楽天モバイルと楽天損保は、シニアユーザー向けの取り組みを強化する。
両社は12月1日、65歳以上のユーザーを対象とした料金プラン「最強シニアプログラム」のオプション「15分かけ放題＆安心パック」に、新たな保険機能「オレオレ詐欺対策保険」を追加すると発表した。
本保険は、被害発生後の「損害賠償請求に関わる費用」を最大50万円まで補償するとされるが、具体的には被害金の返還請求や被害者代理のための弁護士費用、裁判関連費用といった法的手続きに起因する支出が対象となる想定だ。
さらに、再発防止のための物的対策として、鍵交換や固定電話機交換、センサーライト設置のための費用を最大10万円まで負担し、合計で最大60万円をカバーする仕組みだ。
昨今、 高齢者を狙った振り込め詐欺やなりすまし電話といった特殊詐欺は手口が巧妙化しており、被害は金銭的損失だけでなく心理的ダメージや社会的不安を招く。
楽天モバイルと楽天損保が今回この保険機能を「最強シニアプログラム」のオプションへ組み込んだ目的は、単に経済的な補償を用意するだけでなく、スマホ利用を通じた「見守り」と「安心感」の提供にある。
通信事業者と保険会社が連携することで、被害発生時の初動対応（相談窓口への誘導や警察への通報支援など）や、再発防止のための物理的対策（鍵交換やセンサーライト設置）に至るまでワンストップで支援できる点が特徴だ。
本保険は、「15分かけ放題＆安心パック」の標準機能として提供するため、さらなる追加費用は不要。同オプションに加入するユーザーには自動で付帯する。なお、「15分かけ放題＆安心パック」の料金は月額2,200円だが、楽天ポイントで毎月1,100円を還元するため、実質1,100円で契約することが可能だ。
「最強シニアプログラム」は、楽天が提供する通信プラン「Rakuten最強プラン」または「Rakuten最強U-NEXT」を利用するユーザーのなかで、「65歳以上」を対象に展開している料金プラン。月間データ容量に応じて料金が上がっていく仕組みで、3GB未満は858円、3GB〜20GB未満は1,958円、20GB以上は3,058円で利用できる（いずれも税込）。
この種のパッケージ化により、65歳以上の利用者がスマホを継続して使いやすくなるという波及効果が期待される。
保険が付帯していることで家族や本人が「万が一のときに相談できる」安心感を得やすく、結果的に遠隔でのコミュニケーションや緊急時の連絡手段としてのスマホ利用が活性化する可能性がある。また、通信事業者側も高齢顧客の流出防止やLTV（顧客生涯価値）の向上を見込めるため、両社にとってWin–Winの施策となる可能性が高い。
なお、「オレオレ詐欺対策保険」のような保険機能を提供するのは、携帯キャリアとしては国内初の事例であるとのことだ。
▶︎ 楽天モバイル 最強シニアプログラム
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(画像提供：楽天モバイル)