacBook Proと一緒にiPhoneやiPadなどのデバイスを持ち歩く方は、1つ持っておけば普段遣いとしてはもちろん、旅行や出張などあらゆる場面で役に立ってくれること間違いなしだ。
強いていうなら、最新の16インチMacBook Proの96W純正アダプタも置き換えられるほどの出力を実現していれば100点満点だったのだが、90Wでも16インチMacBook Proを充電するには困らないため十分な性能と言えるだろう。
「RP-PC128」 は本日4月20日から販売が始まっており、Amazonでの価格は5,399円(税込)。ちなみに、「RP-PC128」 は今回のホワイトモデルに遅れてブラックモデルが4月24日(金)に発売する予定だ。もしホワイトよりブラックが欲しい方は今月24日の発売を待とう。