これまで、Appleは「A10 Fusion」などのiOS端末向けグラフィックチップに英Imagination Technologies製のチップを利用してきたが、ついに独自のチップに切り替えることが明らかになった。
Reuterによると、Appleは現在、iOS端末向けに独自のグラフィックチップを開発中で、今後2年以内にImagination Technologies製のグラフィックチップの利用を停止すると通知したとのこと。
AppleはiOS端末向けに独自のグラフィックチップを開発中
Imagination Technologiesは、「iPhone」や「iPad」などのiOS端末や「Apple Watch」に使われている全てのグラフィックチップ向けに技術ライセンスを提供している企業。端末のグラフィック性能を最大限に引き出すためには、とても重要な技術だ。
同社はAppleに技術ライセンスを提供する代わりに少額のロイヤリティーを受け取っているのだが、今回Appleはそれを2年以内に打ち切ることを通知。さらにApple独自のグラフィックチップを開発していることを伝えたという。
これに対し、Imagination Technologiesは同社の特許や知的財産権、機密情報等を侵害することなくAppleが独自で開発を進めることができるのかに対して疑問を呈しており、その証拠を提示するように要請したが、Appleはそれを拒否したとのこと。
ちなみに今回の報道を受けて、Imagination Technologiesの株価は大暴落。報道前の株価は270ポンドだったのが、一時76ポンドまで下落した(現在は100ポンド前後)。
Imagination Technologiesにとって、Appleからのライセンス料とロイアルティ料は同社の売上の半分以上を占める。この通達を受けて、Imagination TechnologyはAppleに対して代替案の提示を行う予定だが、Appleが独自でグラフィックチップを開発すると言っている以上、代替案を受け入れてもらえるかどうかは怪しいところ。
もしAppleの宣言通りに開発が進んでいるとすれば、これが実現するのは早くて「A12」チップから。噂では「iPhone 8」は今年発売されると言われていることから、2018年に発売予定の「iPhone 9 (仮)」に搭載される可能性が高そうだ。