先月発表された新型「MacBook Pro」には、注目の新機能「Touch Bar」が搭載されており、同ディスプレイは有機ELディスプレイが採用されていることが判明している。
ハンズオン動画などでは、「Touch Bar」はとても綺麗な画面だと絶賛されてもいたが、ETNewsによると今回の「MacBook Pro (Late 2016)」に搭載された「Touch Bar」はSamsung製の有機ELディスプレイが使われていることが分かった。
「Touch Bar」に有機ELディスプレイを採用した理由は3つ
今回、Appleが「Touch Bar」に有機ELディスプレイを採用した理由は3つほどある。
その理由とは、応答速度が速いこと、消費電力が少ないこと、そしてバックライトが不要なことから薄く作ることができるという点だ。いずれも従来のLCDディスプレイに比べて良いことばかりで、パーツの厚さも約1/3程度にすることもできたようだ。
特に、ラップトップ端末である「MacBook Pro」はバッテリーに依存して駆動するため、バッテリー消費が少ないに越したことはない。
従来モデルから薄型・軽量化を図りつつ、従来モデルと連続駆動時間は変わらなかったことを考えると、Appleはその点においてかなりの工夫をしたことがわかる(もちろん内部のプロセッサを消費電力の少ないものに置き換えたこともあるが)。
次期「MacBook」「MacBook Pro」のメインスクリーンも有機ELディスプレイに?
Appleは有機ELディスプレイの恩恵を受けるべく、次期「MacBook」や「MacBook Pro」に有機ELディスプレイを搭載することも検討しているようだとも伝えられている。
ETNewsによれば、Appleはすでに「MacBook」などに搭載する有機ELディスプレイのテスト段階に入っており、テストが成功して、生産上の問題をクリアすることができれば、これらの端末に有機ELディスプレイを搭載する可能性も高い。
端末に有機ELディスプレイを採用することにはいくつかのメリットが存在する。有機ELディスプレイの特徴に関しては冒頭でも述べているが、もう少し詳しく解説しよう。
まずは従来のLCDディスプレイに比べて消費電力が少ないという点。
有機ELディスプレイはバックライトを必要とせず、ピクセル単体が光る仕組みで、画面に黒い部分が存在する場合、そのエリアを光らせる必要はない。
となると、黒の面積が多ければそれだけ発光する面積が少なくなるので、消費電力を少なくすることができる上にバックライト自体も不要となる。
Appleは「Apple Watch」を皮切りに、「MacBook Pro」の「Touch Bar」に有機ELディスプレイを採用。そして来年発売の「iPhone 8」も同ディスプレイを搭載する予定だ。
これらのような黒の表示面積が多い端末で有機ELディスプレイを使う理由は、「少ない消費電力」にあると言えるだろう。
ただし、「Apple Watch」や「iPhone」においては消費電力を大幅に引き下げることが可能でも、白背景がほとんどのラップトップ端末ではそこまで大きなメリットを受けることはできない可能性がある。
むしろ、有機ELディスプレイを採用するメリットはそれ以外の点にあるかもしれない。
有機ELディスプレイのもう一つの特徴としては、従来のLCDディスプレイよりも色をハッキリと映し出すことができるという点が挙げられる。
消費電力という面でそこまで大きなメリットがなかったとしても、今まで以上にハッキリとした色合いが出せるようになれば、より綺麗な画面で「MacBook」を操作することができるようになるだろう。
まだ新型端末が発表された段階なので、次期「MacBook Pro」のことを考えるのは時期尚早かもしれない。だが、Appleが「MacBook」「MacBook Pro」シリーズのさらなる小型化を考えているならば、有機ELは必須とも言える技術になる。
もし、あなたが新型「MacBook Pro (Late 2016)」の購入を見送ったなら、来年の有機ELディスプレイ搭載モデルを期待してみても良いかもしれない。
[ via Cult of Mac ]