今月初め、Appleは「AR(拡張現実)」と呼ばれる次世代技術の開発に着手していると報じられた。
報道によると、その開発体制は1,000人規模。多くのエンジニアを同技術に投じていると言われている。それほど、AppleはAR技術の開発に本腰を入れているようだ。
AppleのAR開発はどのような形で、ユーザーに還元されるのだろうか。Bloombergによると、まずはiPhoneに同技術が搭載され、その後にスマートグラスのような製品作りに生かされるのではないかとのこと。
まずはiPhoneにAR技術が搭載、その後にスマートグラスが登場か
Appleが開発しているAR技術は、iPhoneのカメラを通じて撮影した特定のオブジェクトに対して、ある変化を加えるというもの。
例えば、被写体との距離感を今まで以上にハッキリと表現したり、撮影した写真に写っている特定のモノだけを180度傾けたりするというもの。
分かりやすい例で言えば、Snapchatの写真合成技術のようなものだろうか。顔だけでなく、現実世界のオブジェクトや風景に対して、何かしら特定のエフェクトを加えることをAppleは計画しているのかもしれない。
また、AppleはiPhone向けAR技術だけでなく、スマートグラス用のAR技術も開発しているようだ。
昨年11月、Bloombergはこう伝えていた。AppleはAR技術を応用したARメガネの開発を計画している、と。
スマートグラスとは、以前にGoogleが開発していた「Google Glass」のような製品で、メガネのレンズに映像を照射し、そこに映し出された情報を現実世界と重ねて見ることができるという技術。
Appleがどのようなスマートグラスを開発しているのかについては、現段階では全く情報がない状態だが、すでにAppleはAR技術の開発のために多数の企業を買収。今年1月にはカールツァイスと共同でARメガネの開発を行っていると報道されている。
しかも、AppleのトップであるCEOティム・クック氏は、「AR技術」に関する興味はかなり強いことを述べていた。すでにテスト用のメガネ型ディスプレイをサプライヤーに注文しているなど、秘密裏でスマートグラスを開発している可能性はとても高い。
Appleが開発している「AR技術」についてはとても気になるところだが、Business Insiderの報道によると、実現は早くても2017年秋に発売する新型iPhone。
次期iPhoneで搭載されるかは不明だが、新しい技術に触れることができる時期はそれなりに近いのかもしれない。