6月6日、Appleはデベロッパー向けカンファレンスイベント「WWDC 2017」を開催。同イベントの基調講演で新型「MacBook Pro」や「MacBook」を発表した。
これらの新型モデルは、2016年に販売が開始されたモデルの中身を変更しただけのマイナーアップデート版。ただしエンドユーザー向けにとっては地味に大きなアップデートとなった。なぜなら、待望の第7世代プロセッサ「Kaby Lake」が搭載し、処理能力が向上しているからだ。
それでは、新型「MacBook Pro」と「MacBook」のスペックを改めて確認してみよう。
以下に、これらの端末のスペック表を作成してみた。2016年モデルとの比較にもなっているので、2016年モデルの購入を見送った人もぜひ一度、最新モデルのスペックを確認していただければと思う。
13インチ「MacBook Pro」- Touch Barなしモデル
13インチMacBook Pro(2017) Touch Barなし |
13インチMacBook Pro(2016) Touch Barなし |
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ディスプレイ | 13.3インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
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解像度 | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | ||
Touch Bar | なし | ||
ストレージ | 128GB SSD オプションで 256GB、512GB、1TBに変更可能 |
256GB SSD オプションで 512GB、1TBに変更可能 |
256GB SSD オプションで 512GB、1TBに変更可能 |
プロセッサ | 2.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、64MB eDRAM
オプションで |
2.0GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.1GHz)、4MB共有L3キャッシュ
オプションで |
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メモリ | 8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ
オプションで16GBに変更可能 |
8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ
オプションで16GBに変更可能 |
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本体サイズ | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.49 cm | ||
重量 | 1.37kg | ||
グラフィック | Intel Iris Plus Graphics 640 | Intel Iris Graphics 540 | |
通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 |
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カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | ||
ポート | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 2 | ||
オーディオ | ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
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キーボード | 第2世代バタフライ構造 | ||
バッテリー | ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大10時間 |
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カラー | シルバー スペースグレイ |
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価格 | 128GB:142,800円〜 256GB:164,800円〜 |
販売終了 |
13/15インチ「MacBook Pro」- Touch Barありモデル
13インチMacBook Pro(2017) Touch Barあり |
15インチMacBook Pro(2017) | 13インチMacBook Pro(2016) Touch Barあり |
15インチMacBook Pro(2016) | |
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ディスプレイ | 13.3インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
15.4インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
13.3インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
15.4インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
解像度 | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | 2,880 x 1,800ピクセル(220ppi) | 2,560 × 1,600ピクセル(227ppi) | 2,880 × 1,800ピクセル(220ppi) |
Touch Bar | あり | |||
ストレージ | 256GB SSD
オプションで |
256GB SSD
オプションで |
256GB SSD | 256GB SSD
オプションで |
512GB SSD
オプションで |
512GB SSD
オプションで |
512GB SSD
オプションで |
512GB SSD
オプションで |
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プロセッサ | 1.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB L3キャッシュ
オプションで |
256GBモデル 2.8GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)、6MB共有L3キャッシュ オプションで |
2.9GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、4MB共有L3キャッシュ
オプションで |
256GBモデル 2.6GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.5GHz)、6MB共有L3キャッシュ オプションで |
512GBモデル 2.9GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.9GHz)、8MB共有L3キャッシュ オプションで |
512GBモデル 2.7GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、8MB共有L3キャッシュ オプションで |
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メモリ | 8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ
オプションで16GBに変更可能 |
16GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ |
8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ オプションで16GBに変更可能 |
16GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ |
本体サイズ | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.49 cm | 幅34.93 × 奥行き24.07 × 高さ1.55 cm | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.49 cm | 幅34.93 × 奥行き24.07 × 高さ1.55 cm |
重量 | 1.37kg | 1.83kg | 1.37kg | 1.83kg |
グラフィック | Intel Iris Plus Graphics 650 |
256GBモデル Radeon Pro 555(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) オプションで |
Intel Iris Graphics 550 | 256GBモデル Intel HD Graphics 530 Radeon Pro 450(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
512GBモデル Intel HD Graphics 630 Radeon Pro 560(4GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
512GBモデル Intel HD Graphics 530 Radeon Pro 455(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) オプションで |
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通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 |
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カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |||
ポート | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 4 | |||
オーディオ | ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 3つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 3つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
キーボード | 第2世代バタフライ構造 | |||
バッテリー | ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大10時間 |
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カラー | シルバー スペースグレイ |
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価格 | 256GB:198,800円〜 512GB:220,800円〜 |
256GB:258,800円〜 512GB:302,800円〜 |
販売終了 |
まずは「MacBook Pro 2017」と「MacBook Pro 2016」モデルの比較。
いずれもプロセッサが、Intel第6世代プロセッサ「Skylake」から、Intel第7世代プロセッサ「Kaby Lake」に変更されており、13インチモデルは最大3.5GHzのCore i7(Turbo Boostにより最大4.0GHz)、15インチモデルは最大3.1GHzのCore i7(Turbo Boostにより最大4.1GHz)のプロセッサを選択可能になる。
また、15インチモデルに関しては、従来モデルからさらなるグラフィック性能の向上が施されており、ディスクリートグラフィックスが標準搭載されることになった。
価格は、「MacBook Pro 2017」の13インチTouch Barなしモデルが142,800円から。「MacBook Pro 2017」の13インチTouch Barありモデルが198,800円から、そして、15インチモデルが258,800円から購入可能だ。
12インチMacBook(2017) | 12インチMacBook(Early 2016) | |||
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ディスプレイ | 12インチRetinaディスプレイ | |||
解像度 | 2,304 × 1,440ピクセル(226ppi) | |||
Touch Bar | なし | |||
ストレージ | 256GB SSD 512GB SSD |
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プロセッサ | 256GBモデル 1.2GHzデュアルコアIntel Core m3(Turbo Boost使用時最大3.0GHz)、4MB L3キャッシュ オプションで または |
512GBモデル 1.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB L3キャッシュ オプションで |
256GBモデル 1.1GHzデュアルコアIntel Core m3プロセッサ(Turbo Boost使用時最大2.2GHz)、4MB L3キャッシュ オプションで |
512GBモデル 1.2GHzデュアルコアIntel Core m5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)、4MB L3キャッシュ オプションで |
メモリ | 8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ オプションで16GBに変更可能 |
8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ | ||
本体サイズ | 幅28.05 × 奥行き19.65 × 高さ1.31 cm | |||
重量 | 0.92kg | |||
グラフィック | Intel HD Graphics 615 | Intel HD Graphics 515 | ||
通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 |
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.0 |
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カメラ | 480p FaceTimeカメラ | |||
ポート | USB-Cポート × 1 | |||
オーディオ | ステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
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キーボード | 第2世代バタフライ構造 | 第1世代バタフライ構造 | ||
バッテリー | ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大12時間 |
ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大11時間 |
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カラー | シルバー ゴールド スペースグレイ ローズゴールド |
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価格 | 256GB:142,800円〜 | 512GB:175,800円〜 | 販売終了 |
Apple史上最も薄く、そして軽い12インチ「MacBook」は、2017年のアップグレードで実は大きな進化を遂げている。今まで購入を見送っていた人にとっても、オススメできる端末に仕上がっているようだ。
まずはプロセッサの性能向上。「MacBook Pro 2017」と同様に第7世代プロセッサ「Kaby Lake」を搭載することが可能になり、「Core i5」や「Core i7」といった高性能プロセッサが選択できるようになった。
また、SSDも50%高速化されたことで処理性能が向上。最大メモリ(RAM)も16GBまで増加するなど、ユーザーから挙がっていた不満が2017年モデルで解消されている。
あと地味に大きいのが、第2世代バタフライ構造キーボードを採用したこと。今までは第1世代バタフライ構造キーボードが搭載されており、軽い力でキータイピングが可能だったのだが、キーストロークが浅かったため打鍵感が好きになれないという人がそれなりにいた。
しかし、「MacBook Pro 2016」で初めて採用された第2世代バタフライ構造キーボードが、初めて12インチ「MacBook」でも採用。従来の構造よりもキーストロークが深くなった関係で、より深くまで打ち込むことが可能に。普段からキーボードで文字をタイプする仕事をしている人には嬉しい仕様変更となった。
2017年モデルの12インチ「MacBook」の価格は、256GBモデルで142,800円、512GBモデルで175,800円だ。
12インチMacBook(2017) | 13インチMacBook Pro(2017) Touch Barなし |
13インチMacBook Pro(2017) Touch Barあり |
15インチMacBook Pro(2017) | |
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ディスプレイ | 12インチRetinaディスプレイ | 13.3インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
15.4インチRetinaディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
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解像度 | 2,304 × 1,440ピクセル(226ppi) | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | 2,880 x 1,800ピクセル(220ppi) | |
Touch Bar | なし | あり | ||
ストレージ | 256GB SSD | 128GB SSD オプションで 256GB、512GB、1TBに変更可能 |
256GB SSD オプションで 512GB、1TBに変更可能 |
256GB SSD オプションで 512GB、1TB、2TBに変更可能 |
512GB SSD | 512GB SSD オプションで 1TBに変更可能 |
512GB SSD オプションで 1TBまたは2TBに変更可能 |
256GB SSD オプションで 512GB、1TBに変更可能 |
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プロセッサ |
256GBモデル オプションで |
2.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、64MB eDRAM オプションで |
1.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB L3キャッシュ オプションで |
256GBモデル オプションで |
512GBモデル オプションで |
512GBモデル オプションで |
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メモリ |
8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ オプションで16GBに変更可能 |
8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ オプションで16GBに変更可能 |
16GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ | |
本体サイズ | 幅28.05 × 奥行き19.65 × 高さ1.31 cm | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.49 cm | 幅34.93 × 奥行き24.07 × 高さ1.55 cm | |
重量 | 0.92kg | 1.37kg | 1.83kg | |
グラフィック | Intel HD Graphics 615 | Intel Iris Plus Graphics 640 | Intel Iris Plus Graphics 650 | 256GBモデル Radeon Pro 555(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) オプションで 512GBモデル |
通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 |
|||
カメラ | 480p FaceTimeカメラ | 720p FaceTime HDカメラ | ||
ポート | USB-Cポート × 1 | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 2 | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 4 | |
オーディオ | ステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 3つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
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キーボード | 第2世代バタフライ構造 | |||
バッテリー | ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大12時間 |
ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大10時間 |
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カラー | シルバー ゴールド スペースグレイ ローズゴールド |
シルバー スペースグレイ |
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価格 | 256GB:142,800円〜 512GB:175,800円〜 |
128GB:142,800円〜 256GB:164,800円〜 |
256GB:198,800円〜 512GB:220,800円〜 |
256GB:258,800円〜 512GB:302,800円〜 |
以上が、「MacBook Pro 2017」と「MacBook 2017」のスペック表。いずれも従来モデルからの着実なアップグレードが施されているのが、お分かりいただけると思う。
少々残念なのは、円安の影響から国内での端末価格が高くなってしまったこと。Touch Barなしモデルの「MacBook Pro 13-inch」に関しては、128GBモデルが登場したことにより最低端末価格は安くなったものの、全体として数万円程度の値上げが実施されている。
ただし、この値上げ以上に端末の性能が向上したことの意味合いは、地味に大きいと個人的には考えている。特に動画編集や3Dテクスチャに触れる機会が多いハイエンドユーザーにとっては尚のことだ。
ちなみに、「MacBook Pro」は現在のデザインに変更されてから様々な問題が指摘されていたが、それらは徐々に改善され今では特段大きな不具合は発生していない。僕も毎日のように2016年モデルを使っているが、最近は不具合にも遭遇せずに使えているため、その点に関しては安心してもらえるのではないかと思う。
「Touch Bar」も使う機会が少ないとはいえ、決して邪魔になるものでもない。むしろ「Touch Bar」の脇に「Touch ID」が搭載されたことにより、スムーズな端末ロック解除ができてストレスフリーになるのも魅力的だ。
今回は「MacBook」と「MacBook Pro」のそれぞれの端末を比較したが、総じて言えることは、どちらの端末も一般ユーザー向け、プロユーザー向けとして十分な性能になっているということ。
2016年モデルの購入を見送っていたなら、2017年モデルはおそらく”買い”。高い買い物になるだけに、ぜひ吟味してお好みの端末を見つけていただければと思う。
豆知識:整備済製品ストアで旧モデル「MacBook Pro 2016」を購入するのもあり?
ちなみに、旧モデルの「MacBook Pro 2016」に関しては、定期的に整備済品がApple整備済製品ストアで販売されることがあるのだが、2016年モデルの整備済製品は2017年モデルの登場とともに価格が安くなっている。
整備済製品は完全なる新品というわけではないものの、Appleが丁寧に整備をして販売しているものなため、ほぼ新品同等の品質となる。しかし一応、新中古扱いになるため通常価格よりも低く購入することが可能だ。
少々高くても性能の高い「MacBook Pro 2017」を買うべきなのか、それとも整備済製品ストアを活用して数万円安い「MacBook Pro 2016」を買うのかも含めて、どちらにすべきか検討してみてもいいのではないだろうか。
Apple整備済製品ストアはこちらからどうぞ。
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