Appleは、iPhoneの人工知能に関するタスクをメインプロセッサから独立したチップに任せるつもりなのかもしれない。
Bloombergの報道で、Appleはメインプロセッサとは異なるAIチップを開発しており、それを将来のApple製品に活かす予定であることが明らかになっている。
新しいチップの搭載により、端末の処理高速化や消費電力の引き下げに繋がる?
Appleが開発している新しいチップの名前は、「Apple ニューラルエンジン」。「A10 Fusion」などのメインプロセッサやメイングラフィック用チップとは異なる、新しい処理プロセッサになるとのこと。
主に人工知能に関するタスクを処理するために開発される予定で、顔認識技術や音声認識技術、キーボードの予測変換などのタスクをメインプロセッサに変わって処理させるために搭載される予定らしい。
Appleがこのようなチップを開発するのは、決して初めてのことではない。Appleは「iPhone 5s」にすでにメインプロセッサを補助するためのモーションコプロセッサ「M」シリーズを導入し、それは最新モデルの「iPhone 7」にも搭載されている。
AI関連のタスクがどれほどメインプロセッサに負荷をかけているのかは定かではないが、メインプロセッサの処理を軽減することができれば、同時に処理ができるタスクが多くなり、端末の処理速度が向上するはずだ。
また、これらのサブプロセッサが搭載されることによって消費電力を軽減する効果もあるという。実際、「M」シリーズが搭載されたことで端末の消費電力が少なくなり、Appleは端末の駆動時間を長くすることに成功したと言われている。
バッテリー持ちはスマートフォンにとっても最大の課題。バッテリー技術の進化は頭打ち感があることから、端末の消費電力を下げるか、バッテリー自体を大きくする以外にバッテリー持ちを改善する方法は少ない。
それだけに、これから顔認識や音声認識など様々なAI技術の搭載が予定されているiPhoneにとって、AI処理を個別にできるプロセッサの導入は実利が大きいと思われる。
もしかすると「M9」コプロセッサが搭載されたことで「iPhone 6s」で電源に接続せずとも「Hey Siri」が使えるようになったように、Siriなどの音声アシスタントにも何かしら好影響があるかもしれない。
ただし、同チップの実用化は定かではないため、次期iPhoneの「iPhone 8」に搭載されるかどうかは不透明となっている。続報に期待したい。