米国時間4月30日、Appleは2019年第2四半期 (2019年1月~3月期) の業績を発表した。
決算発表によると同四半期の売上高は580億ドルで、前年同期比で5%減となった。純利益は116億ドルで前年同期比16%減の2期連続の減収減益に。売上総利益率は38.3%、希薄化後の1株あたり利益は2.46ドルとなった。参考として、昨年同期(2018年第2四半期)は売上高611億ドル、純利益138億ドルだった。
iPadが好調、サービス部門も予想以上の伸び
各製品の売上高や会社全体の総売上高・純利益 (および増減) は以下の表の通り。
総売上高 | 580億1,500万ドル ( -5% ) |
---|---|
純利益 | 115億6,100万ドル ( -16% ) |
売上高 | |
---|---|
iPhone | 310億5,100万ドル ( -17% ) |
Mac | 55億1,300万ドル ( -5% ) |
iPad | 48億7,200ドル ( +22% ) |
Wearable & Home | 51億2,900万ドル ( +30% ) |
Service | 114億5,000万ドル ( +16% ) |
今回の決算発表から、世界的なiPhoneの販売不振がAppleの業績に大きく影響していることは明らかだ。iPad部門やウェアラブルデバイス(AirPodsやApple Watchなど) 部門、サービス部門は相変わらず順調だが、総売上に占める割合が多いiPhoneが17%減を記録。さらに、Macの販売もマイナス5%とやや不調気味だ。
これは前回決算時と同様、中国の景気減退や米中貿易摩擦による影響が大きいものとみられている。各地域の売上高は以下の通りとなっているが、依然として中国市場では二桁台の売上減少が続いており、Appleの業績を下押ししている。
ただし、中国では米国との貿易戦争による景気失速を防ぐため付加価値税の軽減が行われており、それがAppleにとっては好影響となるとティム・クックCEOは見ているようだ。実際、前回決算発表では売上高が前年同期比で26%減となっていたが、今回の2019年第2四半期決算では22%減少に留まった。
地域 | 売上高 |
---|---|
アメリカ | 255億9,600万ドル ( +3% ) |
ヨーロッパ | 130億5,400万ドル ( -6% ) |
中国 | 102億1,800万ドル ( -22% ) |
日本 | 55億3,200万ドル ( +1% ) |
アジア太平洋地域 | 36億1,500万ドル ( -9% ) |
Appleの前製品の中で今最も好調なのはiPad部門。Appleは今年3月に新型タブレットの 「iPad mini (第5世代)」 や新型 「iPad Air」 を投入。さらに、昨年にはプロ向けモデルの新型 「iPad Pro」 を投入した。これらタブレット端末の販売が好調で、今回の決算発表でも前年同期比22%増を記録している。CEOティム・クック氏によると、過去6年間で最高の成長を記録しているとのことだ。ちなみに、Appleはこれまで決算発表毎に各製品の販売台数を発表していたが、iPhoneなど一部製品の販売台数が奮っていないこともあり、前回決算から各デバイスの販売台数の発表を行なっていない。
サービス部門はAppleが最も力を入れている部門の一つ。Appleのアプリ市場 「App Store」 や Apple Musicのサブスクリプションなどが含まれている部門だが、Appleは2020年までに、同部門の売上を2016年時点の2倍に引き上げることを目標としている。2016年のサービス部門の売上は約243億ドルで、2017年は約300億ドル、そして2018年は372億ドルだった。2019年も第1四半期から好発進となっており、今決算でも順調に売り上げを伸ばしていることから、この倍増計画は今のところ順調そうである。
ちなみに、サービス部門の売上が予想以上に伸びたことが影響し、今回の2019年第2四半期決算は投資家の予想(約575億ドル)を上回るものとなった。Appleは先月の新サービス発表イベントで、Apple TV channelやApple TV+など多数のサブスクリプションサービスを発表したこともあり、今後同サービス部門はiPhoneに次ぐ主力部門となる可能性を秘める。
Appleは次回決算(2019年第3四半期)の売上予測を525~545億ドルと見積もっている。また、株主に対する還元として四半期配当を5%増額、さらに総額750億ドルの自社株買枠の追加を発表している。
今回の決算発表を受けてAppleの株価は上昇している。時間外取引で一時211.50ドルまで買われており、時価総額が再び1兆ドルに届く可能性が出てきた。
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