AppleはARヘッドセットの開発のため、カナダ企業のVrvanaを買収した可能性がある。TechCrunchによると、Appleは3,000万ドル(約34億円)で、同企業のARヘッドセットの技術やノウハウを入手したとみられている。
Appleは、以前から独自のARヘッドセットを開発していると噂されており、2020年までに製品化される可能性が高いとBloombergも報じている。同ハードウェアを制御するために、ソフトウェアの開発が必須だが、Appleはこのソフトウェア開発に力を入れている。
カナダのスタートアップ企業「Vrvana」を買収
今回買収されたVrvanaは、AR・VR兼用のヘッドセット「Totem」を開発している企業。Totemは、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を両方利用できる6DOFのヘッドセットになっており、内部のディスプレイ(1440p / 視野角120度)に画面を表示する仕組み。
ヘッドセットの外側にはアウトカメラ(解像度2,560×1,440)が用意されており、現実世界に拡張世界の情報を表示することが可能。対応エンジンは、Unreal EngineやUnityなど主要なPCゲームをプレイすることもできるとしている。
日本では認知度が低い「Totem」だが、実は同製品はまだ開発段階にあり、発売に至っていない。他のVR・ARヘッドセットのスタートアップ企業に比べ、技術面では引けを取っていないものの、資金力に劣っているとも言われていた。Appleに買われた背景には、このような事情があったからからもしれない。
ちなみに、買収が行われたのは今年の夏であるという。Vrvanaの公式サイトはまだ稼働している状態だが、ソーシャルサービスのアカウントと共に、現在は更新が行われていないようだ。
Appleは買収についてコメントしておらず、買収の事実は確認できていない。しかし、複数人の従業員がApple本社内で働いていることが確認されており、買収が行われた可能性が極めて高い。
AppleがVrvanaの技術をどのように活かすかは不明だが、独自のARヘッドセットを開発していることはほぼ確実視されていることから、Vrvanaの技術が活用されることはほぼ間違いないだろう。製品化は2020年とも言われているが、今からとても楽しみだ。