米Qualcomm (クアルコム) は現地時間4月24日、ノートPC向けの最新チップセット 「Snapdragon X Plus」 を発表した。
「Snapdragon X」 ファミリーの新モデル 「Snapdragon X Plus」 が登場
「Snapdragon X Plus」 は、Qualcommが提供するチップセット 「Snapdragon X」 ファミリーのひとつとして提供され、上位の 「Snapdragon X Elite」 からパフォーマンスは抑えられるものの、Qualcommの最新CPUとNPUを搭載した高性能チップセットだ。
搭載されるCPUは、10コアOryon CPU。競合製品と比較して最大37%高速なCPUパフォーマンスを誇り、省電力性も最大54%少なく駆動できる。
また、NPUは45 TOPSの処理性能をもつAI処理特化の 「Hexagon NPU」 。AI関連のアプリケーションをオンデバイスで駆動できる要件を満たすよう設計されており、同チップセットをWindows PCに搭載することで、省電力性に優れながらもオンデバイスAI機能が利用できる。
なお、上位の 「Snapdragon X Elite」 は12コアCPU (動作クロック3.8GHz/デュアルコアブースト4.2GHz)、45 TOPSのNPU性能を搭載するのに対して、「Snapdragon X Plus」 は10コアCPU(3.4GHz/デュアルコアブースト非対応)、45TOPSのNPU性能をもつ。
Windows 11でMicrosoftの生成AI 「Copilot」 をオンデバイス動作させる要件である40TOPSを上回ることも踏まえて、Qualcommは 「Snapdragon X Plus」 は 「Snapdragon X Elite」 と同様に “世界で最も高速なノートPC向けNPU” であるとアピールする。
また、「Snapdragon X Plus」 に搭載される 「Adreno GPU」 のGPU演算性能は3.8TFLOPS。参考として、上位モデルである 「Snapdragon X Elite」 のGPU演算性能は3.8〜4.6TFLOPSだ。
本チップセットの発表にあわせて、QualcommはいくつかのAI機能のデモンストレーションを行なっている。たとえば、Audacityでの音楽生成。Riffusionを使用したオンデバイスAIにより、プロンプトまたは既存の音楽から新しい音楽を生成できる。
また、OBS Studioのライブキャプションでは、オンデバイスで 「Whisper」 を動作させ、ライブストリーム中に100の音声言語を100の言語に自動翻訳してライブキャプションをつけることができるという。
通信に関しては、Wi-FiはWi-Fi 6/6E/7をサポートするほか、5G (下り10Gbps/上り3.5Gbps:Snapdragon X65 5G Modem-RF System) をサポート。Bluetoothはv5.4をサポートし、Qualcommのオーディオテクノロジーである 「Aqstic」 と 「aptX」 をサポートする。
同チップセットを搭載した製品は、各PCメーカーより2024年中頃から順次登場する予定だという。
(画像:Qualcomm)