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「iOS 10.3」、「APFS」の採用でiPhoneの起動時間が約20%高速化へ

先日、Appleデベロッパー向けにリリースした「iOS 10.3 beta」では、新しいファイルシステム「Apple File System (APFS)」が採用されていることが判明した。

この「APFS」の採用によって、「iOS」の動作が速くなることが予想されていたが、その効果が実証されたかもしれない。

iAppleBytesが「iOS 10.3 beta」をインストールした端末と「iOS 10.2.1」をインストールした端末の2つで、起動時間や動作速度を検証しているので、詳細をお伝えする。

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「APFS」の導入で、端末の起動時間が約20%高速化

iAppleBytesが検証したのは、「iOS 10.2.1」と「iOS 10.3 beta」をインストールした「iPhone 5 / 5s / 6 / 6s」をそれぞれ用意し、端末の起動時間が早くなっているのかを比較するというもの。

以下が、その検証動画(iPhone 5 / 5s / 6の検証動画は記事下部に掲載)。

結果は、全ての端末において「iOS 10.3 beta」をインストールした方が起動時間が早くなるという結果に。「iPhone 5」に関しては、なんと約7.5秒も起動が早くなった。

  iOS 10.2.1 iOS 10.3 beta 起動時間の差
iPhone 6s 18.15秒 15.15秒 −3.0秒
iPhone 6 29.08秒 23.08秒 −6.0秒
iPhone 5s 35.80秒 29.92秒 −5.88秒
iPhone 5 48.06秒 40.49秒 −7.57秒

なぜこれほどまでに、端末の起動時間が早くなったのか。おそらく、これはファイルシステムが「Apple File System (APFS)」へアップグレードされたからだろう。

それでは、この「Apple File System (APFS)」とは何なのか。

「Apple File System (APFS)」というのは、昨年6月に開催された「WWDC2016」で、Appleが発表した新しいファイルシステムで、SSDやフラッシュストレージに最適化し、大容量ファイルの扱いに長けているのが特徴。

「APFS」が生まれた経緯は、現行のファイルシステム「HFS」や「HFS+」(macOSでは「HFS+」)があまりに古すぎる規格だから。

[ img via Grant Hutchinson ]

これらのファイルシステムは、フロッピーディスクが当たり前だった頃に作られたもので、現代と違い最大でもメガバイト単位のデータを取り扱うことが主流だった。

だが、今やギガバイト単位の大きなデータをやり取りする機会も増えている状況で、前時代的なファイルシステムを使い続けることにメリットはない。「APFS」は、まずはmacOSへの搭載が予定されていたが、早くも「iOS 10」のベータ版で利用できるようになった形だ。

今回の検証動画を見る限り、起動時の他に高速化されている印象はないので、おそらくユーザーがiPhoneの処理の高速化を感じる機会はほとんどないだろう。もしあるとすれば、大容量のアプリやファイルを読み込むときなどに限られると思われる。

ちなみに、この「APFS」は「iOS 10.3」をインストールすることで、旧式のファイルシステムから自動でアップグレードされる。今のところ、このアップグレードでデータが消失したという話は出ていないが、万が一に備えてアップデートの際には必ずバックアップを取っておくことをオススメする。

また、パブリックベータテスター向けに公開された「iOS 10.3 Public Beta」でも「APFS」へのアップグレードが行われている。パブリックベータテスターの方もぜひお試しください。

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[ via iPhonehacks ]