初代iPhoneには、開発の初期段階で2種類のOSが存在した。これは以前の記事でお伝えした通りだが、この時に公開されていた「iPod」のクイックホイール式OSの他に、もう一つのバージョンのOSも先ほど公開されている。
初代iPhone用のOSのプロトタイプ「P1」と「P2」が公開
Sonny Dickson氏は、二つのOSのプロトタイプを動画で公開。横に並べて、その違いを比べている。左の端末が、先日公開されたデザインのOS「P1」で、右の端末が現在のiOSの元になったOS「P2」。
「P1」については先日お伝えした通り、「iPod」のクイックホイールがベースになったボツ案。実際に画面でクイックホイールを操作するのには多少無理であったことを、開発当時を振り返るTony Fadell氏は述べている。
そして、今回新たに公開された「P2」に関して。これを公開したSonny Dickson氏によると、Scott Forstall氏がデザインしたプロトタイプ。画面全体をタッチできるUIを採用したOSで、今のiOSの操作感と似ていることがお分りいただけるだろう。
これらのOSは、どちらも「Acorn OS」と呼ばれ、同じ端末で動作するように作られた模様。
なので、動画をみていただけたら分かる通り、「P1」はもともとiPodのOSをカスタマイズしている程度に過ぎないため起動など動作速度は割と早い印象だが、「P2」に関しては起動にかなり時間がかかっている様子。そういえばこの頃のiPhoneは起動まで結構時間がかかったような気もする。
このビデオで映し出されている二つの端末は、まさに「iPhone」の始まり。故スティーブ・ジョブズ氏や開発チームが10年前、どのように未来の端末を作ろうとしたのかが垣間見える貴重なものだ。
Dickson氏は、これらの「Pデバイス」がAppleのあらゆるプロジェクトの第1歩であったと指摘している通り、これらがなかったら今のAppleはおそらく存在していなかっただろう。
Sonny Dickson氏のウェブサイトには、「P2」プロトタイプの画像が多数掲載されている。気になる人はこちらからどうぞ。
[ via MacRumors ]