トランプ大統領、Huaweiへの輸出禁止措置の緩和へ iPhoneなど中国製造品に対する追加課税も見送り

6月29日、大阪で開催された20カ国・地域首脳会議 (G20大阪サミット) で、トランプ米大統領と習近平中国国家主席が米中首脳会談を行い、同会談後にトランプ大統領は米中間の貿易政策に関する発表を行った。

その中で、注目が集まっていた対中追加制裁については先送りすることが発表された。当初は中国で製造される製品に対して25%近い関税が上乗せされる計画だったが、しばらくの間は現状維持となりそうだ。

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対中追加制裁の先送りで、各種スマートフォンやゲームコンソールの値上がりは回避

米中首脳会談でどのような会話が行われたのかは不明。トランプ大統領は 「中国が米国産の農産物を大量購入することになった」 としており、習近平国家主席が米政権に対して何らかの譲歩を提示した可能性もあるが、次期大統領選挙を意識して米国側も一定以上の譲歩をした可能性もありそうだ。

また、AppleやGoogle、大手ゲーム3社など多くの企業から関税引き上げに関する反発があったことも今回の決断に影響していたとみられる。もし当初の計画通り25%近い関税がかけられたなら、AppleならiPhoneシリーズ、GoogleならPixelシリーズの販売価格の引き上げが起きるのは必至。

そうなると、販売台数の減少などで雇用など米国内の経済に直接影響が出る可能性があった。それはトランプ大統領も避けたかったのかもしれない。

少なくとも中国に対する追加制裁がなくなったことで、iPhoneやPixelなどのスマートフォンが大幅に値上がりするといった事態は避けられる見込みだ。

ちなみに米国時間28日、Appleは新型Mac Proを中国国内で製造することをWSJが報じていた。もしかするとAppleは、今回の米国政府の方針転換について事前に通知されていたのかもしれない。

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Huaweiへの禁輸措置を緩和する考えを発表

また、G20大阪サミット閉幕後の記者会見で、トランプ大統領は中国の通信機器メーカーHuaweiに対する実質的な禁輸措置を緩和する考えであることを明らかにした。これまでも利用者の影響を考慮し、Huaweiとの一部取引については認めていた米国政府だが、「安全保障上の問題がなければ」 を条件に今後も米企業がHuaweiに対して製品を販売することを認めることになる。

もし同措置が緩和されれば、Huaweiはスマートフォンやタブレット製品に対して米国製品を使用できることになり、各デバイスの開発・販売の追い風となるのは間違いないだろう。

また、同措置の緩和に伴って将来的には米国内においてHuawei製品の販売が再開されることも予想される。米国の禁輸措置に合わせて日本国内の主要キャリアはHuaweiのスマートフォンの販売を停止していたがこれも再開となる可能性も。

ただ、米政権はHuaweiに対する “締め付け” をまだ完全に解くと決めたわけではない。自国製品の輸出を事実上禁止する 「エンティティー・リスト」 からHuaweiを外すかどうかについては、これからの中国側との協議次第NHKニュースによるとトランプ大統領は 「非常に複雑な問題だ。中国との間でHuaweiの問題については最後まで残すことで合意した」 と話したという。Huaweiの安全保障上の懸念については引き続き注視する考えだ。

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[ via 日本経済新聞 ]

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