以前から話題になっているキャリアによるスマホの「端末購入補助」について、さらに購入者の負担が増えるようになることが明らかになった。
総務省は本日開かれた有識者会議にて、端末の「実質0円」販売の自粛を促すガイドラインの強化を要請。「iPhone 7」などの最新端末の購入補助金額を今まで以上に少なくすることを求めることになるとのこと。
最新端末の価格を前世代の中古価格と同じくらいの価格に
産経ニュースによると、本日7日に開催されたスマホの販売適正化を話し合う有識者会議において、総務省は「iPhone 7」などの最新端末を前世代の中古価格と同程度の金額になるように、端末購入補助を減額することを求めていることが明らかに。
具体的には、「最新端末の実質販売価格は、2世代前の下取り価格を下回ってはいけない」というルールが検討されており、例えば「iPhone 7」の実質価格は「iPhone 6」の中古価格を下回ってはいけないという内容になるものと思われる。
また、週末や月末などに行われる期間限定の端末購入補助の増額も禁止する予定とのこと。
この一連の問題を少しだけ解説すると、事の発端は昨年末に総務省によってスマホ料金の見直しが要請されたこと。当時はスマホの利用料金が高額であるという指摘だったが、次第に「実質0円」の販売スタイルを問題視。
総務省は2016年3月に過度な値引きを禁止するガイドラインを策定し、高額なキャッシュバック(端末購入補助含め)を禁止することを要請した。
ただ、ガイドライン策定後もキャリアによるガイドライン違反が度々報告されていたことから、先月総務省は大手キャリア3社に対し行政指導。さらなる規制強化に踏み切った形だ。
今回の規制強化も、「端末を乗り換えるユーザー向けの行き過ぎた値引き」を抑えることで、携帯電話利用者全体の料金値下げにつなげる狙いがあるとしているが、正直これらの規制強化は、過去の例を見ると、ユーザーにとって負担増にしかなっていない。
なぜなら、月額利用料は実施的に下がってはおらず、ほとんどのユーザーが利用できないような中途半端な割引しかないから。
長期契約者向けに割引サービスが拡張されたものの、10年レベルで利用しているユーザーにしかメリットはない。数年程度の契約者にとっては割引がほぼないと言っても過言ではなく、さらに端末購入補助が少なくなったことで、ほとんどのユーザーにとってはむしろ負担が増えている形だ。
今回の規制強化に関して、ユーザーに直接的なメリットがあるものとすれば、SIMロック解除についての制限も緩和される方針であること。
現段階では新規端末を購入後、半年はSIMロックの解除ができないようになっているが、総務省はこちらも是正を要請している段階。
大手キャリア3社のうち、ソフトバンクはSIMロック解除ができるようになるまでの日数を約4ヶ月程度(120日間)に短縮する方針であることが明らかになっており、おそらくNTTドコモやKDDIも追随する形になることが予想されるが、総務省はそれよりも短い100日程度を要請する予定であるとのこと。
現段階において、これらの規制強化がユーザーにとって良い影響があったことは非常に少ない。ユーザーにとってはむしろ負担増になっている現状を踏まえ、総務省はキャリアにはよりユーザー目線で話し合いをして欲しいところ。
一部の調査では、MVNOへの移行を考えているユーザーも多いという結果も出ていることもある。今後の規制強化次第では、ユーザーはより格安SIMなどのサービス利用を考える必要が出てくるだろう。