今秋発表が噂されている「iPhone 8」には有機ELディスプレイが搭載される可能性が濃厚とされており、そのディスプレイはSamsung Displayが供給する予定であることが噂されている。
Samsung Displayは有機ELディスプレイメーカーの最大手で、品質・生産量共に信頼できるサプライヤーであることは間違いないのだが、AppleとしてはiPhone専用の独自の有機ELディスプレイの生産ラインを確保したい考えのようだ。
韓国メディアのThe Investorによると、AppleはLG Displayの有機ELディスプレイの生産ラインに巨額の資金を投資する予定であるとのこと。
LG Displayへの投資額は2~3兆ウォン(約2,000億~3,000億円)に?
AppleがLG Displayへ行う投資額は2~3兆ウォン(約2,000億~3,000億円)。6月3日時点では、AppleがLG Displayに投資するタイミングや規模などの詳細は確定していないとされているが、両社はこの計画に暫定的に合意しているという。
また、LG Displayは先月、2019年に稼働予定の新工場「E6」を含む有機ELディスプレイ事業に3.5億ドルもの資金を投資する計画であることが明らかになっていたが、この資金のほとんどはAppleから出ており、実質「E6」はiPhone用のディスプレイの製造に専念すると噂されている。
現在のスマホ向け有機ELディスプレイ市場のシェア率は、Samsung Displayが95%以上。同社の有機ELディスプレイはSamsung ElectronicsやAppleなどの大企業に供給されており、LG Displayや中国のBOEなどはまだ有機ELディスプレイの製造の強化に尽力している状態だ。
現時点ではLG Displayは規模・品質ともにSamsung Displayほどのメーカーとは言えないものの、今回明らかになった投資によってLG Displayが大きく成長する可能性はある。そうなった場合、AppleはSamsung Displayに支払っている金額よりも安く有機ELディスプレイを入手できる上に、不足しがちな有機ELディスプレイを安定して確保できるようになるかもしれない。
ちなみに、iPhone専用になると噂されている新工場「E6」の稼働は2019年が予定されているため、Appleがその恩恵を受けることができるのは実質2019年以降となる。
残念ながら今秋発売の「iPhone 8」はもちろん、来年発売のiPhoneの生産には関わることはないとは思うが、再来年に発売されるiPhoneからはこの投資の影響が出てくる可能性があると言えるだろう。
[ via 9to5Mac ]